気象庁発表、1日6時の地上天気図。
今日は前線を伴った低気圧が日本海を東進し、上空には強い寒気が南下しているが、
前線や低気圧に向かって南から暖湿気流が流れ込む。そのため小田原では北西の風が
明け方から南西の風に変わり強まった。
1日0時からの小田原アメダスの気温変化のグラフ。
3時ごろまでは平均1~2m/s北西の風だったが、4時過ぎから西、そして南西と変わり、
風速も4~7m/sと急に強まった。それとともに気温は4時半頃から急上昇、3時から5時までの
2時間に-1.7℃から6.3℃へと8度も高くなった。しかし、風が強いので、体感的は寒い。
7時の箱根峠(海抜842m)では-1.3℃、同時刻、箱根の西側の三島では4.7℃。三島でも
明け方にかけて同じように気温が上昇したが、それは6.7度だった。箱根峠と小田原の気温差が
大きいことから(平均は5~6度の差)、箱根越えの空気がフェーン現象を起こしたと推測できる。
写真は8時前の小田原から望む箱根だが、箱根にかかる雲は南西の風に強く流されている。
フェーン現象というと、夏の突然の猛暑の原因として話題になるが、冬でも湿った空気が山越えを
すればフェーン現象は発生する。大陸からの季節風が日本海で水蒸気を含み、日本海側で雪を
降らせ、脊梁山脈を越えて、空っ風となって関東地方に吹き降ろすが、やはりフェーン現象は発生
している。
ただし、0℃前後の空気が2~3度上昇しても、風が強く、体感的に寒いことには変わらないので、
フェーン現象などは話題になることはない。