失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「天国のキッス/瞳はダイアモンド」 松田聖子 1983年

2015-08-21 | 黄魔術系
すごすぎるけど…
これをだす!!
by こいわいよつば

80年代日本を代表するポピュラーソング。おなじみ「Platinum Single SERIES」の一枚として1989年に8㎝化。

どちらもサイキョーすぎる。松田聖子の絶頂期、13th&15thシングル夢のカップリング!

①天国のキッス
作詞:松本隆、作曲・編曲:細野晴臣
何もかもが完璧すぎて言うことがない。松本隆が「聖子プロジェクトの最高傑作」というのも思いっきり頷ける。詞と曲とアレンジと歌、すべてがハイレベルでスパークしているイメージ。ハイテンションなサビはじまりだけど、すぐに「ねえDARLIN'」でくすむのが印象的。同様に「青い椰子の島」の部分も不穏なムードをたたえている。「誘惑されるポーズの裏で 誘惑してるちょっと悪い子」なんて駆け引きとも言えないような戯れ言で、南の島ではしゃぐバカップルを描き出す。それでもどこか神聖なムードになるのは一流シンガーの技に負うところが大きい。聖と俗、生と死を行き来するトランスミュージック。
1983年は、2月に「夢・恋・人。」、3月に「君に、胸キュン。」、4月にこの「天国のキッス」。ここまでで相当お腹いっぱいになるが、7月に「過激な淑女」、8月に「ガラスの林檎」、9月には「禁区」が控えていた。YMOは『浮気なぼくら』を5月に、年末には『SERVICE』をリリースして散開。どんだけ働き者なんだ細野さん。

②瞳はダイアモンド
作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂、編曲:松任谷正隆
ここに14th「ガラスの林檎」が入らなかったのは、アナログB面だった「SWEET MEMORIES」もヒットしたので、もともとのカップリングで一枚の8㎝にしたから。傑作ぞろいの呉田軽穂の聖子提供曲の中でも白眉といえる名バラードを、聖子スタイルの完成形というべき歌唱で歌い上げる。サビでは感情が昂ぶって上ずったように聴かせる、制御されたテクニックが光る。「泣かないで MEMORIES」の「か」のアタックが強すぎて「泣きゃないで」ぽくなるのは言わずと知れた物まねポイント。松任谷正隆のアレンジは「NIGHT WALKER」あたりの1983年当時のユーミンサウンドそのもので、完璧な仕事!

定価1000円、中古で600円。
ショートカットで唇半開きのキョト顔、聖子21歳。別刷り歌詞カードがちゃんと付いていた。

聖子のシングルがオリジナルどおり8㎝化されなかったのはかえすがえすも残念。「わがままな片想い」と「蒼いフォトグラフ」を入れて4曲入りにしたって余裕で8㎝1枚に収まるのになあ。キョンキョンも似たパターンで旧作を8㎝化したけどカラオケ付けたので許す。その点、明菜はオリジナルどおり(AB面を収録した1枚として)8㎝化してるんだよね。「赤い鳥逃げた」なんて12インチアナログのみのアイテムもちゃんと8㎝化していて偉い!


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2 コメント

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YMO1位を阻止した (CFB48)
2016-03-20 09:19:17
私はアナログシングルを両方所有してます。
本曲がリリースされた時はYMOも「胸キュン」を出していて幸広さんによれば「1位を取って解散すれば最高のシャレになる」と語っていましたが「キッス」が阻止したそうです。当時「ひょうきんベストテンでは松金よね子がものまねしてました。
Unknown (nakamura8cm)
2016-03-22 16:46:26
天国のキッスのほうが完成度で上回るのでしかたない!

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