小学校低学年、幼稚園児や保育園児など低年齢にひろがっており親御さんが心配そうに連れてこられています。
今回は、前回のブログで触れましたステロイドについてです。
花粉が飛び始める前から抗アレルギー剤の飲み薬、点眼薬を使用し始めると症状が軽く済むことが知られています。いわゆる初期治療です。
今の時期のように花粉が飛んで眼の症状が重くなり、抗アレルギー点眼薬だけで症状が改善しない場合はステロイド点眼薬を使用します。
ステロイド点眼薬にはフルメトロン、フルオロメトロン、オドメール、リンデロン、サンテゾーン、DEXなど色々あります。
いきなりですが、、ステロイド点眼薬のアップ
ステロイドには抗炎症作用があり、かゆみや充血をおさえる作用は他の薬に比べてダントツに良いです。
しかし、どんな薬にも副作用があり、特にステロイドには様々な副作用があります。
私は医師の管理の元で正しく使って頂ければステロイドは問題ない、症状をしっかりと抑えてくれるので快適に生活できる点が優れていると考えています。
それではステロイドの副作用についてです。
一つ目は眼圧が高くなり、長期間に及ぶと視野が欠ける いわゆるステロイド緑内障です。
ステロイド点眼薬だけに限らず、皮膚につける軟膏やローション、吸入、飲み薬などでも長期間使用すると眼圧が高くなることがあります。
眼圧が高くなったまま知らずに過ごしてしまうと視野が欠け、一端視野が欠けるともとに戻ることはありません。
強いステロイドほど眼圧が高くなることが多いため、花粉症やアレルギー結膜炎などの病気には弱いステロイド点眼薬(フルメトロン、オドメール)を使用しますから、眼圧が高くなることは少ないと考えられます。
しかし、ぶどう膜炎、眼の手術後の炎症を抑えるためなどには、比較的強めのステロイド点眼薬(リンデロンなど)を使用します。時に眼圧が高くなることがあります。
眼科医が眼圧をフォローしながら使用する場合は、もし高くなったとしても、ステロイドを中止したり、眼圧を下げる点眼薬を併用しますので、視野が欠けるほどまでになることは少ないと考えられます。
現在使用されている方は、定期的に眼科に通院しましょう。
ステロイドの副作用の2つ目は感染しやすくなることです。
私達の体には外部から体に進入したものに対して攻撃する免役機能が備わっています。
ステロイドは免役を抑える働きがあります。
アレルギー反応は本来は外敵にはならないものに対して、免役系が過剰に反応することで生じます。
アレルギーを抑える目的でステロイドを使う場合があります。
ステロイドを使用すると細菌やウイルス、カビなどの外敵の進入に対する免役系の働きをも抑えてしまう訳です。
例えばステロイド点眼薬を使用しながら、コンタクトレンズを使用しますと小さな傷から細菌やウイルス、カビが進入して、角膜膿瘍・潰瘍が生じることがあります。
放置すると、角膜が白く濁り視力障害が残ってしまうことがあります。
また、カビやウイルス感染には特効薬がない場合がありますので一端感染すると治療が難しくなります。
コンタクトレンズを使用しながら、ステロイド点眼薬、眼軟膏を使用することは危険です。
コンタクトレンズの方が花粉症、アレルギー性結膜炎になったら、抗アレルギー剤だけにするか、
コンタクトレンズをやめましょう。
特に眼科以外の科から点眼薬を処方された場合は、ステロイド点眼薬か抗アレルギー剤かどうか患者さんが知っておく必要があります。
ステロイドと上手に付き合いながら症状を抑えるためには、眼科医の元で管理してもらいながら使用するのが一番安心だと思います。
長文を読んで頂きありがとうございます
本日のコーヒーとともに…