地方から東京に出てきた「おのぼりさん」にとって、都内の地下鉄網は魔界の迷路。
重度の鉄ヲタは「これを見ながら飯が食える」とか。
軽度の鉄ヲタすら見向きもしないシンプルさ
鉄道の乗り換えぐらい、今ならスマホアプリで簡単だと思われるかもしれません。
でも東京の地下鉄にはスマホアプリでわからないこともたくさんあります。
その理由のひとつが、東京の地下鉄は2つの事業者に分かれること。
ひとつは旧・帝都高速度交通営団(通称・営団地下鉄)。
現在の東京地下鉄株式会社(通称・東京メトロ)です。
東京メトロは2004年に民営化した特殊会社で、銀座線や丸ノ内線をはじめ9路線を運営しています。
もうひとつは東京都が運営する都営地下鉄。
浅草線・大江戸線・新宿線・三田線の4路線を運営しています。
この両社の路線には接続が微妙に良くない駅があります。
たとえば小石川後楽園の最寄り駅の飯田橋駅。
最も小石川後楽園に近いのは大江戸線のC3出口。
このアバンギャルドなデザインで有名ですが、ここから入ると東京メトロの東西線・有楽町線・南北線の「飯田橋駅」には行けません。
こんなにヌボーッとしたアールヌーボーの大がかりなデザインなのに実は大江戸線専用の出入口。
ここから550m離れたC1出口は他の地下鉄ともつながっています。
なのに小石川後楽園という観光地に最寄りのC2とC3は大江戸線専用だなんて、まるで粉石けんが溶けきらずに浮いているみたいなモヤモヤ感があります。
大江戸線そのものもわかりにくい。
上の路線図のように、大江戸線は「6」というか「b」というか「♭」というか、そういう形の路線。
当初、大江戸線は「東京環状線」という名称になるはずでした。
しかし当時の東京都知事だった石原慎太郎氏が「ぐるぐる回ってないのに環状線はおかしい」と、ごもっともな異議をとなえて「大江戸線」になったとか。
実際、大江戸線は環状運転ではなく、練馬の光が丘と都庁前の間を「6」の字を描くように往復運転する路線。
そのため都庁前に2回停車することになります。
大江戸線の最大のトラップは「新宿」と名のつく駅が「東新宿」「新宿西口」「新宿」の三つあること。
しかもJRの新宿駅西口の前にあるのが大江戸線の「新宿駅」。
大江戸線の「新宿西口駅」はJR新宿駅の北側にあります。
それだけでもわかりにくいのに、大江戸線の「新宿駅」と「新宿西口駅」は都庁前から分岐した正反対の経路になるため、「新宿駅」と「新宿西口駅」をまちがえると逆向きの列車に乗ることになります。
個人的には「6」の丸の部分を本物の環状線にして「大江戸環状線」と名付け、都庁から光が丘までの直線部分を「小江戸環状じゃありま線」にすればいいのに、と思わないでもありません。
小江戸一直線もいい
一方、横浜から都内に行く場合、田園都市線と東横線は都内の地下鉄や私鉄との相互乗り入れが多すぎて行く先がよくわかんない、という問題も。
あってもなくてもどうでもよかった目蒲線もなくなった。
私の経験から言って、鉄道を利用するときに間違えない秘訣はただひとつ。
しらふで乗ること
本日もご覧いただきありがとうございました。