最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

受刑者の出産

2017年12月13日 09時18分43秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
12月11日掲載のタイトルは、「受刑者の出産」。



 小泉今日子さん主演のテレビドラマ「監獄のお姫様」は、女子刑務所を舞台とした復讐劇だ。ドラマは見たことはないが、あらすじは脚本を務める宮藤官九郎さんが週刊誌のコラムで語っている。
 第4話では逮捕された妊婦が服役中に出産する。宮藤さんによると、女子刑務所には育児室があり、1歳半まで所内で子育てすることが認められているが、実際は外の病院で出産し、その後は服役が終わるまで親族もしくは乳児院などに引き取ってもらうのが大半とのこと。
 ドラマではどのような演出だったかはわからないが、女性受刑者が出産する際、2014年までその多くが片手に手錠をかけられ、手錠につないだ縄を刑務官が持っていた。刑事施設外で逃走の恐れがある場合は、手錠や捕縄を使用できると定められているが、分娩室から逃走するという設定や、手錠をしたまま出産する受刑者の精神的な負担に疑問を持つのが普通の考え方ではないのか。
 いつの時代かわからない慣習が見直されたのは、出産を控えた受刑者が手錠をしたまま出産することを事実婚の夫に手紙で伝えたことがきっかけだった。夫が関係機関に働きかけたことで、不安を訴えた受刑者の女性は手錠をせずに男児を出産したと報じられた。社会には悪しき慣習がはびこっている。それらを断ち切るのは弱者からの訴えではなく、現場の声として改善されるべきだ。(メディカルはこだて発行人・編集人)


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