蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

鮭と鱒  (bon)

2019-10-25 | 日々雑感、散策、旅行

  収穫祭でのサケのムニエルがきっかけでした。

 蓼科農園での、10月の収穫祭は、畑で獲れたサトイモ、ゴボウなどの「芋煮」とセット
にして、例年サケ(新巻鮭)を1本調達しています。 イクラは醤油漬けにしてたっぷりと
頂き、本体は、ムニエル、サラダ、スープなど豪華に賞味しています。
 以前には、「サケのチャンチャン焼き」を畑のレンガ仕立ての俄か作りのカマドで焼いて
いましたが、焦げ付いてしまったりして、今一つ味が定まらず、もったいない感じがして
いました。

 そんな中、今回、サケとマス つまり鮭と鱒はどう違うのか? などの疑問が出て、一般
に、サケは、海にも出る魚でサーモン、マスは、海水には出ず、淡水の魚でトラウト・・
じゃないか、との意見が多数を占めたのでしたが、改めてチョット調べてみたくなりました。

     サケ(シロザケ)
      (ネット画像より)

 ネット(ウイキペディアなど)によれば、サケもマスも「サケ目サケ科」に属した魚で、
日本語における「鮭」と「鱒」には明確な区分はないようだといっています。『英語におけ
る「サーモンsalmon」と「トラウトtrout」は海へ降って海洋生活をするものと河川などで
一生をすごすものを区別していますが、しかし基本的に同じ種類であっても「河川に残る
個体」と「海に降る個体」が発生する種も多く、サケ科においてはその区分さえも曖昧に
なるのが実情です。』などとあります。

 たとえば、マスは、サケ目サケ科に属し 日本語名に「マス」がつく魚、と一般にサケと
よばれている(ベニザケなど)魚以外のサケ科の魚をまとめた総称だとして、主に、イワナ、
ヤマメ、アマゴ、ニジマスなどがマス類、トラウト類と呼ばれているようです。

 「鮭」と「鱒」は海と淡水域の双方を生活圏としているという他の魚にはあまり見られ
ない特殊性があると言っています。そのため同じ種類でありながら「河川に残る個体」=
陸封型(河川残留型)と「海に降る個体」=降海型 が発生する事や通常は降海しない種類
であってもその場の環境に応じて海に降りたりと例外が多くあるそうです。
 陸封型と臨海型を対にして挙げると、ヤマメ=サクラマス、ヒメマス=ベニザケ、ニジ
マス=スティールヘッドなどとなるのです。

 サケ目サケ科には、『 学術的にみるとサケ科の魚はイワナ属、タイセイヨウサケ属、
コクチマス属、サケ属など11属、六十数種からなるとされており、アユやシラウオは遠い
類縁関係とされています。』とあり、驚きです。

    サケ科
 (水産研究所HPより)

 
 また、『一般に日本で食用にされているサケ・マスの中で天然物は、大きく分類すると
「太平洋サケ」とも言われるシロザケ・キングサーモン・ギンザケ・ベニザケ・カラフト
マス・サクラマスの6種類になります。その他にサケ科の魚として稀少種のイトウやイワナ・
ニジマス(北米原産)などがいますが、食用として一般的なのは「太平洋サケ」とニジマス
です。』とあります。銀鮭や紅鮭も昔は、銀マス・紅マスといっていたそうですが、鮭の
高級イメージにあやかるために、銀鮭・紅鮭という呼称が定着していったのでは?と考えら
れているのです。

 代表的なものを、見てみますと、ニジマスは、『 ニジマスはそもそも河川の冷水域を
活動範囲とし、こうした淡水環境で生涯を過ごす陸封型のサケです。子孫を残す必要がない
養殖専門種であることから、栄養をすべて自分の身につけるため、大型になりがちなのも
特徴的。しかも、現在では海面養殖が行われており、より大型となる傾向にあります。』 
  産卵期が訪れると、体表に虹色のまだら模様が現れることが名前の由来とされています。

 サクラマス もともと『マス』といえばこのサクラマスのことで、体長は標準で60cmほど
と、ニジマスよりはやや大きいけれど、一般的なサケよりは小ぶりです。4月~6月の春から
初夏に旬を迎え、産卵期に変化する美しいピンクの体表が特徴的です。

  サクラマスは降海型なので、海水と淡水を移動するタイプのサケですが、海に出ず、一生
を淡水域だけで過ごすものもあり、このタイプのサクラマスを『山魚(やまめ)』と呼び、
渓流釣りの人気者です。『魚でありながら、山の幸のイメージが強い魚です。』と。

     ニジマス
      (ネット画像より)

  ベニザケは、サクラマスと同様、海に出る紅鮭に対し、同じ種類のサケでありながら、
川に残留するタイプのものをヒメマスとうのです。紅鮭は通常体長50~70cmで、サケの中で
もそれほど大きくはありませんが、ヒメマスはだいたい30cmとさらに小さめです。身の色が
鮮やかな紅色で、脂質が多いわけではないのになめらかで味も良く、大変人気がある高級
サケです。 支笏湖のヒメマスは、チップなどと呼ばれていましたっけ。

 アメマスは、降海型と陸封型の2種類があり、陸封型は『イワナ(岩魚)』なんだそうで
す。イワナといえばあの渓流魚で超有名ですが、これがサケ科の魚であることには気が回ら
なかったですね。
 しかし、イワナやアユの口元を見てみると、大きさは違いますが、どことなくサケの口に
似ているような気がします。

  以前、映像の仕事をしていた頃、「ルサ川」という川で、産卵に上ってくるサケの群れ
を、ハイビジョンカメラを水中に沈めて、サケが産卵する感動的な映像を作成したことを
想い出しました。

 長くなって恐縮ですが、あの「クニマス」について少しだけ・・。

 田沢湖で、1948年の調査により絶滅種として確認された「クニマス」が、2010年に『さか
なクン』(東京海洋大学名誉博士、客員准教授)が、クニマスのイラスト作成の依頼(京都
大学中坊氏から)を受けて、近縁種である「ヒメマス」を全国から取り寄せたところ、西湖
から届いたものの中に、クニマスを発見し、調査の結果クニマスと断定されたのでした。 
 1935年に田沢湖からクニマスの稚魚が放流されたのが生存していたということなんですね。

 

シューベルト ピアノ五重奏曲 「ます」 第四楽章

 

 

 

  


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