荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

阿藤快の巻。

2015年11月19日 | 偽りの人生に優れたエンターテイメントを




阿藤快氏が亡くなりました。

死因は大動脈破裂だったそうです。

お若い方はご存知無いでしょうが、以前は【阿藤】という字を当てておりました。

阿藤快氏と申しますと、僕の様な世代人には、とにかく悪役の印象が強い。

昔は【悪役俳優】っていうのが引っ張り凧だったものです。

刑事ドラマや時代劇がた~くさん有りましたから。

刑事ドラマっつったって、今みたいな、ぬる~いモンじゃあ無い。

ヤクザだ、シャブ中だ、通り魔だ、極悪人がキチンと極悪に描かれていたものです。

で、正義の刑事はそのヤクザだ、シャブ中だ、通り魔だ、の極悪人を平気で殴る・蹴る、場合によっては射殺に至っておりました。

そんな作品ばっかでしたから、悪役俳優さんたちは結構インフレ状態。

『あ~、このヒトこないだ【大激闘マッドポリス'80】に出てたな…』なんて思いながらブラウン管を眺めていたものです。

過去の記事。
大激闘マッドポリス'80の巻。

やがて1990年代が過ぎ、鼻から脳味噌を垂れ流しているドラマばかりとなりました。

『バキューン』とか『ドカーン』とかいう漢のドラマが無くなり、多くの悪役俳優さんが職を失った事でしょう。

そんな世紀末の、ある土曜の朝【ぶらり途中下車の旅】をボーっと観てたら“旅人”で登場したのが、阿藤快氏。

まさか、こういった形での登場とは…ちょっと驚きましたが、見事な転職劇です。

その後はすっかり『なんだかな~』でお馴染みの『ゴツいけど優しそうなオジサン』キャラで定着したのは、皆さんご存知の通り。

まだ、69歳。

ご冥福をお祈りします。



1980年、まだ悪役時代に出演したニッポン映画【野獣死すべし】での1シーン。

『東大出のエリートサラリーマンで、鹿賀丈史にブン殴られる』という前代未聞の配役の阿藤快氏(一番手前右)。




また、同期のエリート役で、ブレイク前の風間杜夫とか岩城滉一とか出てます。

何考えてキャスティングしてんのか、さっぱり分かりませんが、凄ぇ面白い。



妙に記憶に残っているのが、1982年のニッポン映画【夏の秘密】でのパンジーのひとり・北原佐和子のお父さん役。

と言ってもヤクザだわ、若山富三郎に射殺されるわ、というなかなかの安定志向。


あ、パンジーっつっても分かりませんよね。

昔【オンナたのきん】と言うフレ込みで、そこそこ人気があったアイドルです。

北原佐和子は今でも【土ワイ】なんかにゃ出てますよ。




ん?【たのきん】が分からない?

なんだかな~!

『失敗したら失敗したで「なんだかなぁ」って言ってれば、場も和むでしょ』阿藤快(ニッポンの俳優/タレント・1946~2015)


有名な【ザ・ハングマン】第17話「地獄へ送る世紀の大魔術」でのゲイボーイ・パピー役。

相手は昨年他界された林隆三です。

視聴率は10.0%。


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