古今輪風@自転車ふぁん

わからない事だらけのレストア&メンテナンス備忘録

ボスフリーの外し方

2014-03-07 16:00:27 | ボスフリー

古い自転車をレストアする際に要点の一つとなるボスフリー。私は主にSUNTOURのPerfect を使っていてますが、どのメーカーでも基本的な構造は一緒なので、固着したボスフリーへの対処も含めて外し方の手順を書いておきます。※今回はレストア中の車体より取り外したシマノ製のボスフリーを題材としています。 寒いので家の中で作業している風ですが、写真を撮っているだけで、普通は汚れるので「作業場」でやりましょう(゜-゜)

 ボスフリーはシマノ MF-Z012。

使うのは大きめのモンキーレンチ、フリー抜き、クイック。固着が無ければこれで外れます。※フリー抜きは形状に合ったものが必要です。

今回のシマノ製MF-Z012というボスフリーはパークツールのフリー抜きFR-1が適合。

FR-1を横から見た写真です。当然、ボスフリー側には同じ形状の溝が入っています。

フリー抜きを挿し込みます。ボスフリーは多くの場合非常に固く締め込まれています。常に踏む力が加えられているため、構造上緩むことはまず有りません。固く締められているので、このままスパナやモンキーをかけて外そうとするとフリー抜きが外側に逃げてしまい力を上手く入力出来ず、無理に力を加えることでボスフリー本体やフリー抜きの破損に繋がります。

ここでクイックを使用します。クイックを軽く締めておくことで、スパナやモンキーで力を加えた際にフリー抜きが外側に逃げるのを防ぎます。※クイックのバネは外してあります。クイックは締め過ぎてはいけません。

ボスフリーに挿し込んだフリー抜きを回して緩めていきます。ここは正ネジなので左方向に回すと緩んでいきます。

固着があって回らないときは、スパナやモンキーの柄に鉄パイプをかけて回します。それでも回らない際は強固なバイスでフリー抜きをクランプして、リム側を持ってホイール自体を回して外します。私は強固なバイスを持っていなかったので小さなバイスを使ってやってみましたが、クランプする力が弱かったりバイス自体を安定して固定出来る状況を作れなかったりして上手くいきませんでした。そこで考えたのが下の写真。

モンキーを掛けている柱は鉄筋として良く使われる「H鋼」です。モンキーをフリー抜きに噛ませた状態でH鋼にかけてホイール側を回す方法ですが、理屈としてはバイスを使う方法と一緒で、フリー抜き側を回すよりも大きな力を加えられます。上の写真の状態でホイールを左に回転させますが、怪我や、パーツと工具を破損する可能性も多々有り、あくまでも最終手段です。

注意点は以下の通り。(手を強打して痛い思いをしたので、再度痛い思いをしない様に書いておく)

1.工具が外れ易いので、フリー抜きを固定するためのクイックシャフトは必ず使用する。ボスフリーがめでたく緩んだ際には必ず工具が落下(もしくは飛んでいく)するので、H鋼とスパナを紐で結び、スパナが床に落ちない様にすると良い。

2.力を込めるので、外れた際(回った際)に勢いで手を負傷する(負傷した)。防護手袋が必須で、外れた勢いで負傷しない様にホイールを持つ位置と力の込め具合がとても重要。

3.回し方やスパナのかけ方次第ではボスフリーのギア歯がH鋼に勢い良く当たり、破損する可能性が有る。極力水平に回せるように意識するか、外れるのであればギア歯は先に外しておくと良い。

4.工具が負けないようにスパナやモンキーは大きめの強固なものを使用する。そもそも、固着した部品には薄いスパナや小さなモンキー程度では歯が立たない。

環境の整った自転車屋さんはともかくとして、固着したボスフリーは皆さんそれぞれに工夫して対処してると思います。今日記事にしたのはあくまで「私の」対処法。怪我をされない方法を試されると良いと思います。

ボスフリーの取り外しは固着が無ければ難しい作業ではありません。固着部品への対処はどうしても力を込めるので怪我をしないように細心の注意が必要で、時には「あきらめる」覚悟が必要です。大抵の部品はヤフオク等で探せば入手出来ますし、お金をケチったばっかりに大切な工具を壊したり、大きな怪我をしないとも限りませんから。

関連記事 「ボスフリーの外し方(続き)」 



post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。