ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ウルトラマン80』最終回

2021-09-19 21:40:08 | 特撮ヒーロー





 
'80年代唯一のウルトラシリーズ『ウルトラマン80』は予定通り1年間放映されたものの、視聴率は最後まで低空飛行のままだったみたいです。

1クールが過ぎたところで学園ドラマ設定が撤廃され、2クール目からウルトラシリーズらしくハードなSF路線にシフトしたものの数字は上がらず、3クール目からは毎回ストーリーに子供を絡めるファンタジー&コメディー路線という、一番きっちゃいけない方向に舵をきってしまい、いよいよTBSと円谷プロが喧嘩別れしちゃう泥沼を招いちゃうのでした。だから子供に媚びちゃダメなんですよ、絶対に!

で、最後の苦肉策だったのかどうか分からないけど、殉職した城野エミ隊員(石田えり)に替わって第43話から登場したのが、星涼子隊員(萩原佐代子)。その正体はウルトラの星の王女にしてウルトラマン80の幼馴染み=女性ウルトラ戦士の「ユリアン」なのでした。



ただし、涼子隊員が初めてユリアンに変身するのは最終回直前のエピソード=第49話『80最大のピンチ! 変身! 女ウルトラマン』(1981.3.18.OA) で、怪獣と戦うのはこの1回のみ。2頭の怪獣に大苦戦する80を救う為のスクランブル参戦でした。

「女ウルトラマン」っていう呼び方が日本語(あるいは英語)として正しいのか?っていう疑問は置いといて、女性戦士が背後から羽交い締めにされ、リンチされる描写にはやはり歪んだ興奮を覚えずにいられません。



しかも80とユリアンは「敵は2頭が合体して強くなった。僕たちも1つになるぞ!」「いいわよ、来て!」みたいなやり取りのあと、合体技で怪獣を倒すんだから目のやり場に困りますw

だって、男のウルトラマンと女のウルトラマンが合体するんです。男と女が合体するんですよ、合体を。合体を。合体すなわち、男と女が体を合わせるワケです。

見た目はあんまり変わらないけど、男と女なんです。そんな2人が合体して戦うんです、合体して。戦うんですよ、合体して。合体して。合体して。合体。合体。合体。合体。男と女が合体。

ユリアンと合体したお陰で死なずに済んだ80なのに、矢的猛(長谷川初範)の姿に戻った彼は「もし僕が死んだら、その後いったい誰が地球を守るんだ?」とか言って、自らの命を危険に晒したユリアン=涼子を責めます。いや、だからアンタが死なないように助けたんじゃん!

「わたし、地球人に生まれたかった……」

そう言って涙を流す涼子=ユリアンは、きっと80のことが好きなんでしょう。だから彼女は危険を顧みず、彼と合体したワケです。合体を。女が男と合体!



さて、続く最終回(第50話、'81.3.25.OA)では、地球防衛隊「UGM」のキャップ=オオヤマ(中山 仁)がついにウルトラマン80の正体に気づき、しかもユリアンが80を呼び戻すために地球に来た(どうやらウルトラの星がピンチらしい)ことも察してしまい、80と訣別する道を選択します。

「我々はこれまでウルトラマンに頼り過ぎた。もう彼の手は借りない!」

そしてUGMは怪獣に冷却液をぶっかけて凍らせ、戦闘機からぶら下げた鉄球をぶつけて粉砕するという、後の『シン・ゴジラ』を彷彿させる作戦を成功させ、みごとウルトラマンの手を借りずに怪獣を倒してみせるのでした。

つまり地球人の自立を描いたストーリーで、80とユリアンが二人で宇宙へと旅立つラストシーンまでウルトラマンが登場しない!という異色の最終回。

「今回の怪獣がおそらく最後の怪獣だ」と何の根拠もなく言い放って我々を笑わせるオオヤマ隊長だけど、最後の送別会における「本当は、いつまでもウルトラマン80にいて欲しかった……」っていう台詞にはちょっとホロリと来ました。めちゃくちゃ本音ですよねw

久々に(もしかして初めて?)ガキンチョがいっさい絡んで来ないハードな内容で、ウルトラマン抜きの特撮バトルにも気合いが入ってて、さすがは最終回!と言える充実の内容でした。

ちなみにサブタイトルは『あっ! キリンも象も氷になった!』…………確かにキリンも象も凍ってましたけど、それってウルトラマンとお別れするより大事なことなんでしょうか?w



最終回を彩る女優陣は、桜ヶ丘中学校の事務員=ノンちゃんの出番が無くなるや、シレッと別人(UGMの気象班=小坂ユリ子隊員)になって再登場された白坂紀子さんと、殉職したけどアンドロイド・エミとしてボインぼよよ~ん!と蘇った石田えりさん。



そしてセクシーショットはもちろん、ユリアンこと星涼子隊員を演じた萩原佐代子さん。モデル出身で、この『ウルトラマン80』をきっかけに『科学戦隊ダイナマン』('83) の立花レイ=ダイナピンク役や『超新星フラッシュマン』('86) のレー・ネフェル役など特撮ヒーロー物での活躍が目立ちました。

刑事ドラマへのゲスト出演は'81年の『警視庁殺人課』#21と'84年の『特捜最前線』#375がWikipediaに記載されてます。


 


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ハコヅメ/たたかう!交番... | トップ | 『警視ーK』#11 »

コメントを投稿