おもちゃ修理と電子工作

取手おもちゃ病院に所属しておもちゃ修理をしています。私のおもちゃ修理と電子工作のブログです。

2.4GHz赤いラジコンカー

2021-10-16 14:25:44 | おもちゃ修理
 2.4GHz帯の赤いジープをモデルにしたラジコンカーである。
 メーカーはCCP おもちゃの名前はG DRIVE ECO+(Gドライブエコプラス)
 CCPとは株式会社バンダイが全額出資のグループ会社(平成18年 9月から)で、おもちゃDrから見るとラジコンが中心の会社である。

症状: 依頼者からは「左前輪が壊れてしまった」
 機能を確認すると、前進・後退はするが、前輪の左右の動きができない。

故障診断と修理: 前輪が壊れた様子


 ペアリングは出来、前進・後退は元気に動くが、前輪の左右が動かない。車軸の修理より先に、こちらから見ていくことにする。
 RFパワーデテクタを使った電波チェッカーで左右の信号が出ているかを確認するが、この電波チェッカーでは、電波の変調音の確認なので、信号が出ているかどうかは判定できるが、前後、左右の電波の個々の区別ができない。27MHzや40MHzでは左右の信号と前後の信号の変調音が違うので、区別できるのだが、2.4GHzで無理のようだ。
 一応コントローラーを開けてみる。

 左右のスイッチはプリント基板に直接印刷された櫛の歯スイッチなので、開けたついでに消しゴムで清掃しておく。

車両側の電気回路を開けてみる

クリックすると大きな写真が見られます。
 電気回路が入ったケースは上部のアンテナ線とLEDに行く線が、防水のため接着剤で固定してある。この接着剤をあらかじめ取り除いておかないと、開かないので注意。
 この写真の上にあるのが電源スイッチ。右側が車両後ろ側で、一段と太くなった赤と黒の電線が、前進・後退モーターに行く配線である。
 写真左側に行っている赤と黒の線が左右にタイヤを動かすモーターに行っている線で、コントローラーで左右の信号を送ると、この配線に電圧が出るがモーターが動かない。

 前輪車軸の修理もあるので、前輪の駆動部分を分解することとする。色々なネジを使っているので、ネジは升目になった小物入れに区分して入れ、メモを残しておくことをお勧めする。
 前輪駆動部の蓋を開けたところ

 三つ並んだ白い円盤の上にあるのがモータ軸に付いているもので、過負荷防止になっているらしい。一番下が前輪を左右に動かすロッドにいく回転軸である。

 下のモータ部分を出したところ

 マイナス側の電線が断線している。
 なお、モータ端子の黒いチューブの中に雑音防止のチョークコイルが入っている。
 ここは、配線を切り縮めてはんだ付けしなおした。

 前輪を前に向けるためのバネが付いていたりして、再組立ては非常に厄介である。
 三番目の軸には色々な部品は点くので、見にくくて恐縮だが、参考に写真を付けておく。

 今回は滑りも悪かったので、グリスを少し追加したら、左右に動くようになった。

 いよいよ、折れた車軸の修理
 車軸には3mmΦのネジが深く入っており、これで軸の強度を確保しているが、今回は車軸の破損と一緒にネジも折れてしまった。

 上の写真、上側が折れた車軸と入っていた3mmΦのネジとワッシャ、下側は前輪反対側の壊れなかった方の、左から内側ワッシャ、鉄ネジ、外側ワッシャである。

 車軸の外側に金属製のパイプを嵌め込んで補強修理することとした。
 金属パイプの選定

 上から軸径10.0mmΦボールペン、軸径8.6mmΦ「1×1」という名前のシャープペンシルとボールペンが組みになったもの、7.9mmΦボールペン
 いずれも書けなくなった廃品である。元々の車軸は8mmΦ~9mmΦの太さなので、軸径8.6mmΦのステンレスパイプを利用することとした。

 元々のプラスチックの車軸は、ステンレスパイプの内径7.9mmΦまでやすりでけ削った。


 ステンレスの針金とエポキシ系接着剤で固めた様子

 右下にあるのは、タイヤの取付ネジ先端だけに力が掛からないように、黒色のプラスチックでつばを作成したもの。

 つばもエポキシ系接着剤で固定


 タイヤを付けたところ


動作確認: ボディを付けたのちに、前進・後退、前輪の左右の動きを確認。LEDも点灯している事を確認した。

参考: 今回の修理品のコントローラー裏側のペアリングの説明
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