阿藤快氏が亡くなりました。
死因は大動脈破裂だったそうです。
お若い方はご存知無いでしょうが、以前は【阿藤海】という字を当てておりました。
阿藤快氏と申しますと、僕の様な世代人には、とにかく悪役の印象が強い。
昔は【悪役俳優】っていうのが引っ張り凧だったものです。
刑事ドラマや時代劇がた~くさん有りましたから。
刑事ドラマっつったって、今みたいな、ぬる~いモンじゃあ無い。
ヤクザだ、シャブ中だ、通り魔だ、極悪人がキチンと極悪に描かれていたものです。
で、正義の刑事はそのヤクザだ、シャブ中だ、通り魔だ、の極悪人を平気で殴る・蹴る、場合によっては射殺に至っておりました。
そんな作品ばっかでしたから、悪役俳優さんたちは結構インフレ状態。
『あ~、このヒトこないだ【大激闘マッドポリス'80】に出てたな…』なんて思いながらブラウン管を眺めていたものです。
過去の記事。
大激闘マッドポリス'80の巻。
やがて1990年代が過ぎ、鼻から脳味噌を垂れ流しているドラマばかりとなりました。
『バキューン』とか『ドカーン』とかいう漢のドラマが無くなり、多くの悪役俳優さんが職を失った事でしょう。
そんな世紀末の、ある土曜の朝【ぶらり途中下車の旅】をボーっと観てたら“旅人”で登場したのが、阿藤快氏。
まさか、こういった形での登場とは…ちょっと驚きましたが、見事な転職劇です。
その後はすっかり『なんだかな~』でお馴染みの『ゴツいけど優しそうなオジサン』キャラで定着したのは、皆さんご存知の通り。
まだ、69歳。
ご冥福をお祈りします。
1980年、まだ悪役時代に出演したニッポン映画【野獣死すべし】での1シーン。
『東大出のエリートサラリーマンで、鹿賀丈史にブン殴られる』という前代未聞の配役の阿藤快氏(一番手前右)。
また、同期のエリート役で、ブレイク前の風間杜夫とか岩城滉一とか出てます。
何考えてキャスティングしてんのか、さっぱり分かりませんが、凄ぇ面白い。
妙に記憶に残っているのが、1982年のニッポン映画【夏の秘密】でのパンジーのひとり・北原佐和子のお父さん役。
と言ってもヤクザだわ、若山富三郎に射殺されるわ、というなかなかの安定志向。
あ、パンジーっつっても分かりませんよね。
昔【オンナたのきん】と言うフレ込みで、そこそこ人気があったアイドルです。
北原佐和子は今でも【土ワイ】なんかにゃ出てますよ。
ん?【たのきん】が分からない?
なんだかな~!
『失敗したら失敗したで「なんだかなぁ」って言ってれば、場も和むでしょ』阿藤快(ニッポンの俳優/タレント・1946~2015)
有名な【ザ・ハングマン】第17話「地獄へ送る世紀の大魔術」でのゲイボーイ・パピー役。
相手は昨年他界された林隆三です。
視聴率は10.0%。