シーズーの病気・ケガ・性格を解説

シーズーがかかりやすい病気やケガから、性格や体の特徴なども確認していきましょう。

シーズーの特徴

シーズーの歴史

シーズーの起源はチベットのラサアプソと中国のペキニーズが混血したものと言われています。

歴史的順序としては、8世紀頃にチベットから送られたチベタン・スパニエルを中国王宮内で繁殖固定したのがペキニーズ、同じくチベットから16世紀頃に贈られたラサアプソとペキニーズを交配し、固定化されたものがシーズーとなりました。

3犬種の中ではシーズーの作出が最も新しく、19世紀に誕生したとされています。また、シーズーは中国語で「獅子」を指しますが、シーズーもペキニーズも同様に獅子犬とされ、守り神として王侯貴族の家庭内で大切に飼われてきました。

シーズーは特に西太后(1861~1908)の時代において寵愛されており、一部のヨーロッパに渡ったものの、ほとんどは王宮である紫禁城内で飼育されていたといいます。しかし、1911年に起こった辛亥革命により、混乱の中で宮廷内のシーズー達は一層され、1950年代に共産主義革命が起こると、「犬の飼育は大敗の象徴」とみなされるようになり、シーズーを含めた大量の犬が虐殺、家庭内での飼育もできなくなり、中国国内では絶滅寸前まで追い込まれます。

今日世界中に分布するシーズーは、革命以前の1930年代にヨーロッパに渡った犬たちの子孫といわれています。

1930年代にイギリスやアイルランドに渡ったシーズーは、よくラサアプソと混同され、「アプソ(Apsos)」という1ジャンルにまとめられていました。そこで、短吻で短肢のものを「シーズー」、長吻で長肢のものを「ラサアプソ」と分けて計画繁殖が行われるようになり、現在のシーズーの基礎が出来上がっていきました。そして、1935年、イギリスで犬種クラブが発足したのを機にラサアプソは全く違う犬種「シーズー」として独立を果たしました。

シーズーの大きさ・見た目

シーズーは鼻が低く垂れ耳で、体高より体長の方がわずかに長く、決して華奢ではないしっかりとした四肢を持っています。

落ち着いた足取りで、わずかに体を揺らしながら機嫌良さそうに歩くのが特徴です。

長毛の豊かなダブルコートで、毛色はさまざまですが主にゴールド&ホワイト、マホガニー&ホワイトのほか、レッドゴールド、オレンジゴールド、マホガニーゴールド、ハニーゴールドなどの毛色がいます。また、珍しい色としては、ジェットブラック&ホワイト、シルバー&ホワイト、グレー&ホワイト、ブリンドル(黒毛にゴールドや黄褐色の毛の混色)、パーティーカラーにブラックマスク(ボディは2色でマスクがブラック)などがおり、非常にバラエティに富んだ毛色の犬種といえます。

体高26.7cm、体重4.5~8.1㎏が標準とされており、平均寿命は10歳~16歳程度です。

シーズーの性格

シーズーは遊び好きで活発な免と、穏やかで落ち着いた面の両方を持ち、人や他の犬にも友好的です。

愛情深く、おおらかで神経質な固体は少ないため、子どもとの付き合いも上手な犬で、家族に対して非常によく気遣いをし、様子を見て接するなど、愛玩犬らしい思慮深い面もあります。

しかし、やや保守的でプライドの高い面もあり、排他的に育ってしまうと番犬のような振る舞いをしてしまうほか、やや物覚えが悪いという難点もあります。

シーズーを飼うときの注意点

シーズーは小型犬としては大変がっちりとし体をしているので、運動をしないと太りやすくなってしまいます。夏季以外は、毎日20~30分程度の散歩と、室内での活発なゲームや運動を取り入れてあげましょう。

シーズーのしつけで大切なポイントは、「成功したらとにかく褒めてあげること」です。シーズーにとって飼い主はたった一人の大切なリーダーなので、リーダーに褒められることはこの上なく嬉しい事です。また、悪いことをしたら勿論叱ることも大切ですが、叱るタイミングが重要になります。

悪いことをしたその場で「いけない」や「ダメ」などの簡単なリズムで叱ってしつけましょう。ほかにもシーズーが吠える・噛みつくなどした場合は徹底的に無視をしてしつけるのも効果的です。無視をするしつけ方はシーズーの性質上この上なく辛い事なので、声を上げて怒り続けるよりも効果を発揮します。

シーズーは長毛のダブルコートですが、下毛が特に厚い犬種で、その毛量のわりには抜け毛が少ないとされていますが、毛が長く皮膚に留まることで絡みやすく、また汚れやすくなります。ブラッシングはできるだけ毎日、もしくは週に3回以上は行ってあげましょう。

シーズーはとにかく暑さに弱い犬です。鼻が低く、呼吸が苦手なので熱中症になりやすく、夏場の炎天下の散歩や、短時間に社内で留守番させることは命に関わるので気を付けましょう。また、日本の高温多湿の気候に熱い下毛は辛いので、夏はサマーカットをする場合が多くありますが、高齢になると毛の再生ペースが落ちてくるので、年齢によってはトリミングの程度を考慮する必要があります。

シーズーのカットスタイルにもいくつか種類がありますが、人気なものを挙げますと「サマーカット」や「フルコート」などがあります。サマーカットはその名の通り、夏の暑さに対して行う印象が強いですが、1年を通してサマーカットのシーズーも少なくありません。毛が伸びてくると絡み始めて毛玉ができやすくなるため、あまりお手入れができない方にはおススメのカットになります。

フルコートは伸び続ける美しい被毛を活かした気品のあるスタイルになります。しかし、その毛量故に毛のもつれや毛玉ができやすく、毎日のお手入れは大変といえます。食事やシャンプーなども毛艶をよくするためになるべく高品質なものを選び、乾燥を防ぐために加湿器も必要になるため、フルコートは維持費や手間がかかりますが、その分可憐でとても魅力的なスタイルであることは間違いないでしょう。毎日のお手入れを楽しむ事ができる方は是非挑戦してみてください。

記事監修
動物病院病院 総長 藤野 洋

アニホック往診専門動物病院獣医師 藤野 洋

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

日本大学生物資源科学部(旧農獣医学部)獣医学科卒業。
卒業後、約20年にわたり動物病院でペットの治療に従事。
2007年(株)フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。

【エデュワードプレス(旧インターズー)】・トリミングサービス成功事例セミナー講師・トリミングサービス成功ガイド監修・Live trim2018 マネージメントセミナー講師 【メディア】・ラジオ調布FM ペットオーナー向け番組MC・多摩テレビ 「わんにゃんMAP」番組パーソナリティ・j:comジモトピ「世田谷・調布・狛江」出演