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表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

“裏窓”の謎

2015年03月23日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

アルフレッド・ヒッチコックの“裏窓”をDVDで観る。実は三度目でアリマス。図書館にて加藤幹郎著“ヒッチコック「裏窓」ミステリの映画学”を読んだところ“妻殺しの殺人は起きてなかったのでは?”との内容に驚愕。改めて観る気になった訳です。

冒頭の音楽は、野村芳太郎監督の“張込み”を彷彿とさせる。“張込み”は1958年、“裏窓”は1654年だから、野村監督、意識していたのではないか?どちらも“覗く”行為が中心になっている。

自動車事故で骨折したカメラマンのジェフ(ジェームス・スチュアート)はギブス生活を送っている。動く事の出来ない退屈な毎日。向かいのアパートの風景が自然に目に入る。様々な人々が様々な生活を送っている。そう、人生の縮図を見るようだ。下卑た好奇心をくすぐる覗き趣味スレスレでストップしているのがヒッチコックさまの腕の冴えでアリマス。

そんな中で、向かいの中年夫婦の部屋が気になる。妻は病気でベッド。貴金属のセールスマンである夫(レイモンド・バー この人テレビヒット番組のペリー・メイスンです)とは仲が悪く口論をしている。深夜、3度、雨の中トランクを運び出す夫を窓から目撃する。そして妻は居なくなる。肉切り包丁とのこぎりを新聞紙にくるむ夫。これはもう妻は夫に殺されてバラバラにされたに違いないと、思い込まされる。

この本の著者である加藤氏は「あなた、殺されるところを本当に見たの?」と疑問を投げる。「ジェフはたびたび訪れて結婚を迫る美女(グレース・ケリー)の話をはぐらかそうと、あらぬ事件をでっちあげたんじゃないの?」と・・・。

確かに、深夜、ジェフが居眠りをしている間に、二人が部屋から出ていくところが映されていた。あの女性は誰だったのか?

そしてすべてが解決した最後のシーン、「帽子入れの中を見るかい?」と問いかける刑事に、介護士のステラは「バラバラ死体見たくない」と言ったあと、ふと何かを思いついたような顔をする・・・。何を思いついたのか?

また、内田樹著“映画の構造分析”によると、ジェフの部屋の窓から目線のみで進行していた映像が、最後にジェフ側のアパートが映されるシーンがある。向かいの生活感あふれる建物に対して、ジェフのアパートの周りの部屋はスベテ真っ暗。人気が全く感じられないのです。これっていったい何を意味するのか?

謎の多い作品、また観たくなる映画です。


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