原型師 BOME(ボーメ) | ArtHoLic ~ art & design ~

原型師 BOME(ボーメ)

『ベルサイユ宮殿での村上隆作品展に反対運動=フランス』と言うニュースが載っていたので、

今回は、日本のサブカルチャーについて記載いたします。



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日本が誇るサブカルチャーはなんと言ってもアニメでしょう。


もともとの始まりは、手塚治虫氏、藤子・F・不二雄氏のアニメーションから宮崎駿氏のジブリへと行き、何がどうなったのか、美少女系やロボット系・ビジュアル系へ行き着いたのだと思います。

簡単に言えばオタク文化ですね。


さて、最近『日本携帯のガラパゴス化』という言葉をよく耳にしますが、世界における日本アニメは完全ガラパゴス化、単細胞生物の様に日本の中だけで、おぞましい成長とげてきました。


特に「萌え系」と呼ばれる美少女系アニメの認識は、宜しくないイメージをお持ちの方も多いとは思いますが、海外ではアートとして認識されています。



その発端となったのが、村上隆氏の『Hiropon』。
確か雑誌『 H 』に掲載されていて、当時衝撃的だったのを覚えています。


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『Hiropon』

乳首からでる母乳で縄跳びをする少女。


2002年にニューヨークで開かれたクリスティーズのオークションカタログを飾り、約4,890万円で

落札されて話題になりました。


世界レベルで美少女フィギュアが認識された瞬間でもあります。





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『Miss Ko2』


2003年、ニューヨークのオークションにて56万7500ドル(約5537万円)で落札されました。
当時の日本現代美術作品の最高額をはじき出してしまったんです。





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『Lonesome Cowboy』

裸で白い液体を放出する青年。高さ254cm。

2008年の5月ニューヨークでのオークションにて、なんと1516万ドル(約16億円)で落札されました。





さて、ここまで書いて今回は村上隆氏についてではございません。

原型師 BOOM氏についてです。



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先ほど記載しました『Miss Ko2』は、村上隆氏が描いた“自分なりのフィギュア=KOKOちゃん”をもとに、雛型原型をボーメ氏が(ボーメスケール)1/3.5スケールで造型。この雛型を美術業者が1/1サイズに拡大し、制作されました。



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ボーメ氏は「美少女フィギュア」などと言うジャンルがまだ存在しなかった時代に二次元の絵のイメージを壊す事無く造形するノウハウをゼロから構築したパイオニアに一人です。造形面に注目される事が多い塗装に関しても突出した技術を持ち、エポックメーキングたる塗装技術方を多数生み出しました。


また、彼の美少女フィギュアは、ホビーシーンにおける美少女フィギュアの一般的なサイズは20cm程度ですが、1/4スケール大の大型サイズのガレージキットを制作し「ボーメスケール」と呼ばれるています。


つまり彼は、2次元の世界でのみ存在したアニメキャラクターを、3次元空間に生み出した人なのです。


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私が彼の作品に出会ったのは、

2008年10月『ボーメ~アーティストデビュー10周年記念展~ @パルコファクトリー』です。


私自身アニメオタクではないので、元ネタがほぼ判らない状態で彼の作品を鑑賞しました。

巷でよく見かけるフィギュアにも、海外で人気のフィギュアにも属さないフィギュア達。


人間としてありえないプロポーションながらも、女性的なふくよかな曲線と、ふれたくなるような柔らかな質感は、ただのオタクやアニメキャラクターの域を越え、造形芸術作品として認識せざるを得ませんでした。



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日本においての美少女アニメ(美少女フィギュア)に対する認識はエロスのイメージが先行し、本質のクオリティーの高さが曇ってしまっているのだと思います。


また、冒頭で述べた『ベルサイユ宮殿での村上隆作品展に反対運動』についても、発端に『Hiropon』のイメージが専攻している為と考えられます。



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さて、ここで問題になるのが現在アートとエロスとの関係性。


マルセル・デュシャン氏が『泉』という名の便器を出した時点で現代アートにエロスの要素が噛んできてしまっていますし、現代アートとエロスは切っても切れない腐れ縁のようなもの。


また、『Hiropon』の代わりに村上隆氏がエロス要素0のフィギュアをオークションで出したとするならば、村上隆氏も『美少女フィギュア』も世界における認識は、現在ほど築けているでしょうか。


知名度があるから反対運動が起きる。

芸術的価値があるから、高値で売れる。


サブカルチャーがカルチャーに変貌する瞬間が今起こっているのではないでしょうか。





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キターーーー!!ボーメ×高橋留美子の豪華コラボ実現!!
レジェンドオブ美少女「ラムちゃん」!これは、欲しい!!
11月に不得意なゲーセンに幾らつぎ込むのか…。
見知らぬゲーマーに頼もうかな…。




海洋堂ホビーロビー東京
原型師ボーメによる貴重なガレージキット完成見本はじめ、2002年より展開中のPVC塗装済み完成品「MON-SEUR BOME コレクション」の会えます。買えます。


原型師 BOME

本名は秘密。1961年9月21日、大阪生まれ。
おとめ座だけど、性別はオトコ。血液型はO型。小学4年生の頃より、当時模型店であった海洋堂に出入りをはじめる。
大阪デザイナー学院アニメーション科中退。東京のアニメ撮影会社に就職するも、あまりの労働条件の悪さに(キャベツをかじって飢えを凌いでいた)、3ヶ月で退社。
東京にギャラリーを出した海洋堂でバイトするうちに、いつのまにか社員に。帰阪後、原型師として次々にフィギュアを発表。
アーティストとして海外で評価を受けるが、幹部社員として若手原型師の指導にも定評があり、日曜返上で制作に没頭している。肩書きとしては海洋堂制作部長。
「ボーメ」という名前の由来は、子供の頃から帽子と眼鏡のかわいい男の子だったから。