新世紀のビッグブラザーへ blog


本日 20:55~21:20 J-WAVE(FMラジオ・81.3・首都圏ネット)「JAM THE WORLD」に生放送出演します
「SPA 11月25日号」P4に、インタビュー記事が載っています。内容はIMFと日本の1000億ドル資金供給についてです。 http://spa.fusosha.co.jp/
「夕刊フジ 11月14日版 韓国経済“崩壊”危機…止まらぬウォン安、年末要注意」にインタビュー記事が載りました。 http://www.zakzak.co.jp/top/200811/t2008111445_all.html

 ウォンの下落が止まりません。
 昨日のアメリカ政府によるシティ救済策発表で、リスク回避姿勢が後退し、欧州通貨や新興経済諸国の通貨が対ドルで軒並み5%超と凄い上げ幅を見せる中、韓国ウォンは対ドルで前日比10.7ウォン高(終値1ドル=1502.3 ウォン、前日比0.7%の上昇)、対円で前日比4.21ウォン高(終値100円=1556.61ウォン、前日比0.27%、極めて幅の狭い上昇に終わりました。
 また、株価の方も今一です。日経平均が\8,323.93、前日比+413.14円(+5.22%)と大きく伸ばす中、韓国総合株価指数KOSPIは983.32ポイント、前日比13.18ポイント(1.36%上昇) と地味な上昇に終わりました。
 添付は韓国ウォンの推移を、豪州ドル、ニュージーランドドル、そして南アフリカランドと一ヶ月のスパンで比較したものです。豪州ドルなどが対ドルでむしろ強含んでいるにも関わらず、韓国ウォンは6%以上の下落と、冴えません。しかも、よく見て頂くとボラタリティ(変動率)についても韓国ウォンが最も大きくなっており、相も変わらず大荒れのKRW相場が続いていることが分かります。
 シティ救済策発表のような派手な好イベントにも関わらず、1ドル1500ウォンを割り込めないとなると、先進諸国の状況とは無関係に韓国からのレパトリ、資金の引き上げが続いているとしか思えません。正直、今日の終値1ドル1500ウォン台は、かなり予想外でした。ボラタリティが大きなKRWの事ですから、一気に7%とかウォン高になると予想していたのですが。
 市場の好イベントへの反応力が、相対的に小さくなってしまったKRW及びKOSPI。これはなぜでしょうか。
 もちろん、理由は一つではなく、幾つもの要因が複合的に影響を与え合っているのだと思います。
 例えば外貨準備高の内訳について、換金がほぼ不可能と思えるGSE債(ファニーメ債、フレディマック債)が含まれているのに加え、「有価証券」として計上されている1000億ドルの詳細が不明であることは、無論、理由の一つでしょう。また、十月末の外貨準備高が前月比で10%以上も減少してしまったことや、「外貨準備は充分だ」と繰り返す割りに、他国との通貨スワップ協定に必死になっているのも、投資家に不安を与える要因に違いありません。
 しかし個人的には、韓国ウォン下落の最大の要因は、主力の輸出産業が悉く厳しい局面を向かえ、今後の貿易収支の改善や純輸出の増加が見込めない。つまり長期的に韓国の経済成長について展望が抱けないことが、最も大きな要因だと思うのです。
 韓国の代表的な輸出産業といえば、半導体、自動車、そして造船などです。これら韓国経済を担っていた輸出産業、揃いも揃って大変悲惨な状況になりつつあります。

韓国経済の大黒柱、輸出が6年ぶり減少の見通し
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/11/19/0200000000AJP20081119002400882.HTML

世界経済沈滞が韓国輸出を揺るがす、10品目で激減
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/11/03/0200000000AJP20081103000400882.HTML

IT輸出6.4%減、6年8カ月ぶりの大幅減少
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/11/05/0200000000AJP20081105001600882.HTML

半導体業界を襲う史上最悪の不況
http://www.chosunonline.com/article/20081122000016

現代・起亜自が減産突入
http://www.chosunonline.com/article/20081125000007

暗雲立ち込めた現代自動車輸出車野積場
http://photo.chosun.com/site/data/html_dir/2008/11/24/2008112401055.html

自動車輸出、9ヵ月連続の下り坂  10月の輸出は前年比4.5%減
http://news.moneytoday.co.kr/view/mtview.php?no=2008110709492077374

‘造船ビッグ3’、2カ月間の受注はわずか4隻
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=107644&servcode=300§code=320

造船:受注減で中小企業の資金繰り悪化
http://www.chosunonline.com/article/20081122000014

 ご存知韓国の外需依存度(輸出対GDP比率)は35%を超えています。その韓国でこれだけ輸出赤信号点灯の報道が連続すると、韓国の長期的な成長に疑問をもたれても無理もないところでしょう。
 韓国の輸出は、先月(十月)までは、曲がりなりにも対前年比で増加をしていました。これが今月(十一月)、ついに減少局面に突入しそうな状況です。韓国の関税庁などが明らかにした情報によると、今月の1日から10日までの輸出金額は、対前年比で25.3%と急減しているのです。減少率は、月末に掛けて徐々に縮小しているとの事ですが、今月の輸出金額の対前年比マイナスは避けられない状況のようです。
 予想通り、世界的な需要縮小局面では、通貨安、即ちウォン安は、輸出企業にとって大した助けにはなっていないようです。わたしが日本経済について「内需!内需!」と、莫迦みたいに繰り返している理由の一つは、ここにあります。韓国のように通貨暴落状態になっても、輸出減少は避けられなかったのです。多少、円が安くなったところで、日本の輸出が大きく回復するなど考えられません。
 そんな中、ついにIMFが韓国の来年の経済成長率予想について、「輸出減速」を理由に2%への引き下げを発表しました。

来年の韓国成長率2.0%、IMFが見通し引き下げ
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2008/11/25/0200000000AJP20081125000700882.HTML
 国際通貨基金(IMF)は24日に発表したアジア太平洋地域の経済見通しで、韓国の来年の経済成長率を従来の3.5%から1.5ポイント大幅に引き下げた2.0%と予測した。先月発表した今年の成長率見通しについては4.1%を維持した。成長率の下方修正は、世界的な金融危機が深刻化している上、先進国経済の低迷で輸出減少が予想されるため。(中略)
 IMFは、世界経済が重大な下降局面に入り、アジアは急激な成長鈍化の危険に直面しているとし、アジア地域の金融市場安定と成長を支援する断固とした措置が必要だと指摘している。 』

 さて、本日はご存知の通り、三橋のJ-WAVE生放送出演の日です。
 ディレクターさんの方から、予め幾つかの質問を受けているのですが、その中に「韓国にとって最善のシナリオは?」という、大変難しい問いがあります。
 これについては、わたしとしては「IMFに融資を申請し、IMFの審査を受け、IMF管理下で経済を立て直す」以外の解を持ち合わせていません。先日も書きましたが、もはやこの段階に至っては韓国にとっての最善の道はIMF申請だと、わたしは本気で思っています。
 なぜならば、IMFに融資を申請すると、IMFがその国の経済状況について、徹底的に調査を行ってくれるからです。つまり、ある種の監査を受けるようなものなのです。
 IMFの審査が終了すれば、韓国の外貨準備高について外国人投資家が抱いている疑念も、綺麗に払拭されることになります。その過程で、幾つか極めて深刻な問題が発生するかも知れませんが、それこそ前任者に全てを押し付け、切り抜けてしまえばいいのです。
 いかがですか、李大統領?
 
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 ※人気ブログランキングの「ニュース部門」でまたまた二位転落してしまいました。皆様のご協力を何卒 m(_ _)m

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