「警察官になって30年。これほど犯人を憎いと思ったことはない」
一係の良心、みんなの心の拠り所・・・。長さん(下川辰平)、最後の激走です。
杜丘を追跡し、ロッキー(木之元亮)の最期を看取れなかったジプシー(三田村邦彦)とラガー(渡辺徹)。
風葬にしてほしいという妻令子(長谷直美)の願いで、ロッキーの遺灰はヘリコプターでロッキー山脈に撒かれることになった。
「さよなら、ロッキー。さよなら」
ロッキーの帽子とGジャンを身に着けたドック(神田正輝)が、代表してロッキーに別れを告げる。
悲しんでいる暇もなく、カナダ人夫婦を襲って車を奪い逃走した杜丘を探す刑事たち。
目撃情報のあった場所に向かうと、杜丘はいきなり発砲してきて、なんと馬で逃走!
セリカXXの北米仕様スープラで!ドックの運転で!追跡したにもかかわらず、舗装されていないばふばふな地面で
圧倒的に馬が有利。斜面を駆け上がって逃げ切った杜丘を悔しそうに見送るしかないドックとラガー。
日帰り出張かというほどの軽装で応援に駆けつけたゴリさん(竜雷太)も加わり、杜丘を雇っていたアメリカの組織を追う
FBIのバージル刑事と反発しあいながらも捜査を続ける。
七曲署とFBI、追っている人物は同じでも目的が違うため、まったく協力し合えないどころか
お互いにとっては邪魔な存在にすらなっている。
長さんやゴリさんは、FBIの立場も尊重しつつ、これ以上犠牲者を出さないために協力して杜丘を捕まえようと
バージルに訴え、ついに彼の全面協力を得る。
最初は日本語がわからないように見えたバージルですが、実はヒヤリングは相当…?
というか、心を開いたとたん日本語で話してくれてますw
カルガリーに向かったという光子の証言で、年に一度のロデオ祭りで賑わう街中で杜丘を探す一同。
新宿では大きくて目立つ一係の刑事たちも、カナダの民衆の中では埋もれ気味です。
ジプシーがついに杜丘を発見!長さんは、撃たれたジプシーに代わり一人追跡!
右腕に被弾しながらも、弾を撃ち尽した杜丘を追いつめ、肉弾戦でやっつける。
長さん、怒りの蹴りが決まっています。
遅れて駆けつけた仲間(バージル含む)と喜びを分かち合う。
このとき、すでに長さんの胸には最後の現場だという思いがあったんでしょうか。
帰ってきたメンバーを迎えてくれる新宿の高層ビル群とボス(石原裕次郎)。
なぜか私まで「ただいま」というほっとした気分にw
そこで長さんが切りだした言葉に、ボス以下仲間たちは耳を疑う。
「警察学校の教官になって、ロッキーのような優秀な刑事を育てたい」
涙ながらに告げる長さんに「わかったよ」というボス。
比べてみると明らかに長さんより年下ですが、にじみ出る包容力がやっぱりボスです。
「長さんの育てた刑事といっしょに働く日を楽しみにしている」とエールを送る山さん(露口茂)。
長さんから握手を求められ、名前を呼ばれて「ん…」と喉の奥で泣きながら返事をする山さんにもらい泣きです。
長らく苦楽をともにしてきた山さんと長さんのあいだには、名コンビという言葉ではくくれない、
深くしっかりした結びつきがあったんですね。
長さんの最後の事件となった今回、距離は離れていたものの、お互いを信じてともに捜査していたんだと思います。
【本日の旅立ち】
ロッキーを亡くし、長さんまで去ってしまい、この時期は本当に寂しかったのを覚えています。
下川辰平さんは長さんの殉職を望んでいたそうですが、長さんまで死んでしまったら、仲間も、観ている私たちも
ちょっと気持ちがもたなかったと思います。
実際、このあとふたたび長さんが登場する回や本格復帰したPART2は、本当にうれしかったものです。
役者さんとしては殉職を演じたいという気持ちは強かったでしょうが、そこを曲げて生き続けてくれた長さん=辰平さんに
感謝します。