慈眼山 成願寺 | 建築家の設計ブログ

慈眼山 成願寺

慈眼山 成願寺


慈眼山と号す天台宗の寺院。

天平17年(745年)に建立。


もともとは常観寺といい、安食・山田一族の菩提寺であった。

本尊の木造十一面観音菩薩立像は、平安時代の技法を遺す彫刻として

現在名古屋市の指定文化財。


山田重忠による中興開山800年(平成21年)を記念しガラス張りのお寺に前面改築。


建築家の設計ブログ PHOTO1

アプローチ

本道の起り屋根が見える。

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アプローチ階段

「スチール&ガラス」が成願寺共通のマテリアル。

仁王像が両サイドのガラスの中に納まっています。

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前面道路から本堂妻側

本堂の壁はガラス張り。

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本堂アプローチ

深い庇とガラス張りの壁。
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本堂と庫裏

全ての建物に共通の「起り」がある。

屋根を見ると、大変な工事だったろうなと

感心させられる。

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本堂内部

石張り、床暖仕様の本堂。

椅子が並べられてあり、年輩の方も大喜び。



住職さんから、色々なお話しを伺いました。

中でも印象的だったのがこの話し。


”どうせ新しくお寺を建てるなら、お寺というものは、こういうもの”

という既成概念を壊したかった。


設計した建築家は、今までお寺を設計した事が無く、

正直に住職にその旨を伝えたそうだ。


その話を聞いて、住職は腹が決まったという。

「余計な小細工をしないだろう」と。


また、依頼したからには全面的に信頼を寄せた。

「相手はプロ、私は素人、余計な口を挟んでしまったら、

また同じ様なお寺になってしまう」。


アポなしで、いきなり訪問したにもかかわらず、

快く内部を案内して下さった住職さん。

心から感謝です。


住職さん曰く

「昔は、お寺や神社の境内が僕らの遊び場だった、

みんなが集まる、昔の様なお寺にしたい」。


だが、問題もある。

現代は誰でも気軽に入って来る様になると

気づけば、色んなものが無くなっているそうだ。


地域に開かれたお寺と防犯、

現代のお寺は二律背反する悩みを抱えている。