「お弓神事」のすべて/其の三
お弓神事2009 posted by (C)ロコボーイ
【お弓神事(ゆみしんじ)】
福山市無形文化財/毎年二月第二日曜開催
◎開催日/平成23年は2月13日(日)予定
※本来は、旧暦1月7日に行なわれる神事
◎開催時間/14:00~
◎料金/入場無料
◎お問合せ/沼名前神社
さて、神事当日の奇妙な由緒ある掛声(囃子)について・・・
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世話方席から
「出ーかけた、出ーかけた」
という歌うような掛声に、まず大(親)弓主が弓を小脇に抱え、ゆっくりと前に進むと少し遅れて小弓主も同じ要領で前に進む。
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双方対角線上の位置に立つと、世話方席から
「ニーラミヤイコ、ニーラミヤイコ(睨み合う)」
の掛け声に双方正しく礼をする。
そうすると今度は
「急ーそいだ、急ーそいだ」
の掛け声に双方歩みを早め、位置を入れ替わる。
次に
「セーリヤイコ、セーリヤイコ(競合い)」
の声に促され、双方肩を競合う動作をする
「トン、トン、トン、またトン、トンヤ」
双方三歩進み、また二歩進んで最後の左足は強く前方に踏み出す。
「大テヤ、ウノ首、ワースレナ」
で、弦を上に弓を上げ、先端を上より下に廻しながら弓筈を見る動作をし、右足前に弓を立て右手に持ち替える。
「紐トキヤイコ、紐トキヤイコ」
同時に左手で腹部を撫上げるように紐を押し解く。
「アー寒ム、アー寒ム」
左袖を鼻のあたりに当てがう動作。
「アー温ク、アー温ク」
左肩を外し、左肩を曝して片肌になり、弓を射る位置につく。
「ネーロタ、ネーロタ(狙う)」
一段と熱のこもった掛声と共に、まず大(親)弓主が早矢を。
次いで小弓主が早矢を。
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続いて大(親)弓主が乙矢を。
次いで小弓主が乙矢を射る。
矢取は矢を持帰り小姓に渡し、再び的の下へと走る。
小姓は矢を矢筒に収め、これで一回目を終了する。
続いて二回目は小弓主から始め、
三回目は再び大弓主から行い、
それぞれ6本、計12本を射る。
終って袖に手を通し衣装を整え、座に戻り、この後も世話方の掛声(囃子)にて順序を間違えることなく終焉する。
これが、二千年の歴史が育んできた鞆の浦独自の伝統神事である。
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正面の大的が投げ下ろされ観衆は競って奪い合う。
この的の一部をもって家内安全、疫病防除の守り札とする風習がある。
【お礼詣】
神事を終え、所役は一同と共に町内に帰り、小憩の後、裃に着替え、再び行列を整え
「申す、申す、お礼を申す」
と言いながら八幡神社へ参進、無事ご奉仕できたことのお礼と、一年のご加護を祈り、神事全てを終了する。
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大盛況!
「お弓神事のすべて」シリーズ
◎「お弓神事」のすべて/其の一
http://ameblo.jp/thinktomo/entry-10741106081.html
◎「お弓神事」のすべて/其の二
http://ameblo.jp/thinktomo/entry-10741150229.html
◎「お弓神事」のすべて/其の三
http://ameblo.jp/thinktomo/entry-10742546184.html