気象予報士 村上繁郎のブログ

気象予報会社「ファインウェザー」の気象予報士です。身近な気象現象や季節の出来事などを気象予報士の目を通して綴ります。

フェーン現象

2012-02-01 09:41:26 | 気候

気象庁発表、1日6時の地上天気図。

今日は前線を伴った低気圧が日本海を東進し、上空には強い寒気が南下しているが、

前線や低気圧に向かって南から暖湿気流が流れ込む。そのため小田原では北西の風が

明け方から南西の風に変わり強まった。

1日0時からの小田原アメダスの気温変化のグラフ。

3時ごろまでは平均1~2m/s北西の風だったが、4時過ぎから西、そして南西と変わり、

風速も4~7m/sと急に強まった。それとともに気温は4時半頃から急上昇、3時から5時までの

2時間に-1.7℃から6.3℃へと8度も高くなった。しかし、風が強いので、体感的は寒い。

7時の箱根峠(海抜842m)では-1.3℃、同時刻、箱根の西側の三島では4.7℃。三島でも

明け方にかけて同じように気温が上昇したが、それは6.7度だった。箱根峠と小田原の気温差が

大きいことから(平均は5~6度の差)、箱根越えの空気がフェーン現象を起こしたと推測できる。

写真は8時前の小田原から望む箱根だが、箱根にかかる雲は南西の風に強く流されている。

フェーン現象というと、夏の突然の猛暑の原因として話題になるが、冬でも湿った空気が山越えを

すればフェーン現象は発生する。大陸からの季節風が日本海で水蒸気を含み、日本海側で雪を

降らせ、脊梁山脈を越えて、空っ風となって関東地方に吹き降ろすが、やはりフェーン現象は発生

している。

ただし、0℃前後の空気が2~3度上昇しても、風が強く、体感的に寒いことには変わらないので、

フェーン現象などは話題になることはない。

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