ＭＡＸ真吉の中年真っ只中～！

「蒸着っ！」

さてさて「宇宙刑事ギャバン」こと大葉健二さんに会った時のお話です。

今では製造業で働く普通のおっさんになってしまった俺ですが　(後悔はしてません、なるべくしてなりました。）
若い頃はスタントマンをやっておりました。実力的にはあまりたいしたスタントマンではなかったのですが
着ぐるみヒーローショーからハリウッド映画出演までと幅広く（？）２０年ほど活動してきました。
憧れのアクション俳優、大葉健二さんとも一緒に仕事をしたことがたった一度だけあります。

もう２３年前の１９８９年のことで、俺は当時２２歳のまだまだ若造でした。
あるビデオ映画の撮影にバイクスタントで参加することになったのです。

その作品のアクション監督として大葉健二さんが参加されていたのです！

ロケ場所は京都府舞鶴市あたり（だったと思います）の採石場、
バイクスタント撮影当日、大葉健二さんと御対面しました。

初めて生で見る大葉さんはテレビで見ていた「ギャバン」の頃よりも髪を短くされていたためか
第一印象は「ドリフの加藤茶に似ている」と思いました。
（加藤茶さんってコメディアンやけどめっちゃ端整な男前ですよね。）
大葉さんは加藤茶をいかつくしたような感じで
ワイルドで精悍な表情はやはりめちゃめちゃカッコ良かったです！

その時の写真です。ニコっと微笑んでくれました。（１９８９年３月２２日）


大葉さんてもちろんボイサー（千葉真一さん）に似ていますが、加藤茶さんにも似てると思いませんか？
３人とも濃厚で端整な“昭和の男前”ですよね！　憧れます！


その時の大葉さんの服装は黒のＭＡ１にぴったりしたジーンズ、ウエスタンブーツを履いておられ
確かに小柄でしたが（でも俺よりは背が高かったと思います）
凛々しくてひとつひとつの仕草がカッコ良かった～。

本物の大葉さんを目の前にして俺は緊張しっぱなしでした。
緊張のあまり、大葉さんにロクに挨拶もできなかったと思います。。。
というのもまだまだスタントマンとしては経験不足で自信がなかったし
しかもその撮影には気心の知れた仲間が一人もいなかったため俺はいつも以上に緊張していたのです。

俺がやるスタントは、
あるヒーローの衣装を着てマスクをつけてバイクでジャンプするという単純な内容だったのですが
ジャンプと同時に大きな爆破があり大爆破の前を颯爽とジャンプするというスタントでした。
このシーンは作品のタイトルバックになるという重要なシーンだったのです。

実は俺はこの頃はまだヒーローのマスクをつけてバイクに乗ったことがなかったし、
大きな爆破の撮影の経験もなくて
「いったい爆破ってどんな感じなんやろ？」「マスクなんかつけて上手く着地できるかな・・？」と不安に思いながらも
リハーサルで数回、バイクでジャンプを繰り返しました。

大葉さんが爆破地点とバイクの距離などを指示してくれたり
乗車姿勢のことなどもアドバイスしてくれたと思います。
実はこのあたりことは、舞い上がっていて冷静に大葉さんの話もまともに聞けてなかったと思います。
今思い出すとほんま恥ずかしいです。。。

リハーサルを何度か繰り返していよいよ本番直前、

大葉さんが俺の近くにかけよって来てくれて

「爆破の時にドンッ！という物凄い音がするから気をつけてね！がんばって！」と大きな声で言ってくれました。

その言葉で俺は吹っ切れたというか、

胸のエンジンに火がつきました！

「絶対にこのスタントを一発で成功させてやる！」と気合を入れ直しながらも冷静に精神を集中させました。



「ヨーイ！・・・アクション！」

バイクを急発進させジャンプ台に向かいます！

バイクがジャンプ台に差し掛かったのと同時に

「ドォーーン！！！」という物凄い音と地響きがしました！

これが爆破か！？！

初体験の爆破の音に一瞬ビビりながらも「オリャッ！」と気合を入れて綺麗にジャンプの姿勢を保ってカッコよく着地しました。（と思います。）

・・・・・

監督やキャスト、スタッフがみんな拍手をしていて

口々に「よかった！」「凄かった！」「バッチリ！」と言ってくれたので俺はホッとしました。

マスクをはずしてもらってモニターでそのシーンを見直したらめっちゃカッコ良くて嬉しかった。
俺のバイクジャンプはまあ普通といえば普通やけど（笑）
爆破のタイミングがバッチリやし爆破がけっこう大きくて迫力ありました。
さすがギミックさん！（たしかトラックにＧＩＭＭＩＣＫって書いてありました）＞タヌさん元気？

その時の画像です！
※ダビングを繰り返した古い映像しか手元になかったので画質がめちゃ悪いのですが御了承下さい。



「仮面ライダーＶ３」のオープニングよりカッコええんちゃうん？！←言い過ぎ？（笑）


　　　　つづく・・・次回はこの作品のことを少し詳しく書きますね。お楽しみに～！