あまりにもバカバカしくて真剣にやる人がいないのか、こんな実験はググっても出てきません^^;
ただよく引っかかるのはハエの飛行速度は10km/hという内容です。
果たしてその速度というものは本当なのか?
というのが私の疑問です(¬_¬)


ハエにもいろんな種類があって、民家でよく見かけるイエバエが時速10km/hで飛ぶかどうかまでは実は分かっていなくて、別のハエの速度が10km/hだったのかもしれません。
それを早合点してしまっている可能性は多いにあるでしょう (¬_¬)

そこで私が実証をしてみせるというシナリオです ( ´艸`)


さてさて実験に使う機材はデジタル一眼レフカメラ D7000のみです。
このカメラで動画を撮影します。
常時付いているレンズは35mmレンズなので、このレンズを使用します。
ハエがいつ現れるか分かりませんからね、、、


そしてハエに気付かれて逃げられない安全距離を考えます。



ハエとレンズの距離が30cmならまず大丈夫だということが分かりました。
(経験則によります)


そして



カメラの焦点距離とハエまでの距離300mmにより、1px辺りの移動距離が分かります。
もちろんだいたいであって、奥行きまでは考慮していません。
そもそもそこまて考える必要がないことが後々分かるでしょう。

カメラの設定により動画サイズは640x424(px)でした。
D7000のセンサーサイズは23.6x15.6(mm)です。
これらの条件がそろえば
300÷35=8.57
8.57/23.6=0.36
23.6/640=0.037
8.57*0.037=0.32
となり1px辺り0.32mmであることが分かります。
もちろん縦の方でも計算すると0.32mmでした。

ここまで来ると時速を求めるのは簡単です。





ハエに刺激を与えて逃げる瞬間を捉えます。

この動画から逃げる瞬間を1コマずつ切り出した画像がこちらです。







ハエの位置を拾ってみました。



A列・・・X座標 (px)
B列・・・Y座標 (px)
C列・・・X座標における移動距離 (px)
D列・・・Y座標における移動距離 (px)
E列・・・ピルセル辺りの移動距離 (px)
F列・・・移動距離 (mm)


1コマ辺り1/30秒ですので今回は5コマあったため0.13秒でフレームアウトしていました。
そして移動距離から換算すると1.85km/hでした。

10km/hなんて全然出ていません。
逃げる瞬間よりも飛行速度が高くなっているなら分かりますが、
5倍も加速するのかどうかは怪しいところです。


1回だけでは実験結果も信頼性に欠けるかもしれません。

そこでもう一度テストしてみました。





この動画の1コマずつの切り出し画像です。










今度は2.01km/hでした。

最初の速度とそこまで変わらないのではないでしょうか。





まだまだあります。
別のハエでも測定してみました。
ハエの個体によって速さが違う可能性もありますしね、、、






同じように切り出し画像です。





今度は横に逃げてくれたので1コマ多く撮れました。





時速にすると誤差が出てきますが、分速にすると
おおよそ0.5m/sとなり、1秒間に50cmの速さで飛ぶことが分かります。

そして時速にするとせいぜい2km/hとなり、10km/hではないことが分かりました。




結論

イエバエの飛行速度は2km/h



■追記

その後、初速だけ極端に遅いことに気付きました。
飛行速度を求める場合、ここは入れてはダメではないかと。


というわけで初速を抜いた結果を再計算してみると

1回目


2回目



3回目


となりだいたい3.5km/hとなりました。


さらに1フレームで一番多く動いたとき35.6mmだったので



ここだけ見ると3.8km/hとなりました。


これらから考えると

イエバエの飛行速度は3.5km/hである。


という結論となりました。


大して速くないように思えますけど、
例えばこう考えてみると面白いです。

ハエの大きさは4mm~8mmです。
フマキッズこども研究所より

ヒトの大きさは1600mmぐらいとして
ハエの400倍~200倍もあるわけです。
ハエの飛行速度は3.5km/h(0.97m/s)
であるので1秒間に約1m移動出来るわけです。

そうするとヒトにしたら1秒間に200m~400mも移動するようなものなのです。
めちゃくちゃ速くないですか?^^;