1.「観光業界で働く意義」を考える

観光/インバウンド業界の現状

 

ご存じの通り、インバウンド(訪日外国人旅行)客数は、2012年から7年間で3.8倍という爆発的な成長を遂げてきました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年のインバウンドは壊滅。今なお、観光業界は大きな打撃を受け続けています。

 

 

日本人の国内旅行についても大きな打撃を受けており、2020年の日本人国内延べ旅行者数は2億9,341万人(前年比50.0%減)、うち宿泊旅行が1億6,070万人(前年比48.4%減)、日帰り旅行が1億3,271万人(前年比51.8%減)となっています。日本人国内旅行消費額の推移は下記図の通りです。

 

出典:観光庁 旅行・観光消費動向調査「2020年1月~12月期」概要資料(確報)

 

このような厳しい中でも、国の掲げる「2030年に訪日外国人客数6,000万人」という目標は変わっていません。

なぜ私たちは観光、特にインバウンドに取り組む必要があるのでしょうか?

 

観光/インバウンドに取り組む意義

 

裾野が広い産業であること

 

観光業と聞いてすぐに思い浮かぶのは、旅行会社や宿泊施設、土産物店などだと思います。しかし、お土産の原材料を作る生産者や、レストランで提供される魚を獲る漁師など、直接的な旅行業以外の多くの産業にも経済効果があり、雇用の創出にも貢献しています。

 

出典:旅行消費が日本国内にもたらす経済波及効果(2019 年)「令和3年度版 観光白書」(国土交通省)p.312 資料37

 

2019年の旅行消費額は29.2兆円で雇用効果は260万人。経済波及効果も含めると、その額は55.8兆円、雇用誘発効果は456万人にも及ぶとのデータが出ております。

 

出典:旅行消費が日本国内にもたらす経済波及効果(2019 年)「令和3年度版 観光白書」(国土交通省)p.312 資料38

 

女性や外国人などが活躍できる産業であること

 

観光業界は他業界と比較して女性比率・外国人比率が高く、ダイバーシティの面で貢献している業界です。

下記のデータによると「宿泊業・飲食サービス業」は、「医療・福祉」に次いで2番目に女性比率が高い業界となっています。

 

 

出典:総務省統計局ホームページ https://www.stat.go.jp/data/e-census/guide/basic/result/chart3.html

 

また、日本で働く外国人の11.8%にあたる20万人以上の方が「宿泊業・飲食サービス業」に従事しています。特にインバウンドに取り組む際には、ターゲット国出身者の力が不可欠であり、外国人の方が能力を発揮しやすい業界と言えるでしょう。

 

出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和2年10月末現在)

 

地方創生と高い親和性がある産業であること

 

日本では少子高齢化が社会問題となっており、特に地方では深刻な状況となっています。

そんな中で注目されているのが「観光」です。人口減少を補うために、観光客誘致による地方経済活性化が期待されています。

 

観光庁のデータによると、定住人口一人当たりの年間消費額は130万円で、その一人分の人口減少を補うためには、外国人旅行者だと8人分、国内旅行者(宿泊)だと23人分に当たるとのこと。地方創生のために、インバウンド誘客に注力するのも頷けますね。

 

 

出典:観光庁資料

 

世界的に急成長している産業であること

 

前述の通り、今後日本は人口減少により市場が縮小していく見込みですが、世界全体をマーケットとして捉えると「観光」は急成長を遂げている産業です。

 

UNWTO(世界観光機関)によると、2010年には9.5億人だった世界の観光客数は、2018年には14億人まで急増しており、2030年には18億人まで伸びると予測されております。

 

 

また、世界の輸出区分では観光は「燃料」「化学」につぐ、第3位の産業となっています。

 

 

少し分かりにくいのですが、訪日旅行客が日本でお金を使うことは、外貨を獲得すること、つまり「輸出額」に相当します。2019年の製品別輸出額を見ると、訪日外国人消費額は「自動車」「化学製品」に次ぐ、輸出額第3位の産業となっています。

また、2030年の訪日外国人消費額の目標値は15兆円としており、現在の「自動車」の輸出額を超える大きな成長が期待されています。

まとめると、訪日外国人を誘客することは外貨の獲得、つまり国の成長に繋がるのです。

 

 

以上のような理由から、観光は日本の将来を支える最重要の産業として期待されているのです。

 

 


 

現状、観光業界で働くことに不安を持つ方は多いかもしれません。

コロナ禍で解雇や休業を経験した方もいらっしゃるでしょう。

 

しかしながら、2030年の訪日外国人客数6,000万人という目標達成に向けて、観光業界は急速な回復が予想されます。

皆さまには「観光再生」の担い手として、観光業界を引っ張っていっていただけることを期待しています。

 

>やまとごころキャリア

やまとごころキャリア

〒136-0071
東京都江東区亀戸2-26-10
立花亀戸ビル6階
TEL: 0120-915-249

https://www.yamatogokorocareer.jp/

CTR IMG