1958年 松竹 野村芳太郎監督 (張込み)

下岡刑事(宮口精二)の妻役。


1960年 東宝 成瀬巳喜男監督 (秋立ちぬ)・(女が階段を上る時)黒澤明監督(悪い奴ほどよく眠る)


1962年 日活のあの名作(キューポラのある街)ではサンちゃんのお母さん役。


以降 日本映画が誇る名作に出演が続きます。

1963年 東宝 黒澤明監督(天国と地獄)
1963年 松竹 山田洋次監督(下町の太陽)
1965年 東宝 黒澤明監督(赤ひげ)
1966年 日活 今村昌平監督 (エロ時師たち)
1968年 大映 今井正監督(不信のとき)
1968年 ATG  岡本喜八監督(肉弾)
1970年 東映 中島貞夫監督(温泉こんにゃく芸者)
1970年 東宝 黒澤明監督(どですかでん)

大学の事務職を辞めて俳優業に専念すると実家で宣言したところ、父親は(女優とは、美しい女性がなるものだ)と反対して、きんの舞台を観る事無く亡くなったとの事ですが、こうして出演作品を列記すると、改めて菅井きんの凄さが判りますね。

1972年 東宝 熊井啓監督(忍ぶ川)
1972年 東映 深作欣二監督(人斬り与太狂犬三兄弟)
1974年 松竹 野村芳太郎監督(砂の器)
1974年 東宝 熊井啓監督(サンダカン八番娼館望郷)
1976年 東映 深作欣二監督(やくざの墓場くちなしの花)
1977年 東宝 森谷司郎監督(八甲田山)
1979年 松竹 今村昌平監督(復讐するは我にあり)
1985年 松竹 瀬川昌治監督(哀しい気分でジョーク)
1988年 松竹 木下恵介監督(父)
1990年 東宝 伊丹十三監督(あげまん)
1991年 角川 恩地日出夫監督(四万十川)
1999年  東映 大林宣彦監督(あの、夏の日)
2000年 東宝 秋元康監督(川の流れのように)
2004年 WOWOW 大林宣彦監督(理由)
2008年 木下M 榊英雄監督(ぼくのおばあちゃん)主演作品
2010年 SDP  磯村一路監督(瞬またたき)


映画と並行してテレビドラマでも活躍していました。
この頃、お茶の間に顔と役柄が定着するドラマに出会います。
(必殺仕置人)中村主水の姑 中村せん。映画でも同じ役。

大人気ドラマ(太陽にほえろ!)では、ジーパン刑事(松田優作)の母、夫を亡くし女手一つで息子を育てた母親を演じました。
こうして、お茶の間にも浸透してCM出演もします。
1980年代からは、バラエティーにも顔を出してタモリやウッチャンナンチャンとも掛け合いをします♥
1994年には(家なき子)で鬼婆で憎まれ役を演じ切りました。

私生活では、映画プロデューサー(佐藤正之)と結婚。
(砂の器)(八甲田山)の製作で一緒でしたね。
一女をもうけて、夫が1996年に先立ってからは娘夫婦と同居して曾孫の顔も見たとの事です。

2008年の(ぼくのおばあちゃん)で主演するまで数多くの映画・ドラマに出演してくれています。
2010年 NHK大河ドラマ(龍馬伝)・映画(瞬 またたき)に出演以降、女優としての事実上の引退となります。


2018年 心不全で都内の自宅で息を引き取りました。
92歳。
バラエティ番組では20代の頃から老け役で、だんだん若くなってるんじゃないの?といじられていましたね、菅井きんさん。
よくぞ! これだけの映画に出演して日本映画を盛り上げてくれましたね〜♥ 感謝の言葉しかありません。ありがとうございました、合掌。