前回は、ルネ・マグリット『光の帝国』現代アート ルネ・マグリット『光の帝国』(←ここをクリックすると飛びます)を紹介しましたが、
今回は、
この絵は、マティス『緑のすじのあるマティス夫人の肖像』です。
この絵を見てどんな感じをもたれたでしょうか。
↓
↓(考え中)
↓
↓
普通僕たちが見ている絵とは違います。
顔の真正面が緑色に塗られています。
顔の向かって右半分は薄い赤色、
左半分は薄い黄色、
髪は濃紺、
背景の右半分は緑、
左の上半分は紫、
左の下半分は赤
とさまざまな色が使われており、現実とは違う色使いです。
それから
色面は、べったりとした平面的。
筆跡は、筆の動きがわかるほどはっきりと残っている。
細部は、お世辞にも丁寧とはいえない塗り方。
これらは、レオナルド・ダビンチやレンブラントに親しいんで来た僕たちにとっては、現実離れ
した色使い、遠近法の無視、粗雑な筆致、大胆なデフォルメ...ととんでもない絵である。
それでは、なぜマチスはこのような色使いをしたのでしょうか。
マティスは、特に色彩については、ただ単に現実らしく見えるように使うのではなく、色彩それ
自体に表現する力があるとみなしました。
とりわけ、人間の内的感情や感覚を表現するのに色彩は重要で、色彩の組み合わせ次第で見る人
は静かな印象を抱くこともあれば、激しい印象を抱くこともあり、色彩の自律的な世界を追究し
た結果だといわれています。
つまりは、マティスは現実を正確に描くつもりは毛頭なかったわけです。
ルネサンス以来、現実の再現を第一義としてきた絵画のあり方とは根本的に違った考え方です。
こういうことで「現代アートは、伝統に縛られない」ということを鑑賞の
一つのヒントにしておきましょう。
現代アートを伝統的な見方で見ようとしなければ「ん?こういうのも面白いかもしれないな」と
興味がわくかもしれませんね。
マティスについては、今年4月から7月まで国立新美術館で開催された「大エルミタージュ美術館
展」において「赤い部屋(赤のハーモニー)」が展示されていたので見られた方もいるかもしれ
ません。
では、その「赤い部屋(赤のハーモニー)」です。
そのほかのマティスの作品をアップしておきます。
参考図書 『現代アート、超入門!』2009年 藤田令伊著 集英社新書
今回は、
この絵は、マティス『緑のすじのあるマティス夫人の肖像』です。
この絵を見てどんな感じをもたれたでしょうか。
↓
↓(考え中)
↓
↓
普通僕たちが見ている絵とは違います。
顔の真正面が緑色に塗られています。
顔の向かって右半分は薄い赤色、
左半分は薄い黄色、
髪は濃紺、
背景の右半分は緑、
左の上半分は紫、
左の下半分は赤
とさまざまな色が使われており、現実とは違う色使いです。
それから
色面は、べったりとした平面的。
筆跡は、筆の動きがわかるほどはっきりと残っている。
細部は、お世辞にも丁寧とはいえない塗り方。
これらは、レオナルド・ダビンチやレンブラントに親しいんで来た僕たちにとっては、現実離れ
した色使い、遠近法の無視、粗雑な筆致、大胆なデフォルメ...ととんでもない絵である。
それでは、なぜマチスはこのような色使いをしたのでしょうか。
マティスは、特に色彩については、ただ単に現実らしく見えるように使うのではなく、色彩それ
自体に表現する力があるとみなしました。
とりわけ、人間の内的感情や感覚を表現するのに色彩は重要で、色彩の組み合わせ次第で見る人
は静かな印象を抱くこともあれば、激しい印象を抱くこともあり、色彩の自律的な世界を追究し
た結果だといわれています。
つまりは、マティスは現実を正確に描くつもりは毛頭なかったわけです。
ルネサンス以来、現実の再現を第一義としてきた絵画のあり方とは根本的に違った考え方です。
こういうことで「現代アートは、伝統に縛られない」ということを鑑賞の
一つのヒントにしておきましょう。
現代アートを伝統的な見方で見ようとしなければ「ん?こういうのも面白いかもしれないな」と
興味がわくかもしれませんね。
マティスについては、今年4月から7月まで国立新美術館で開催された「大エルミタージュ美術館
展」において「赤い部屋(赤のハーモニー)」が展示されていたので見られた方もいるかもしれ
ません。
では、その「赤い部屋(赤のハーモニー)」です。
そのほかのマティスの作品をアップしておきます。
参考図書 『現代アート、超入門!』2009年 藤田令伊著 集英社新書