『１１ぴきのねこ』で知られる馬場のぼる先生（1927－2001）が、子供たちになじみ深い動物や生き物の描き方を、丁寧な語り口で図解を交えて教えてくれる「馬場のぼるのおえかき教室」が、こぐま社から発売されました。お絵描き好きなお子さんはもちろん、「絵を描くのはちょっと…」という大人の方まで、幅広い年齢層におすすめです。それから、2021年夏に練馬区立美術館で開催され、各地を好評巡回中の『まるごと馬場のぼる展　描いた つくった 楽しんだ ニャゴ！』は今夏、鹿児島で開催されます。この記事の最後に開催案内があります。

この絵本は、1968年に実業之日本社より発行された『誰でも描ける ３分間マンガ』（馬場のぼる著）を子どもにも楽しんでもらえるよう絵本の形で再構成したものです。もとの本は、大人向けの新書シリーズでエッセイの部分もかなり多く、イラストについては、動物の他にも人物や昆虫、植物など多岐にわたって紹介されていましたが、本書では、体裁の都合上エッセイは割愛し、イラストの描き方は主に動物に絞ってセレクトしてあります。 

絵を描くときに一番大切なことは、自分が自分らしい絵を描くということです。この絵本の冒頭で、馬場のぼる先生はこんなふうに語りかけます。あの『１１ぴきのねこ』をはじめ、現在も多くの人に愛される作品を描いた馬場先生はそう考えていたのですね。絵画はもちろん、アートすべてに通じる考え方かもしれません。「学校を卒業してから絵は描いたことがないなあ」という大人の方も手に取ってみてはいかがでしょう。新しい喜びがみつかるかも？（美術展ナビ編集班　岡部匡志）

• 書　名 　『馬場のぼるのおえかき教室』
• 作　者　　馬場のぼる
• 体　裁　　26×19cm　40ページ　上製
• 定　価　　1,320円（本体1,200円+税）
• 対　象　　4歳ごろから大人まで
• I S B N　　978-4-7721-0264-3  C8771
• 発売日 2023年5月29日 
• こぐま社HP　https://www.kogumasha.co.jp/

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