井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道版の在来タンポポのエゾタンポポ

2011年08月04日 | 日記
在来タンポポは地域によって少しずつ違い、全国区にはならない。北海道版の在来タンポポが「エゾタンポポ」である。



エゾタンポポです。キク科タンポポ属。
札幌周辺で見られるタンポポの殆どは帰化種のセイヨウタンポポだが、自然が多く残されたエリアには、エゾタンポポも残されている。
セイヨウタンポポは、開発行為や土砂崩れなど、所謂「撹乱地」で強さを発揮するが、エゾタンポポの方はそういうエリアは苦手で、街の中では、セイヨウタンポポに駆逐されたように見える。



エゾタンポポ、花のアップです。
セイヨウタンポポの場合、頭花の総苞片が反り返るが、エゾタンポポでは反り返らない。見分けるときのポイントとされる。
エゾタンポポは極オーソドックスに自家受粉を嫌い、1株だけでは繁殖できない。その代わり子孫にはバリエーションが生まれ、地方毎に地方種が生じる。北海道版がエゾタンポポである。
セイヨウタンポポは無性生殖をし、クローンで増殖するから全国区になれる。クローンであることの弱みもある筈だが、人間社会と密接に関係して生きてきただけに、人類が滅亡しない限り、セイヨウタンポポの天下は続くに違いない。



エゾタンポポの葉です。
「ライオンの歯」と呼ばれるギザギザの葉を持つ。
在来タンポポの地方種は、日本各地に20種ほどあるとされている。その一つに「シロバナタンポポ」があり、関西から四国・九州にかけて分布する。北海道人は「タンポポの花」といえば黄色い花を思い浮かべるが、白い花を思い浮かべる人たち、そういうエリアもあるという。
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