「甲子園会館」、「建築スタジオ」、敷地内の森、武庫川沿いの松並木などが互いに呼応した、数々の美しい風景が新たに生まれました。また、2号線に面して建つ「建築スタジオ」は、上甲子園キャンパスの顔になります。昼は、深い庇と繊細な列柱がによる端正な構成美を、夜にはガラス面を多用した建物ならではの優美な夜景を提供します。
構造実験室の屋上は芝生とウッドデッキによる庭園になっています。手前に広がる屋上庭園、その奥に森、さらに向こうに甲子園会館と、水墨画や舞台の書き割りのように美しい要素が幾重にも重なり風景が構成されます。これまでにない新しい甲子園会館の風景が創造されました。
春を待ちわびてアセビやコブシ、やがて山桜や平戸ツツジやカザニア、少し遅れてサツキツツジや黄色い花のリシマキアが咲きます。夏の初めにはサルスベリ、アジサイ、シャクナゲが咲き、7月になると紫のアガパンサスや宿根バーベナが咲きます。秋はイロハモミジ、11月から冬にかけてカンツバキが咲きます。
「建築スタジオ」は、工場生産のPCコンクリートの柱や床板、断熱複層ガラス壁面により構成された、軽やかで開放的な空間です。ここは、一人ひとりが一台の製図机とコンピュータを占用できる広いスタジオです。 欧米では、建築家は医師、弁護士とならぶ3大専門職です。専門職のための教育は厳選された少数の大学において5から6年かけて行われます。特に欧州の多くの国では、厳しい卒業判定と同時に国家資格が与えられます。
この欧米型建築家教育では、授業時間の半数以上が、問題解決型の設計演習です。学生たちは午前中、このスタジオから甲子園会館に行き、講義に出席します。午後はスタジオに戻り、全員が教師と一対一の対話型の設計演習を行います。そのため全学生が一台ずつ自分の机を必要とします。