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『空とぶ鉢』:信貴山縁起絵巻が絵本になりました!

2012年06月23日 | 日記

みなさん、国宝「信貴山縁起絵巻」をご存じですか?
全部で3巻あるのですが、
そのうちの1巻『飛倉の巻(山崎長者の巻)』のオリジナルは
奈良国立博物館に所蔵されています。
それが絵本になったのです。



もともと、この絵巻には詞書(ことばがき)がないのです。
もちろん、よく見れば、どんな物語か推測がつくのですが、
とても、ファンタジックなお話なので、
奈良に住む地元の作家:寮美千子さんの素敵な文章がつき、
絵本になりました。

絵本では、自ら空を飛んで布施を集めて回る「命蓮さんの鉢」を
うっとうしく思った長者が、鉢を倉に片付けたところ、
倉ごと飛んでいってしまう事態に、という奇想天外な物語が展開する。



どの場面にも、楽しさと躍動感があふれ、
『鳥獣人物戯画』とともに日本の漫画のルーツともいわれています。

それが、身近な絵本になって読めるのですから、
素晴らしいですね!

お坊さんの托鉢の鉢が空を飛ぶ、まるでUFOのようで
今から850年前の作品とは思えない、現代的な発想も感じられます。

是非、一読をお勧めします。

奈良新聞の関連記事もお読みくださいね。

今日は「やまと絵本」の紹介でした。

梅雨なのに台風が来て、大変ですね。
お大事に!



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
記憶にあるような・・・ (akko)
2012-06-23 21:48:44
飛倉、確か学部の授業で、絵巻の話を聞いたときに聞いたような記憶が・・・。倉ごと飛んで行ってしまうなんて発想が面白いですよね。建物が飛ぶ、というのは、信じられないくらい大変なことで、きっと台風や竜巻なんかでかつて家が飛ぶなんてこともあったのでしょうが、そういった大変な出来事を、面白くお話しにしてしまえる人間の強さ、たくましさみたいなものを感じます。絵本になって手にとり易くなったことで多くの人に知ってもらえそうですね。
Unknown (Tokko)
2012-06-24 01:21:34
絵巻が絵本になるってことは、いいな!って思います。
絵でもなんでも、本物だけを見るのがいいのでしょうが、本物であろうが、複製であろうが、贋作であろうが、人それぞれ好みがあります!
ただ、そんな機会(出会い!?)って、少なかったりするから、信貴山縁起絵巻1巻の絵本、うれしくなっちゃいました。
(お話はたぶん知っていると思うけど、絵巻はみたことないんで、今度、絵本を手にして見てみます。楽しみ

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