羊羹の虎屋「虎屋菓寮」で、まさかの日本酒 | sakanoyumeの

    「虎屋菓寮」の日本酒メニュー

     

    先日、一条通りにある上京税務署の帰り道、虎屋菓寮を訪ねた。

    そのことは、タイトル「虎屋菓寮の白梅」で書いています。

     

     

    烏丸一条角の売店と←矢印「虎屋菓寮」

     

    「虎屋菓寮」の雰囲気が好きなので、来客があった時によく利用させて貰っています。

     

    先日、ご紹介した、客席からの景色。

     

    「虎屋の赤飯を美味しく頂きました」と、家庭画報に載っている

    上品なご婦人みたいなことを書きました。今頃、こそばゆい気分。

     

     

    季節の和菓子、お飲み物付きにするか迷った末の赤飯でした。

     

     

    なんせ、羊羹と言えば虎屋、虎屋と言えば羊羹ですよってに。

     

     

    なんや、こそばゆい。どうも、落ち着かない。

     

    「何か隠していることはないか?」

    ハイ!飲みました。

    「何を?」

    日本酒です。

    「虎屋菓寮は甘党の店。そんな見え透いた嘘を!」

    ホントです。一杯だけです。

     

     

    「未成年じゃないのだから、コソコソしなくていい!」

    医師から飲酒は禁じられていますので。

     

    「それじゃあ、飲んだらダメじゃないか!」

    意志が弱いもんで。

     

    「威張ることでない!」

    メニューにありましたのでツイツイ。見て見ぬフリ、知らんプリしたら失礼かと。

     

     

    日本酒のアテは酒饅頭か、羊羹「満寿の露」かな、と一瞬迷いましたが、毅然と寸止め。

     

    何しろ、現在、10キロ減量挑戦中ですので。

    「貴方ねぇ。それなら尚更、飲酒はダメでしょうが」

    すみません。

     

    虎屋一条店で販売している酒饅頭「虎屋饅頭」

     

    11月1日から3月中旬までの季節メニューです。

    「そりゃあ、そそられるわなぁ。よく我慢した。エライ!」

     

     

    「満寿泉ってどこの酒だい?」

    越中富山の酒らしいです。

    「虎屋の饅頭との相性がいいってことなのか?」

    なぜ富山の酒なのか、それは分かりません。

     

     

    「満寿泉のこと、酒蔵のことをもっと知りたいもんじゃのぉ」 

    と、いうことで、あらましを調べてみました。

     

    以下14行、桝田酒造店のHPより

    旭川で創業

    初代桝田兵三郎は、当時岩瀬の五大家と言われていた廻船問屋から妻を迎えた

    長男亀次郎らと共に北前船に乗り、開拓の地 北海道旭川にて酒造業を興した。 

    旭川酒造史に「都松」の商標で最初に登場するのは1893(明治26)年のことである。

    年間1500石と、明治年間としてはとても大きな規模にまで成長するが、亀次郎の妻フデが

    1903(明治36)年の寒波の後、「もう岩瀬に帰りましょう。」と言い出し、1905(明治38)年、

    岩瀬に戻った。岩瀬では「岩泉」という銘柄で始めたが、港の芸者衆にも飲んでもらう為、

    昭和の始め頃、今で言う別ブランド展開で苗字の桝田にちなんだ「満寿泉」というまことに

    めでたい名をつけ販売した。それが成功し、現在は「満寿泉」が主力ブランドになった。

     

    四代目当主桝田敬次郎は、醗酵工学を専攻し大学院に進むが、父の急逝により、

    22歳で蔵を継いだ。1955(昭和40)年代半ば、吟醸酒という個性を放つ酒がまだ

    一般市場で認められていない時代に、生き残りを賭け、吟醸酒造りの道を敢えて

    ハイリスクを承知で選択したが、どんどんのめり込んでいった。

    当時まだ若手の杜氏 三盃幸一は蔵元の良き右腕として、その手腕を大いに発揮した。

    数年後には早くも成果を出し1972(昭和47)年から鑑評会の金賞受賞の常連になった。

     

    「満寿泉」の五代目当主桝田隆一郎さんは、1966年、富山市岩瀬生まれ。

    大学卒業後、留学、就職を経て、家業である桝田酒造店に入社。

    岩瀬地区は、かつて北前船の交易で栄えた。廻船問屋の町屋や料亭の佇まいに

    往時の繁栄が漂う。桝田酒造店はこの界隈のなかほどに蔵を構える。

     

    2004年、桝田さんは岩瀬まちづくり会社を設立。

    古民家や蔵を買い取って、作家の拠点やショップへとリノベーションする活動を続ける。

    「自分のため」「自分たちのため」「日本酒の将来のため」に行ってきたまちづくりの

    貢献が、地域の資産価値を高める活動と称賛され、2014年、富山県と県教育委員会

    から「県民ふるさと大賞」を受賞。

     

    現在の桝田酒造店田尻本店も、取り壊されそうになった築150~160年の名家の

    土蔵群を桝田さんが購入、改修した場所に入っています。

    本阿弥光悦(1558年~1637年)は、江戸時代初期の書家、陶芸家、芸術家。

    光悦は、京都は洛北鷹ヶ峰に職人を集めた芸術村をつくった。

    その光悦芸術村が桝田さんの潜在的な意識にあり、常に美を求める心が動く。

    桝田さんを頼ってきた作家達に惜しみなく、自分の出来る限りの援助している。

    ガラス作家、陶芸作家、彫刻家、漆作家、三味線奏者が訪ねてくると、その度、

    桝田さんは受け入れた。具体的に言えば、岩瀬の家屋を購入、改装して、

    作家自身の経済力に見合った家賃で提供してきた。

    桝田さん自身も、日常的に美に触れ、身銭を切って一級の芸術作品を買い求めている。

     

    富山県富山市の北部にある岩瀬は、海運事業で江戸時代の末期から明治の初期

    にかけて、絶頂を迎えた港町。時代の潮流と共に海運業の勢いが失速、

    人口減は進み、まちの活気は失われていった。(岩瀬郷土史会」の会報に詳しい)

     

    以下6行、内閣府の経済社会総合研究所の会報で、岩瀬まちづくり会社のことが載っています

    独特の建築様式をもつ「東岩瀬回船問屋型家屋」がある大町新川通り(旧北国街道)は

    寂れ、とても商店街と呼べなくなった。1906(明治39)年創業の造り酒屋「桝田酒造店」

    の桝田隆一郎さんは、自分が生まれ育った岩瀬が寂れていく現状を嘆き、将来、子ども達

    が誇れる町に、歴史的資源を活かした魅力ある町にしたい、と具体的に活動した。

    200坪の大規模な伝統的家屋が、若い大工や左官、瓦屋によって次々と修復再生された。

    伝統的建造物が岩瀬芸術村に生まれ変わった。

    伝統的家屋に暮らすのは商人だけでなく、職人やアーティストなど感性豊かな人々が定住、

    文化漂う界隈が誕生した。

     

    (以下5行、リンク 8888 WEBページより)

    リンク8888」は、1801年創業のスコッチウイスキーのリーディングブランド

    「シーバスリーガル」と、1893年創業、品質主義を貫く日本酒の老舗ブランド

    「満寿泉」とのクラフトマンシップの共演によって誕生した日本酒。

    「シーバスリーガル」の原酒の熟成には、12年以上使用したアメリカンオーク樽を使い、

    特徴の異なる「満寿泉」を熟成、ブレンドすることで、「シーバスリーガル」のDNAである

    「アート・オブ・ブレンディング」(ブレンディングの芸術)を見事に体現、特別な味わいの

    酒が完成した。「リンク8888」は、シーバスリーガルと満寿泉との距離、8888Kmに

    因んで命名した。

     

    以下6行、ネスレ日本株式会社のプレスリリースを参考にさせて頂きました
    日本酒キットカットは、2016年からあったが、どこの酒蔵の酒を使っているのか

    分からなかった。2017年発売のキットカット日本酒「満寿泉」は、全国約300の

    酒蔵を巡っているサッカーの、レジェンド中田英寿さんが、お薦めの酒蔵として紹介。

    試行錯誤して出来た逸品。開発に1年以上かけ、さらに「CRAFT SAKE WEEK」で、

    日本酒ファンによる投票も経て、完成。原材料の欄には、粉末酒(清酒、デキストリン)

    と表示。日本酒キットカットは、日本酒「満寿泉」を粉末状にして利用している。

    アルコール使用量は0.4%。「子どもやお酒の弱い方はご遠慮ください」と注意書きがある。

     

    シーバスリーガルネスレ日本とのコラボも、桝田隆一郎さんの人脈から

    生まれた産物。「日本酒を世界に」と頻繁に海外に出かけた成果のひとつ。

    「とらやの酒饅頭」についても、桝田さんの世界的な活躍を知った虎屋の開発担当が、

    満寿泉を採用した。そんなところではないでしょうか。

    もしくは、社長同士が意気投合、トップダウンで決まったのでしょう。

    創業480余年、羊羹の虎屋と、創業127年の酒蔵とのコラボは、

    話題性という意味で面白い。

     

     

    まさか、甘党の店「虎屋菓寮」で日本酒が飲めるとは。

    メニューを見て驚きましたぜ。

     

     

     

    下肢の痺れとの闘い。

    癌患者修行中。