この人誰?ピカソが描いた7人のミューズ・第2話エヴァ・グエル | スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

スーラ・ウタガワの「画家ごっこ雑記帳」

画家ゴッホではありません、画家ごっこです。

浮世絵名所の再発見をコンセプトに自分の気に入った名所を探して油絵を描いています。

そんなリタイア後の画家ごっこライフや、美術についての受け売り雑話をアップしているブログです。

 

フェルナンド・オリヴィエという

 

幸運のミューズを得たピカソ君はそれまでの陰鬱な「青の時代」を

 

抜け出し「薔薇色の時代」に移り、その才能も世間に認められ出し

 

絵も売れ始めました・・・

 

 

と、ここまでが第1話でした。

 

 

ピカソ君 は自分のことは棚に上げ、嫉妬深い男でした。

 

「街で他の男に彼女を見られるのが堪え難い」な〜んて妄言をいい

 

オリヴィエちゃんが外出することも嫌ったそうです。

 

 

しかし、在る日こっそり抜け出したオリヴィエちゃんが

 

街でばったりピカソ君に会うと、彼は自分の友人のエヴァちゃんと

 

イチャイチャして手を握り合っている所を見つけたのです\(*`∧´)/

 

 

(陰の声:これでオリヴィエちゃんとの7年の暮らしも終わりました(T_T)

 

 

その原因を作った女性がこの方です ダウン

 

 

第2話:オリヴィエちゃんからピカソを略奪した

エヴァ・グエル

 

 

「葡萄の帽子の女」

1913年・油彩・ポーラ美術館

 

 

 

これは何!これ人なの!?

 

やっとピカソ君らしい絵が出てきましたね(・∀・)ニヤニヤ

 

この絵のモデルさんが友人からピカソ君を略奪したエヴァちゃんなのです。

 

 

同じ頃、彼女(?)をもう一枚描いていますよ ダウン

 

 

「マ・ジョリ」

1912年・油彩・ニューヨーク近代美術館

 

「どこがエヴァちゃんじゃい(゚_゚i)」というご感想だと

思います。ピカソ君も少し心配したのか、絵の下部中央に

「MAJOLIe」と書いています。

 

(陰の声:ここっとさん様、MAJOLIeは「私の可愛い人」という

意味でよろしいでしょうか?でも、ひよっとしたらフランス語でなく

スペイン語かもですね・・・(゚_゚i)

 

 

 

そして、このわけのわからん画法こそ、後の絵画に大きな影響を

 

与えた「キュビスム」なのです。

 

 

でも、このままではモデルが誰かわからないままで終わりそうなので

 

エヴァちゃんの写真もアップさせていただきます ダウン

 

 

エヴァ・グエル

 

第一話のオリヴェの友人でしたが、ピカソを

略奪する形になってしまいました。

しかし、彼女がピカソに誘惑されたというの真相らしいです。

 

でも、美人薄命の例にもれず、それからまもなく病気で

天国に逝かれました(>_<)

 

(陰の声:熟女のみなさま「美人薄命」は単なる慣用句

または枕詞ですからお気になさらないでくださいね(^O^)

 

 

しかし、彼女は短いけれどピカソ君のキュビズムの時代の始まりに

 

彼と暮らしインスピレーションを与えた重要な時期のミュースなのです。

 

 

 

 

<付録:「キュビスム」作品のご紹介>

 

 

そもそも「キュビスム」とは何かと説明すると長くなりますので

 

興味のある方はご自分で調べてください・・・σ(^_^;)

 

 

でも、誰も調べないと思いますので、ちょっとだけ触れますと・・・

 

キュビスムには「分析的キュビスム」と「総合的キュビスム」の2種類画あります。

 

 

(陰の声:また始まったよ・・・長いよ(x_x;)

 

 

 

◎分析的キュビスム

 

 

対象を忠実に描く遠近法を捨て、いろんな視点から見たモチーフを

 

いくつもの小さな面(球体・円錐形・円筒形)の集積と見て、それを点・線・面で

 

幾何学的に積み重ねることで再構成する画法。

 

 

(陰の声:要はみたままの写生をしなくてもいいんだ、デフォルメの単純化で

 

新しい形態を作っていいんだとピカソ君やブラックは気がついたのです。

 

これは当時としては絵の概念を壊した革命的なことでしたヽ(゚◇゚ )ノ

 

 

(陰の声:忠実な再現は当時発明された写真にまかせばいいんだ、しかし画家は

 

何をするんだ?という事情も背景にありました((>д<))

 

 

その初期の記念的作品です ダウン

 

 

「アヴィニヨンの娘たち」

1907年・油彩・ニューヨーク近代美術館

 

遠近法や明暗法に基づく伝統的な絵画の約束事を根本から覆した

現代絵画の起点と言われる作品。

さらに、ピカソはアフリカ原住民彫刻のスパイス(?)まで振り

かけています。

 

(陰の声:今は高い評価されていますが、発表当時はボロクソ!

そこの売れない画家さん、今はボロクソでも100年後には評価されて

いるかもしれませんよ・・・頑張ろうね(^O^)/

 

 

その進化形(?) ダウン

 

 

「3人の女性」

1908年・油彩・エルミタージュ美術館(ロシア)

 

幾何学的な切り子面で構成されているキュビスムへより向かう

作品と考えられています。

 

 

 

完成形(行き詰まり形?) ダウン

 

「素人闘牛士」 1912年・油彩

 

いや〜(゚_゚i)どれも同じような作品に見えてしまいますね。

色も似ているし・・・

それやこれやで美術史上は大きな意義のある画法ですが作品と

してはあまり好きではありません( ̄_ ̄ i)

 

 

 

◎総合的キュビスム

 

 

これではイカン!と考えたのかどうか知りませんが

 

ピカソ君とブラックはこれも前代未聞のことを始めました。

 

抽象的になるのを防ぐために、現実の新聞の切り抜きや壁紙、ステンシルによる文字・・・

 

はてはロープやタバコなど日常的なものをキャンバスにベタベタ貼り始めたのです。

 

そうです。今日では「コラージュ」と称される画法ですね。

 

紙だけを使ったものは「パピエ・コレ」と言います。

 

 

(陰の声:これを「総合的キュビスム」と言います。なんでもありだから

 

総合としか言いようがなかったんだろうね(;^_^A

 

 

(陰の声の陰の声:違います!これは概念的、視覚的、触覚的な感覚を

 

混在させ総合しているから総合的キュビスムというんだよ(^_^)v

 

 

 

3人の学士たち

1921年・油彩・ニューヨーク近代美術館

 

イタリアの伝道的な道化芝居コメディ・デラルテがモチーフです。

中央でギターを弾くアルルカンがピカソ君、左で笛を吹くピエロ

は病没した詩人のアポリネール、右の僧侶は修道院に入った詩人

マックス・ジャコブで、この作品は2人の友人へのオマージュで

あると言われています。

 

これらピカソのコラージュは、後年シュルレアリストの画家達に

慕われ新しい画風を生み出す錬金術的作品となりました。

 

 

 

このように面白い作品を次々生み出すピカソ君ですが

 

こんないたずらのような作品も描いています。 ダウン

 

 

「若い娘の肖像」

1914年・油彩・パリ国立近代美術館

 

いろいろな種類の紙を貼付けているパピエ・コレの作品とみんなが

思ったこの絵はすべて手書きの「だまし絵」なのです。

 

(陰の声:まったくある種の愉快犯だね(・∀・)ニヤニヤ

 

 

 

ところで「キュビスム」って日本語にすると立体派なんだけど

 

平面的な感じの作品も多いよね(^~^)

 

この命名は誰がつけたかの逸話も残っています。

 

そのきっかけになったのがこの作品です ダウン

 

 

 

ジョルジュ・ブラック「レタックスの家々」

1908年・油彩

 

ブラックのこの絵を見たマティスが「小さなキューブのような

家だね」と言ったとかでキューブ=立体ということになったそうです。

 

(陰の声:まあ、そんなことらしいです。コラージュもある意味立体

だからいいかな(^ε^)♪

 

 

 

今回はまたまた長々とブログを駄文で埋めてしまいました・・・反省(><;)

 

第3話はピカソの女性に絞って書くようにいたします(多分だけどネ(;^_^A)

 

 

 

<この人誰?ピカソが描いた7人のミューズ・第2話エヴァ・グエル・了>

 

 

 

 

 

スーラ・ウタガワの
私撰:関西名所図絵・美術館のご案内


このブログの各ページで個別に発表した、スーラ・ウタガワ作品の
名所絵を場所別に集め「美術館」と称して再度アップロードしています。


第1室:大阪南部の名所図絵   開室中
第2室:大阪北部の名所図絵   開室中
第3室:大阪湾岸部の名所図絵  開室中
第4室:神戸地区の名所図絵   開室中
第5室:京都地区の名所図絵   開室中

*各展示室へのご入場(アクセス)はサイドバーのブックマークをご利用ください。

以上、ご案内申し上げます。     館長:スーラ・ウタガワ