アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

「歓喜の歌」~朝比奈隆

2019-12-31 08:00:00 | 音楽/芸術

今年も年末恒例となった、ベートーヴェンの「第九演奏会」には行かずじまいで年を越す。音楽鑑賞自体には、随分と自分の中でも歴史が出来てしまったが、年末の「第九」演奏会についても過去には数々の演奏会に出向くことが出来た。これだけ、オーケストラがこぞって「第九」を演奏する風潮は、世界を見回しても日本だけだそうで、昔から続くこの習わしに、アントンKも乗っていたのである。

ベートーヴェンは好きな作曲家で、とりわけこの「第九」と呼ばれる交響曲第9番ニ短調は、アントンKにとっても交響曲の中でも別格扱いしてきた。これだけ精神性の高い音楽芸術を年末に聴き、その奏でられる響きの中に、その1年の真実を見出せると思っているからだ。一番ピーク時には、第九をあちこち掛け持ちで聴き回ったりもしたが、そんな機会に限って心には響かない内容だったようにも思える。そしてある時から、数ある演奏会を選択してからホールに出向くようになっていった。アントンKにとって、第九演奏で一番印象深いものは、どうしても朝比奈隆の演奏会となってしまう。ちょうど暮のこの時期、朝比奈の第九を聴きに大阪へと向かう。まだ中之島にあるフェスティバルホールが昔のホールの時代で、どこか上野の文化会館とダブった感覚が懐かしい。今にして思えば、朝比奈晩年の4年間は大阪で第九鑑賞となり、5年目の2001年の第九演奏会は叶わず涙を飲むということなってしまうのだ。演奏会終演後、大フィルの合唱団が舞台に残り、「蛍の光」を唄う行事は今でも続いているのだろうか。初めて接した時、これが関西流かと感激した想いが蘇るのである。

久々に朝比奈の話題になったので、氏の画像を掲載しておく。1993年に埼玉所沢での演奏会終演後、楽屋口からお出ましになった朝比奈隆氏。この時は、第九ではなく、同じベートーヴェンでも第5がメインプロだった。お付きの方とともに足取りも軽く、出迎えたファンに向かって微笑む朝比奈氏は、舞台を降りても姿勢が良くキリっと見え、立ち姿だけでもエンターテイナーだった。

1993-11-23   朝比奈隆    所沢アークホール楽屋口にて



最新の画像もっと見る

コメントを投稿