『エースをねらえ!』はスポ根マンガですが、少女漫画なので(そういうわけでもないとおもうが)ラブロマンス要素が織り込まれています。
主人公・岡ひろみが憧れ、恋するお相手は男子ジュニアテニス界のトッププレイヤーでもある同じ西高の先輩・藤堂さんです。…が、宗方コーチに止められてしまいます。ひろみが恋をしかけていることに気づいたコーチは「恋をしてもおぼれるな。一気にもえあがり、もえつきるような恋はけっしてするな!」と止めに入ります。そして「できればわすれろ」と。
しかしその相手が藤堂さんと知り、彼を呼び出してこう告げます。
「男なら女の成長をさまたげるような愛し方はするな!」
と。これは『エース…』の名言のひとつですよね。
そして藤堂さんはその意味をちゃんと理解します。
後に太田コーチに力づくでも止めるべきなのになぜ止めないかと問われた宗方コーチはこう言っていました。若い時に本物の相手に巡り合ってしまうこともある。相手が藤堂では待たせるしかない、と。それほど宗方コーチは藤堂さんを認めているということですね。スポ根少年漫画の展開だと練習に打ち込んで忘れようとする、でもでも忘れられなくて悩む主人公が少し描かれるか、そもそもそんな展開がない(笑)。あくまでも恋愛要素はラブコメの域を出ないような気がします。でも『エース…』は真正面から取り組みます。ふつうペア成立は何となく最初からお互いに惹かれあってて最後に答え合わせ、というのが少年漫画ですが、少女漫画は成立してからを描くと言われる所以でしょうか。
待たされる恋が辛いというひろみに…。
クリスマスに…。
そしてそんなふたりは最終的には宗方コーチからの許しを得ることができます。
まだ早いのではないか、との太田コーチの意見に、自覚にまかせるとは言ったが何をしてもいいとはいっていない、と言ってましたが、とまれめでたしめでたし、です。実態は物語の展開上の都合(第一部終盤)で宗方コーチの周辺整理(いまでいう終活、ですかね)の一端(あとはお父さん問題とかお蘭問題とか)ではあると思いますが、一応、待たされている間にふたりとも心身ともに成長したのだということでしょう。
(おまけ)
原作以外では新エースにしか登場しない、英さんです。カワイイです(笑)。
昔からこういう、"マリみて"なシチュエーションてのはあったんですね。今なら百合の花満載な背景になりそうです(笑)。
ところでこの百合というのは薔薇に対する百合、だと思っていて、昔々、サムソンとかさぶとかいう専門誌があったのですが(読んだことないですが表紙でなんとなくそれとわかる)その手の専門誌に薔薇族というのがあったと思うのでそこから男が薔薇なら女は百合とした先達がいたのでしょう。そして『セーラー服 百合族』という映画が公開され(これも観たことないですが、薔薇族を知っているとタイトルでなんとなくそれとわかる)徐々に浸透していき、現在では百合姫なるコミック雑誌(あやねること声優・佐倉綾音さんの愛読書といわれていた。今でも読んでるのかな?)が発行されるに至るという…(個人の理解です。本当のところはどうなんでしょうね?)。
(kindle fire capture)
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