平成を振り返る・18「鈴木あみ」 | 知らずに死ねぬ程のものではない

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元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

平成を振り返るシリーズ、18回目です。

 

前回モーニング娘。(以降モー娘。)を取り上げたが、そのモー娘。が生まれるきっかけとなったオーディション番組『ASAYAN』出身者といえば僕にとって忘れられない存在なのは、「ボーカリストオーディション・ファイナル」の電話投票で1位となり、小室哲哉プロデュースによるデビューを勝ち取ったあみ~ゴこと鈴木あみ(現・鈴木亜美)であった。あみ~ゴ、この当時高校1年生の16歳。まず一目見て、はちきれんばかりの笑顔とアヒル口が特徴のファニーフェイスがとても可愛かった。そしてボーイッシュなショートヘアーが僕にとってポイントが高かった。とにかくデビュー前の段階からアイドルオーラがハンパでなかったね。

 

 

ただ小室サン、あまりにもアイドル過ぎて決して下手ではないけど飛び抜けた歌唱力と声量があるワケでないあみ~ゴをどう活かそうか困ったのではないかな。小室哲哉があみ~ゴをプロデュースした時の楽曲群にはそういう試行錯誤が伺えたな。それでも小室はキッチリ良曲を作ってくれたし、あみ~ゴも歌い手として成長して行った。「平成10年」7月1日のデビューシングル曲「love the island」は曲調が穏やかで、あみ~ゴの可愛さに寄せたカンジの曲だったな。2ヵ月後の9月17日にリリースされた2ndシングル「alone in my room」は一転してダウナー調に。個人的にはあみ~ゴの曲の中で一番好きだ。で、その次が1stアルバム「SA」に収録された「ボクのしあわせ」。11月5日リリース3rdシングル「all night long」も疾走感があって悪くなかった。

 

「平成11年」になってからは面倒臭い英語曲名が目立ってきたので、曲名をあまり覚えなくなったな。「Don't leave me behind」なんか好きな曲なんだけど、「平成11年」になってから2曲目としか覚えてないからね(苦笑)。

 

この年のフラワーフェスティバルに、あみ~ゴが来たことあったな。これが広島初ステージ。早朝からずっと待ってたな。雨が降っていて、キツかった記憶がある。まあ、ステージが始まってしまえば、「あみ~ゴ!!」となったけどね。同年には全国ツアーがあり、アステールプラザで開催された広島公演にも足を運んだな。

 

あみ~ゴの曲で一番ヒットしたのは、この年7月にリリースされた「BE TOGETHER」。これはかつて小室が率いていたTM NETWORKのカヴァーなので、サウンドがモロTM。オリジナルのボーカリスト・宇都宮隆も声量がある方ではなかったな。だから小室がプロデュースする女性ボーカリストが皆声量豊かなのは、TM時代の反動なのかな、と。なのでこの曲、あみ~ゴの声質にスゴく合っていたと思う。

 

それにしても、9月にリリースした「OUR DAYS」は明らかに高い声量が求められるバラード。それをあみ~ゴに歌わせたのは思い切ったな。あみ~ゴ必死に喰らいつくように熱唱していたけど、お世辞にも合っているとは思えなかった。曲自体は素晴らしかった。

 

来月3月に引退する島根のロコドル小枝咲えーりんは「あざとい、カワイイ」をキャッチフレーズにしていたけど、僕に云わせれば、あみ~ゴこそが「あざとい、カワイイ」を一番体現していたのではないか。あみ~ゴのカワイイを敢えて云えば、計算されつくされたカワイイである。まあ、そもそも「アイドル」とは笑顔、仕草、言動、ファンへの対応全てにおいて自身を如何に可愛く見せることに全力を尽くすものだから、あみ~ゴのカワイイあり方は「アイドル」としてとても真ッ当なことだ。

 

中には敢えてそれを否定して仏頂面で塩対応して破天荒な言動する「アイドル」もいる。僕はそういう「アイドル」がいてもいいと思う。云っておくが、あくまで「いてもいい」だ。ぶっちゃけ「アイドル」こそが「正義」という風潮が僕は気に食わないのだ。

 

2000年(ミレニアム)だった「平成12年」にNHK総合にて放映された『深く潜れ~八犬伝2001』で女優デビューし、いきなり初主演。後に朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』、『ハゲタカ』、大河ドラマ『龍馬伝』を手がけた後NHKを飛び出して映画監督に転身。『るろうに剣心』シリーズ等を撮ることになる大友啓史監督がメイン演出だった。ドラマ自体よく出来ていたし、あみ~ゴは演技ビギナーながら好演していた。でもこのドラマで一番存在感があったのは、当時つかこうへいの秘蔵ッ子だった小西真奈美であった。長身で立ち姿が美しかった上、あみ~ゴに負けず劣らずの可愛らしいルックス。後の活躍ぶりは云うまでもない。

 

2000年もあみ~ゴ突っ走るかなと思ったら事務所との独立トラブルが起こり、長らく芸能活動休止状態となった。この件に関してはあみ~ゴ側が明らかに正しかったし、一方的に事務所側に肩入れしてあみ~ゴを攻撃した芸能メディアは心底クズだなと思った。

 

だがこの休止期間は、あまりにも長かった……。

 

あみ~ゴがようやく復帰した時、僕は既に推し変していた。復帰シングル一応買ったけど、以前程ときめかなかった。正直、待てなくて済まなかったなと思った。

 

あみ~ゴは「平成28年」7月に結婚。翌年1月に男児を出産。現在は母親として子育てしながら音楽活動を続けている。

 

次回に続く。