く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ベニバナ(紅花)> 古くから染料や口紅の原料に

2019年06月29日 | 花の四季

【万葉名「くれなゐ」、山形県・山形市の花】

 キク科ベニバナ属の2年草。原産地は不明だが、一説にエジプトや中近東ではないかといわれる。日本には古い時代にシルクロードを経て中国から伝わってきた。10年ほど前の2007年、邪馬台国の有力候補地の一つ纒向遺跡(奈良県桜井市)からベニバナの花粉が大量に出土した。それまでわが国で見つかった最古の花粉は6世紀後半の藤ノ木古墳(斑鳩町)とされてきた。それを300年以上遡る3世紀には既にベニバナが渡来していたことが分かったわけだ。

 花期は6~7月頃で、鮮やかな黄色の頭状花を付け、花色は次第に朱色に変わっていく。花は古くから染料とされ、口紅や頬紅など化粧用の原料としても利用されてきた。ベニバナの語源も「紅(べに)の花」から。万葉名は「くれなゐ」。これは中国の呉の国から伝わった「呉の藍(くれのあい)」に由来するという。別名に「末摘花(すえつむはな)」。葉はアザミに似て縁に鋭い刺がある。そのため花摘みは朝露で刺がまだ軟らかい早朝、末の方(外側)から花を摘み取ることによる。ちなみに源氏物語第6帖の「末摘花」は鼻先が真っ赤な常陸宮の姫君を「紅鼻」から「紅花」と引っ掛けた別称。

 ベニバナは種子から取れる「紅花油」が高級食用油として注目され、切り花としても人気を集めている。主な国内の栽培地は山形県の最上川流域で、〝最上紅花〟と呼ばれ山形県の県花、山形市の市花にもなっている。花が最盛期を迎える7月上旬~中旬には県内各地で様々なイベントが繰り広げられる。6日には山形市で「紅花摘唄コンクール全国大会」、13~14日には山形市の高瀬紅花ふれあいセンターで「第34回山形紅花まつり」、河北町で「紅花資料館べに花まつり」などが予定されている。「行く末は誰が肌ふれむ紅の花」(松尾芭蕉)


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