南大東島・沖縄の旅情・離島での生活・絶海の孤島では 2012年

沖縄から南東に400キロ。太平洋に浮かんだ絶海の孤島でも人々の暮らしがありました。2012年の情報をお知らせします。

駐在所と治安。

2012-11-09 12:59:46 | 日記

 島の平和を守るために駐在所が設置されています。ここは那覇警察署の管轄で、島唯一の治安施設であり、官舎とパトカーがありました。現在駐在している警察官は2名ですが、人口の多かった以前は4名が派遣されていたそうです。島での事件で一番多いのがケンカで、二番目は交通事故なんだそうです。それ以外には大きな事件も無く、平和そのものです。駐在している警察官に聞いたところ、「村の人達が協力して下さるので、我々は安心です」と説明してくれました。狭い島なので、島民が一致して不審者の発見や事件の防止に協力しているのでしょう。島内では、警察官も島民も全てが顔なじみなのであり、悪事を働くことはできません。警察官ものんびりしたものでした。 
 警察官の眼を見ると、これが穏やかなのです。都会の交番に勤務する警察官の目付きは鋭く、一般人であっても相手の素性を探るような眼です。毎日事件があり、どんな人間が歩いているか判らない都会であっては鋭くなるでしょう。ここでは穏やかな目付きをした駐在の警察官も、那覇に戻ったなら鋭い目付きに変わるのではないでしょうか。少々悲しいことです。
 駐在所では警備に係わる業務は全て行っているようで、自動車免許の更新、風俗営業許可営業の許認可なども行っています。ただし、申請を受理するだけで、内容の審査、許可は那覇の本庁で行うのだそうです。
 スナックで聞いたのですが、島でのケンカは島民と出稼ぎなどの島外者との間では少なく、一番多いのは同じ会社の同僚同士なのだそうです。出稼ぎの人達は、予め派遣会社が人物を審査しているので暴力は振るわないそうです。会社の同僚同士が飲んでいて、日頃の不満が出るとケンカになる、と聞きました。なお、スナック内でケンカがあると、店のオーナーは必ず警察官を呼ぶのだそうです。什器や備品を壊された時の損害賠償のために調書を残すためとのことです。

 これは北大東島で見かけたビラですが、「自動車の鍵をかけましょう」、という警告です。自動車から離れても鍵をかけっぱなしにする島民が多いことの実証でしょう。島は狭いので、無断で他人の自動車を乗り逃げするような人はいないのです。それだけ島内は安全で、島民同士が信頼しあっているのでしょう。裏返すと、生活領域が狭くて、他人の眼が光っているので悪いことができない、ということといえます。
 なお、これは私の体験なのですが、離島する前夜に飲食店を飲み歩いていてホテルの鍵を紛失してしまいました。ホテルにその旨を伝えると「今までの経験では、3日以内に誰かが拾って届けてくれた。5日経っても届けられなければ、鍵の新調代を請求します。」と申されました。しかし、未だに請求が来ないところを見ると、鍵は誰かに拾われたのでしょう。そのくらい島の治安は良いのです。


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