5chの投稿者に開示請求する方法|身元特定の流れ・削除方法を解説

5chの投稿者に開示請求する方法|身元特定の流れ・削除方法を解説

5ちゃんねる(以下、5ch)に悪質な書き込みをされた場合、その加害者に対して損害賠償を請求したり、刑事告訴したりしたいと考える方もいるでしょう。

しかし、5chは匿名掲示板であるため、通常は「誰が投稿したのか」について知ることはできません。

そこで、加害者を特定するために発信者情報開示請求という手続きが必要になります。

この記事では、5chの書き込みによって権利侵害された方に向けて、以下4点について解説します。

  • 発信者情報開示請求できる権利侵害の種類
  • 特定が困難なケース
  • 発信者を特定するまでの流れ
  • 加害者を特定してからの対応 など

また、発信者情報開示請求の手続きは弁護士に依頼できるため、弁護士に依頼するメリットも紹介します。

【注目】5chの悪質な投稿でお悩みの方へ

5chでの投稿に対して、開示請求をして相手を訴えたい!でも、やり方がわからない…と悩んでいませんか。

結論からいうと、5chへの開示請求でお悩みなら弁護士に相談することをおすすめします。

開示請求は個人でおこなっても対応してもらえないケースが多いので、専門家に協力してもらうと心強いでしょう。

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 開示請求の方法や流れがわかる
  • 加害者に請求できる損害賠償の金額がわかる
  • 依頼すれば、迅速に裁判手続きを進めてもらえる
  • 開示請求後の対応もまとめて依頼できる

当サイトでは、ネットトラブルを得意とする弁護士を地域別に検索することができます。
無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士
立花 志功弁護士(立花志功法律事務所)
立花志功法律事務所は、北海道札幌市の法律事務所。トラブルに巻き込まれた方々を全力で助けるため、活動している。

5chの投稿者を特定するには発信者情報開示請求が必要

5chで権利侵害をされた場合、その投稿者を特定するためには「発信者情報開示請求」という手続きが必要になります。

しかし、この手続きをしたからといって、必ずしも発信者を特定できるわけではないので注意が必要です。

ここでは、発信者情報開示請求が認められる権利侵害の種類や、特定が困難なケースについて確認しましょう。

5chの投稿者を発信者情報開示請求で特定できるケース

発信者情報開示請求は、「権利が侵害されたことが明らかであるとき」に利用できる手続きです。

主な権利侵害には、以下のようなものが挙げられます。

誹謗中傷するような書き込みの場合

5ch上で特定の個人を誹謗中傷する書き込みをされた場合は、名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性があります。

名誉毀損罪と侮辱罪の違いは、具体的な事実の摘示の有無であり、「○○社の△△課長は部下と不倫している」など事実の摘示がある場合名誉毀損罪に該当し、「○○はバカ」な事実の摘示がない場合侮辱罪に該当します。

(名誉毀損)

第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

(侮辱)

第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

危害を加えることを予告するような書き込みの場合

5ch上で特定の個人またはその親族の身体や財産などに危害を加える旨を告知したり、特定の企業に関する虚偽の情報を書き込んだりした場合は、脅迫罪や業務妨害罪が成立する可能性があります。

また、「〇月〇日に△△を爆発する」などと爆破予告を書き込んだ場合には、威力業務妨害罪などが成立するでしょう。

(脅迫)

第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

(信用毀損及び業務妨害)

第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

個人情報や顔写真などを晒す書き込みの場合

人には、私生活上の情報を他人に公開されない権利であるプライバシー権や、私生活上の容姿を他人に無断で撮影・公開されない権利である肖像権があります。

仮に5ch上に無断で氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの個人情報が公開されたり、顔写真が公開されたりした場合には、プライバシー権や肖像権の侵害に該当すると考えられます。

発信者情報開示請求をしても特定が困難なケース

権利侵害が認められる場合でも、以下のようなケースでは発信者を特定するのが難しいでしょう。

IPアドレスの保存期間が過ぎている場合

通常、インターネット上の匿名の発信者を特定するためには、サイト管理者から発信者のIPアドレスを取得し、その後、プロバイダから発信者の氏名や住所などを入手するという流れになります。

しかし、5chの運営会社やプロバイダなどは、一定期間を過ぎるとIPアドレスなどのログ情報を自動で削除してしまいます。

そのため、書き込みをされてから時間が経ち、この保存期間を過ぎている場合には、発信者の特定が難しくなります。

権利侵害された証拠が残っていない場合

発信者情報開示請求をする場合、任意開示でも法的手続きでも権利侵害をされている証拠が必要になります。

スクリーンショットや印刷物などの「権利侵害をされた」という証拠が残っていない場合、5chの運営会社やプロバイダ、裁判所などに権利侵害の事実を認めてもらえないため、発信者を特定するのが困難になるでしょう。

5chで発信者情報開示請求をする流れ

5chで投稿者を特定するためには、5chの運営会社に対して発信者のIPアドレスなどの開示を求めてから、特定したプロバイダに対して発信者の氏名や住所などの開示を求めるというという、二段階の手続きが必要になります。

発信者情報開示請求で5chの匿名の投稿者を特定するまでの流れについて確認しましょう。

①権利侵害された証拠を保存しておく

5ch上で権利侵害された場合、まずは書き込みを証拠として保存しておきましょう。

保存する証拠は該当ページのスクリーンショットや印刷物などで問題ありませんが、必ずURLが全部わかる状態にしておくのがポイントです。

権利侵害されたページのURLが不明な場合は、証拠能力が否定される可能性があるので注意してください。

インターネットのホームページを裁判の証拠として提出する場合には,欄外のURLがそのホームページの特定事項として重要な記載であることは訴訟実務関係者にとって常識的な事項であるから,原告の前記主張は,不自然であり,たやすく採用することができない。

引用元:平成22年6月29日判決言渡

②5chの運営会社に発信者情報開示請求をする

権利侵害の証拠を確保したら、5chの運営会社(Loki Technology, Inc.)に対して投稿者のIPアドレスやタイムスタンプを開示するよう直接請求します。

発信者情報開示請求書を送ると、後日、開示結果がメールで届きます。

なお、発信者情報開示請求の宛先は公開されていないため、ネットトラブルが得意な弁護士に相談するとよいでしょう。

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拒否された場合は発信者情報開示の仮処分命令を申し立てる

5chの運営会社に任意開示を拒否されてしまった場合は、東京地方裁判所に対して発信者情報開示の仮処分命令の申し立てをおこないます。

申し立ての結果、裁判所から仮処分命令が発令されたら、その決定を5chの運営会社に対して送付します。

後日、5chの運営会社から投稿者のIPアドレスやタイムスタンプが開示されることになります。

③IPアドレスからプロバイダを特定する

5chの運営会社から開示されたIPアドレスをもとに、投稿者が利用しているプロバイダを特定します。

プロバイダを特定する理由は、そのプロバイダに発信者情報開示請求をして、投稿者の氏名や住所などの個人情報を開示させるためです。

WHOISサービス」などを利用することで、IPアドレスからプロバイダを特定することができます。

④プロバイダに発信者情報開示請求をする

特定できたプロバイダに対して、投稿者の氏名や住所などを開示するよう直接請求をします。

発信者情報開示請求の宛先などを開示しているプロバイダは多く、請求書を送付すると後日(数ヵ月かかることもある)プロバイダから結果が送られてきます。

任意開示に応じてもらえた場合は、この時点で発信者情報開示請求の手続きは終了です。

拒否された場合は発信者情報開示請求訴訟を起こす

プロバイダに任意開示を拒否されてしまった場合は、そのプロバイダの本店所在地を管轄する裁判所に対して発信者情報開示請求訴訟を提起します。

通常は、2~3回程度の期日で結審することが多いです。

この裁判で勝訴判決を得られた場合は、プロバイダから投稿者の氏名や住所といった個人情報が開示されます。

2022年10月以降は、発信者情報開示請求が一つの手続きで可能に

2022年10月に施行された、改正プロバイダ責任制限法では、サイト運営会社への発信者情報開示請求と、プロバイダへの発信者情報開示請求が一つの手続きでできるようになりました。

引き続き、従来の二段階手続きによる発信者情報開示請求はおこなえますが、新しい手続きだと、投稿者の特定までにかかる期間が大幅に短くなるので、急ぎで特定したいときには利用を検討するとよいでしょう。

とはいえ、どちらの手続き方法がよいかわからないという方も多いはずです。

その際は、どちらの手続きを利用するのがよいか弁護士に相談をして、決めることをおすすめします。

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【参考記事】プロバイダ責任制限法の一部を改正する法律(概要)(令和4年10月1日施行予定)|総務省

発信者情報開示請求で特定したあとの対応

発信者情報開示請求によって加害者を特定できたら、損害賠償を請求したり、書き込み内容に応じては刑事告訴をしたりすることができます。

ここでは、加害者を特定したあとの対応について確認しましょう。

損害賠償(慰謝料)を請求する

5chへの書き込みで権利侵害をされた場合、その加害者に対して不法行為に基づく損害賠償(慰謝料)を請求することが可能です(民法第709条、第710条)。

まずは加害者に対して書面で通知書を送付し、示談内容や損害賠償などに関する交渉を進めていきます。

示談が成立すれば示談書を交わすことになりますが、成立しなければ損害賠償の請求を求めて訴訟に移行します。

なお、不法行為ごとの損害賠償金額の相場は、以下を参考にしましょう。

【主な不法行為ごとの損害賠償額の相場】

不法行為の内容損害賠償金額の相場
名誉毀損(一般人)10万~50万円程度
名誉毀損(事業主)50万~100万円程度
侮辱1万~10万円程度
プライバシー侵害10万~100万円程度
プライバシー侵害(ヌード写真など)100万円以上

刑事告訴をして処罰を求める

5chへの書き込み内容が犯罪行為に該当する場合は、刑事告訴して処罰を求めることができます。

刑事告訴できる書き込みとそうでない書き込みは、以下のとおりです。

なお、名誉毀損罪や侮辱罪などの親告罪は「犯人を知った日から6ヵ月以内に告訴する必要がある」ので、できる限り早く告訴をおこないましょう(刑事訴訟法第235条)。

刑事告訴できる書き込み・できない書き込み
刑事告訴できるもの
  • 名誉毀損罪(刑法第230条)
  • 侮辱罪(刑法第231条)
  • 信用毀損罪・業務妨害罪(刑法第233条)
  • 脅迫罪(刑法第222条)
  • 著作権侵害(著作権法第119条以下)
刑事告訴できないもの
  • プライバシー権の侵害
  • 肖像権の侵害

5chの発信者情報開示請求で弁護士に依頼するメリット

発信者情報開示請求は、被害者が自力でおこなうこともできますが、法律やインターネットなどに関する知識や経験が必要になることが多いため、ネットトラブルが得意な弁護士に依頼するのがおすすめです。

ここでは、5chの発信者情報開示請求を弁護士に依頼するメリットについて確認しましょう。

投稿者を特定できるかどうか見極めてくれる

5chへの書き込みが、本当に権利侵害に該当するのかを判断するのは難しいです。

また、権利侵害に該当する場合でも、書き込みから一定期間が経っておりログ情報が削除されている場合もあります。

弁護士に相談することで、書き込みが権利侵害に該当するか、発信者情報開示請求で加害者を特定できるかなどを判断してもらうことができます。

自力で手続きするよりも迅速な開示が望める

サイト管理者やプロバイダが管理しているログ情報には保存期間があるため、迅速に発信者情報開示請求をおこない加害者を特定する必要があります。

しかし、5chの運営会社は一般向けに連絡先を公開していないこともあり、自力で対応すると時間がかかる可能性が高いです。

その点、ネットトラブルが得意な弁護士であれば、事前に5chの運営会社の連絡先を入手していることもあるため、迅速に発信者情報開示請求を進められるでしょう。

投稿者を特定したあとの対応も一任できる

投稿者を特定したあとは、加害者に対して損害賠償を請求したり、処罰を求める場合は刑事告訴をしたりすることになります。

弁護士に依頼している場合、このような加害者との交渉や訴訟を一任することが可能です。

また、刑事告訴をする場合は告訴状を作るサポートをしてくれるため、捜査機関に受理してもらえる可能性が高まります。

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さいごに|5chの発信者情報開示請求にはタイムリミットがある

サイト管理者やプロバイダのログ情報の保存期間は3~6ヵ月程度といわれているため、迅速に発信者情報開示請求をおこなう必要があります。

しかし、請求書や証拠を用意したり、裁判所で手続きしたりする必要があり、慣れていない方が対応すると時間がかかってしまう可能性があります。

5ch上で権利侵害をされて発信者情報開示請求を検討しているなら、「ベンナビIT」でネットトラブルが得意な弁護士を探して、相談することをおすすめします。

【注目】5chの悪質な投稿でお悩みの方へ

5chでの投稿に対して、開示請求をして相手を訴えたい!でも、やり方がわからない…と悩んでいませんか。

結論からいうと、5chへの開示請求でお悩みなら弁護士に相談することをおすすめします。

開示請求は個人でおこなっても対応してもらえないケースが多いので、専門家に協力してもらうと心強いでしょう。

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 開示請求の方法や流れがわかる
  • 加害者に請求できる損害賠償の金額がわかる
  • 依頼すれば、迅速に裁判手続きを進めてもらえる
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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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