本日、東京農工大発創薬ベンチャー企業4891 ティムスが、独占的オプション契約を締結している米国バイオジェン社のTMS-007の後期第Ⅱ相臨床試験の開始を一時停止したことを受けて、2日連続のストップ安となりました。

 

米国バイオジェン社(以下「バイオジェン」という)が、日本時間4月25日午後9時に開催した2023年第一四半期決算発表において、TMS-007(BIIB131)の後期第Ⅱ相臨床試験の開始を一時停止し、当該臨床試験を開始すべきかどうかを再評価すると発表したことをお知らせいたします。 

 

四季報によると、黒カビ由来の急性期脳梗塞薬候補で米バイオジェンと大型提携しており、急性期脳梗塞薬、急性腎障害などの研究開発をしている会社です。

 

 

昨年11月東証グロース市場に上場し、公募価格670円に対し、919円の初値をつけております。

業績はあまり芳しくなく、現時点で上市した(市場で販売しているもの)製品がない為、先行投資の段階であるとしています。

 

  業績

 

資産だけはどんどん増えて行っていますが、当期純利益はマイナスとなっておりますね。

22年2月期に10億円の利益を上げておりますが、調べてもでてこないのでわかりませんでした。

おそらくバイオジェン社からマイルストーン収入(医薬品の開発の進捗に伴って発生する、新規化合物発明企業への支払金)が入ったのではないかと思いますが、定かではありません。

 

とりあえず、現時点では売るものがないので、利益を上げることはできない状況で、新薬が開発され、それが市場に出回れば莫大な利益を生むことになるでしょう。

しかし、思い出して欲しいのは、これと似たような企業がたくさんあるということ。

例えば、以前コロナワクチンの開発で一躍有名となった4563 アンジェスなんかがそうです。

アンジェスは大阪大医学部、森下竜一教授創業の創薬ベンチャーで、当時の大阪府知事が官民一体となって大阪発コロナワクチンの開発を達成すると息巻いてた企業です。

 

コロナ禍の中、ワクチン開発を進めていたアンジェスは一躍有名となり、300円台だった株価も一時2,500円に迫ることろまで上昇しました。

しかし、ワクチンの開発は失敗し、株価は下落。

現在は98円と見る影もありません。

 

そもそも創薬というのは資金力がモノを言う世界なので、資金力が乏しい創薬ベンチャーはなかなか開発が進みません。

そこで株式上場ということなのでしょうが、一般的な薬の開発で7~10年かかると言われておりますので、上場後も売るものがなければ常に赤字を垂れ流すだけの企業になってしまいます。

そういった会社は、新株予約権を乱発し、資金を調達しますので、株を保有しているだけで価値がどんどん下がっていくのが通常です。

 

おそらく今回もティムスは、他の創薬ベンチャーの例に漏れず、株価は今後もダダ下がりとなっていき、復活の目はしばらく無いでしょう。

ただ、創薬ベンチャーというのは、仕手化しやすい銘柄ですので、安値で拾って放置していることで、稀に爆発することがあります。

このリストを見てもわかる通り、いくつか仕手化した銘柄があることに気づくでしょう。

 

  創薬ベンチャー

 

残念な事に、ほとんどが低位株で、バックに大きい企業がついているところ以外は青息吐息なのが現状です。

明日は最低価格が1円なので、どこかで必ず寄るとは思いますが、スケベ心丸出しで買いに入ると大やけどを負う可能性が高いです。

昨日の7692 アースインフィニティもそうですがPTSで10%以上の上昇を見せたと思ったら実際には-13.6%でしたって事もあり得ます。

先が見えない企業にお金を掛ける事はギャンブル以下と言えるでしょう。

 

今後、アンジェス同様株価が100円を割る可能性もありますので、購入を検討している方は、ご注意下さい。