スミダマンのほのぼの奮戦記

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渋谷区松濤エリアの豪邸

2022-02-01 06:36:13 | 建物

渋谷駅から有名なスクランブル交差点を左側方面に渡ると

渋谷のシンボル的ビルSHIBUYA109が迫ってくる。

このビルを右側に進むと東急百貨店、Bunka muraに出る。

これが東急百貨店とBunka mura。

渋谷駅からここまで約8分くらいというところか。

松濤エリアは1丁目2丁目と狭く、人口は3,214人(2017-12-1現在)。

北部は神山町、東部は宇田川町、南東部は道玄坂、

南部は円山町・神泉町、西部は山手通りに接している。

Bunka muraを過ぎるとなだらかな坂のエリアに出る。

もうここからが松濤1丁目の入口になる。

ここは東京都心を代表する高級住宅地の中でも別格エリアで、

地価は2021-1-1公示地価で184万/㎡(607.2万/坪)だそうだ。

都心にありながらもその静けさは、

まるで住人が息を潜めて暮らしているようだ。

いきなり豪邸が続く。

豪邸のイメージはRCの打放し。

プラスここは石張りの重厚な建物も多い。

松濤の地名はこの地に明治初、茶園「松濤園」があったことに由来する。

そもそもこの地は江戸時代に紀州徳川家があったところで、

1876年(明治9年)旧佐賀藩主・鍋島家に譲渡、

11代当主・鍋島直大が広大な土地に狭山茶を移植。

士族授産の元武士に運営を任せ茶園を開いたところだ。

関東大震災を契機に鍋島家は屋敷地を政財界の有力者に分譲した。

もともと地位の高い人に平均200坪単位で分譲したのが豪邸が多い理由の1つになった。

忠犬ハチ公で知られる帝大教授・上野英三郎氏もここに住んでいた。

こんな高級住宅街の真ん中にごく普通の渋谷区立松濤中学校がある。

卒業生にはザ・スパイダースの井上順がいる。

このエリアを散策していると2ヶ所ほど広々した更地を発見。

建て替えの用地なのか、あるいは処分した土地なのか?

いずれにしてもかなり広い土地は

この土地を200坪単位で分譲した昔の流れが生きているように見えた。

この住宅は素晴らしい。

コンクリート打放し、小叩きの威圧感を感じさせず、

玄関の周辺に竹林を設け、和と洋が調和した優しい空気を造り上げている。

なお、豪邸が多い理由の2つ目に第一種低層住居専用地域として

用途、高さ、建ペイ率が厳格に定められ、

好き勝手に建てられないエリアであることもあげられる。

前述したがこのエリアは昔、佐賀・鍋島藩の敷地であったところ。

その名残りがここ渋谷区立鍋島松濤公園だ。

湧水池のある広大な鍋島侯爵邸は公園として整備され池や水車があり、

子供が遊ぶ公園というよりは大人が四季を感じる情緒あふれる庭園といった感じで、

春はソメイヨシノ、シダレザクラが見事な花を咲かせるらしい。

また、公衆用トイレの意匠も木を主体とした凝った造りになっているのも松濤らしい。

建築の視点からそのディテールに目が止まりパチリ。

この通りには素敵な住宅が並び、さらに街のイメージを作り上げている。

特に真ん中の邸宅はヨーロピアン風のお城のようで

存在感が他との違いを出している。

この地に豪邸が多い理由の3つ目に松濤1丁目、2丁目、神山町は

200㎡以上といわれた一定の規模以上しか家を建てることができなかったと言われている。

こちらの大邸宅は今までのコンクリートの住宅とは違って純和風の素晴らしい建物だ。

まるでここだけは京都にいるような錯覚に陥る。

どうやら某家具販売のオーナー宅のようだ。

松濤エリアにも多くの有名人がいるとか。

デヴィ夫人、楽天の三木谷浩史社長、森進一、森昌子、歌手の藤井フミヤ等々。

昔は三島由紀夫、三木武夫元首相、扇千景、前尾繁三郎元衆議院議長 等々。

そんなことで当地は別称、日本のビバリーヒルズとも言われているそうだ。

このような個性的な意匠の建物も含めて、

ここは代表的住宅建築の展覧会場のようだ。

建設を商いとしている人間にとってはすごく刺激的だ。

こちらは神山町にある外装材にメタルを使ったモダンな建物。

ひょっとして造りからマンション(分譲or賃貸?)かもしれない。

こちらのイングランド風の超豪邸は有名な政治家の自宅。

SPが居てとても物々しい。

遠くにはNHK放送センターの建物が見える。

高さ制限のある地域だけに遮る高い建物がなく、

とても開放的で明るい街並だ。

このエリアにはマンションもたくさん点在している。

街並みに溶け込んだハイグレードな低層マンションが目立つが

3階以下20戸程度が基本になっている。

新築マンションが出ることはほとんどなく、

中古物件ですらプレミアムがついてしまう。

渋谷駅から徒歩10分という利便性にもかかわらず、完璧ともいえる住環境。

東急デパート本店、奥渋と呼ばれる商店街もすぐ近く、

買物は東京の高級住宅街の中でもかなり便利なところだ。

この街を歩いていると背筋が伸びるような気がする。

これまでに紹介した豪邸エリアとは違う雰囲気の街だ。

どの家も塀が高く、通り側に庭がなく暮らしぶりが全くうかがえない。

なかには擁壁のように高い塀で囲まれた家もあり、

歩いていても住民らしき人々に出会わない。

ここは戸栗美術館。

古伊万里幻獣大全展を開催していた。

他にも区立松濤美術館、Bunka muraなどの文化のある街でもあり、

松濤文化村ストリートとしてまちおこしを行っているとか。

この洋館はガーデンテラスのあるフレンチレストラン「シェ 松尾」。

高級感漂う空間で洗練されたコース料理とワインを楽しむことができる。

因みに当レストランはミシュラン1つ星のお店だ。

この豪邸は今回見た中で一番ピーンときた印象深い意匠の家だ。

スチールのルーバーがちょっとも冷たくなく、

優しささえ感じてしまうディテールになっている。

これからの先進的住宅は隈研吾を代表とするウッディな家か、

このスチールを上手に活かしたディテールの家になっていくような気がする。

かたやこちらはごく自然な1本のシンボルツリーがものすごい存在感で、

これだけで充分な主張をしている家といえる。

このエリアにも歩いた範囲で4ヶ国の大使館を発見した。

順番にイエメン共和国大使館、モンゴル国大使館、

ゴンゴ共和国大使館、そしてニュージーランド大使館だ。

 


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