(2022年4月2日更新: 他サイト様のオールナイトニッポンスーパーマリオブラザーズの調査の結果を
 踏まえて一部を書き換えました)
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ファミコンディスクシステムで一般流通したソフト(つまり非売品以外)の本数は
全199本とされています。
 

が、これには疑問が。
 
なぜなら、タイトル名だけでカウントすると、198本になるのです。
 
1本の誤差が。

ただしこれ、細かいことを言えば、
非売品でこそないけれど、おもちゃ屋やデパート、書き換えなどによる一般販売が
無かったとされるアイアムアティーチャー2本がこの198本に含まれています。
 
このソフトはパッケージにバーコードが存在していないため、
一般の玩具流通には載っておらず、他の手段で販売されていたと思われます。
 
また当時のファミマガをはじめとする各種ゲーム雑誌の発売予定表にもこのソフトは掲載されていません。
つまり当時、アイアムアティーチャーは非売品に近い扱い方をされていました
 
 なので198本に含めていいものかは考え物なのですが…
 
一般ソフトの中にこのアイアムアティーチャーが含まれているのは、恐らく日本初のゲームソフトカタログ本である『大技林』に掲載されたためと思われます。これは非番品を除いた一般販売されたソフトのみを掲載しているのですが、この中にアイアムアティーチャーシリーズがしっかり入っています。そしてこれを含め紹介されているタイトル数をカウントすると198本でした。
なお2003年にリリースされた後継本『広技苑』も同様に198本です。
 
アイアムアティーチャーにこだわるとキリがないので、
今回はとりあえず大技林の掲載分を前提として、198本として話を続けます。
 
 
話がそれましたが、
その全タイトル198本に、何が追加されて199本なんでしょう?
 
ファミ通のディスクシステム30周年記念の記事には全199本のリストが掲載されています。これを確認すると、SDガンダムがパッケージ版と書き換え版とをそれぞれ個別にカウントされていました
つまりSDガンダムが2回登場することで、199本となっています。
 
 
このSDガンダムの書き換え版が元となる198本に追加された時期は、
ファミコン20周年を記念した任天堂全面協力のイベント「レベルX」からだそうです。
時代は2003年。
 
 このあたりについては、
 レトロゲーム総合情報サイト『ファミコンのネタ!!』さんの記事
 
 
 で特集されていますので、ぜひそちらをご覧ください。
 
 
レベルXから16年経過した2019年時点でも、任天堂の公式見解は199本のままです。
 
この任天堂の199本という記載は公式オンラインマガジン『N.O.M』内にあります。
2004年8月号内にディスクシステムの全タイトル数が「199本」との文字が。
 
残念ながら同サイト内にはソフトのリストはないため、どのソフトをカウントしているのかは不明です。ただこのオンラインマガジンの発行はレベルXの翌年なので、イベント時の情報のまま、SDガンダムを個別カウントしているものと思われます。
 
そして現在に至るまで記事の更新や新たな発表は確認できていないので、恐らく公式見解はこのままかと。
 
 
 
ちょっと待ったー
 
 
ここでようやく本題です!
 
上の理由で199本だと、疑問が出てきます

内容そのものにパッケージ版と書換版とで違いを設けてあるソフト、
という意味でSDガンダムを個別カウントしたのであれば、
ほかにも個別にカウントしなきゃいけないソフトが2本あります!
 
 ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲 の書き換え版
 勇士の紋章 ディープダンジョン
 の書き換え版
 
 
 (※上の写真はどちらもパッケージ版です)
 
実はこの2本も、SDガンダムと同じく、
パッケージ版と書き換え版とでゲーム内容に違いが設けられています

SDガンダムがゲーム内容に違いがあることを理由として個別にカウントしているのであれば、
この2本も入れて201本(※)にして欲しいところです。
(※…追記:オールナイトニッポンスーパーマリオブラザーズも追加して202本)
 
  なお、バグ修正程度の違いであれば他の書き換えソフトにも該当するものがありますが、
  それらはあくまでバグフィックスが目的であり、
  ゲーム内容を変える目的で個別にわざわざ制作されたソフトではないため
  今回の「内容の違い」には含めていません。
 
 
さて。
SDガンダムだけを個別に登録して199本とし、他の2本を外した理由については定かではありません。
予想するなら、
 
 1.ゲーム内容の違いの大きさ
 2.違いがあることが有名か無名か
 
 
1.各ソフトのパッケージ版と書き換え版との違いについて。
 
先のSDガンダムはMAPの半分を新規ステージに差し替えています。
ウルトラマンは版権に配慮したのか、原作テレビ版のBGMをゲームオリジナルのものに差し替えています。
勇士の紋章はラストステージのマップを全く新規のものに差し替えています。
 
この3本の中でゲームとして最も大きな違いがあるのはSDガンダムです。
なにせステージの半分を変えちゃってます。
ポケモンの赤緑のように登場するポケモンが一部違うどころじゃありませんっ
 
 
2.違いの存在が有名かそうでないか
 
上の1よりも、こちらのほうが可能性が高そうです。
これ、具体的にはイベントの関係者や関連本の編集者がそもそも「違い」の存在そのものを知っていたかどうかです。
 
SDガンダムの書き換え版でMAPが異なるというのは当時のゲーム専門誌等でも宣伝されていたのでご存じの方は恐らく多いのでしょう。
ウルトラマンの音楽変更は、広告などに小さく文字だけで記載されていた程度で、大々的に紹介はされていなかったようです。
勇士の紋章のMAP変更は一部の雑誌の攻略コーナーで紹介がありましたが、多くの雑誌ではそもそも触れられず。
 
なので199本とした根拠は、本当に他のソフトのことを知らなかった、
というだけのことなのかもしれません。
 
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さて。
というわけでして、私の場合は202本とカウントしています。
※2022年3月頃までは201本とカウントしていましたが、
 これにオールナイトニッポン スーパーマリオブラザーズを加えることにしました。

 詳細は以下のサイト様をご覧いただくとして…

結論としては特殊な通販とはいえ販売していたソフトとして確定したためです。

 
これはベースとなる大技林や広技苑のタイトル数198本に加え、先に挙げた書き換え版とパッケージ版とでゲーム内容にわざわざ違いを設けている3本
つまり、SDガンダム、ウルトラマン、勇士の紋章 の3タイトルをパッケージ版と書き換え版とを別のソフトとして個別にカウントしています。
(※ただウルトラマンの差違である「BGM変更」は、著作権回避のためのやむを得ない変更である可能性もあるため、狙ってゲーム内容をわざわざ変更した、と言うにはちと弱いかもしれませんが)
 
さらにアイテムアティーチャーと同じような特殊な販売方法を取っていたことが確定した、
オールナイトニッポン スーパーマリオブラザーズ(ラジオ通販)も加えています。
 
このため、ウチのホームページ内でも202本を前提としてタイトル一覧やアートカタログなどの紹介コーナーを作っています。(※ただし更新が間に合っていないページもあるため、矛盾する箇所もあるかも)
 
ちなみにアイアムアティーチャーとオールナイトニッポンは、
ウチのサイトでは正直、一般ソフトではなく「非売品&特殊販売品」のほうへカウントしようかなと思ってました。
大技林の区別に合わせてアイアムを一般ソフトの枠にそのまま入れ、
同じような特殊販売ソフトのオールナイトニッポンもそれに倣っています。
が…ちょっと迷っているのも本当。

あ!そうか!
任天堂Webサイトの199本の内訳は、上の201本(※オールナイトニッポンは入っていない)から
このアイアムアティーチャーを除いたものだ~!
妄想
 
 
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ついでに。
 
かなり以前、奇人変人周囲の知人たちに総本数の見解をいろいろ聞いて回ったことがあり、
以下のような見解が集まりました。
そのうち太赤字の2つの説は個人的に推しているものです。
 
 
198本説
複数人がこれを挙げてくれました。大技林に掲載されたタイトル数=本数です。
書き換え版とパッケージ版の区別をしていません。
タイトル名が同じなら内容が違っても同じゲームとして扱っています。
普通に考えるなら、これが一般的か…
 
 
195本説
大技林のタイトル数の198本から、販売ルートが特殊な3本を除外したものです。
 アイアムアティーチャー スーパーマリオのセーター
 アイアムアティーチャー てあみのきそ
 新版 谷川浩二の将棋指南II 詰め将棋・次の一手
いずれも一応販売されてはいたものの、おもちゃ屋では手に入らないものです。
任天堂製品の正規販売店の店頭とディスクライターで買えるもの=一般の製品。
これで手に入らないソフトなら一般品とは言えないんじゃないか、とか何とか。
販路から見るあたり、なかなかマニアック……いや販売手段からの見地こそ本命かも。
普通に買えるソフト、という点で考えればこれか。
 
 
196本説
上の195本の話が出た時に同時に出たのがこれ。
 アイアムアティーチャー スーパーマリオのセーター
 アイアムアティーチャー てあみのきそ

だけを外しています。谷川浩司の新版はカウントされています
特殊な販売方法であったアイアムアティーチャーとは異なり、
谷川浩司の新版は、任天堂自らが店頭のディスクカードカレンダーや広報物で購入方法を繰り返し何度もアナウンスしていたため、一般販売として扱ってもいいんじゃないか、というようなことを述べられました、確か。
聞いてた私はこっちのほうに納得したクチ。
一般的なソフトとしての本数のカウントの仕方としては、これが大本命でしょう。

任天堂製品の正規取扱店(デパート等)で販売していたソフトと、

任天堂自ら購入方法を案内していたソフト。
 
その購入方法は「任天堂へディスクカードを送ってね、それに書き換えて返送します」というもの。
これは実は谷川新版に限らず、他のすべてのソフトが対象でした(パッケージ専売は除く)
ディスクライターがない地域や、販売終了したソフトの書き換え購入手段として
任天堂へカードを送ってねとアナウンスしていました。
 
そう考えれば確かに、これを任天堂の一般的な購入手段のひとつとして数えても良さそうに思えます。
(※ちなみに現代では任天堂から資料が失われているそうで詳しい情報がないそうです。
 なので任天堂のWebサイトにある199本というのは任天堂が自らカウントして定めたものではなさそう)
 
 
 
200本説
ゲームの品番でのカウントです。元販売員の方からのご意見でした。
すべてのソフトには統一された品番(ID・コード)がつけられていて、この品番で店の商材を管理していたそうです。
 
IDは「メーカーコード - ソフト品番」という構成です。「FMC-SMA」とか。
同じタイトル名でも、ゲーム内容に差が設けられているSDガンダムとウルトラマンはパッケージのものと書き換え販売とで品番が異なります。ディスクカードに貼るAB面シールも別デザインになっています。
  ウルトラマン(ULM/UL1)、 SDガンダム(SGW/SG1)
 
おおー!これなら書き替え版も個別のソフトといえるじゃないの!
だけどなぜか、勇士の紋章だけはゲームの内容が違うのにパケも書換も同じ品番です。
そしてディスクカードのシールも同じ。残念…。
 
 
 
202本説
私の現時点での数え方です。
・何らかの方法で購入ができる(=非売品で無い)
・パッケージ版と書き替え版でそれぞれゲーム内容にわざわざ差違を設けて製作されているものは
 別のソフトとして個別にカウントする。ポケモンの赤緑みたいに。
  (もっともポケモンとは異なり、タイトル名自体はパケでも書き換えでも同じですが)
 
ということで、SDガンダム、ウルトラマン、勇士の紋章
の3本をパッケージ版と書き替え版をそれぞれ個別のソフトとしてカウント。
さらに購入方法が特殊とはいえ「販売」していたソフトである、アイアムアティーチャーシリーズ2本とオールナイトニッポン~も加えます。
合計202本。
 
とはいえ理由はいろいろ挙げてみましたが結局のところは私の感覚でざっと分けたものです。
「タイトル名が同じゲームだけど内容が違う」なんてまさしくそうですね。
これを個別の いちタイトル としてカウントするという考え方はたぶん多数派ではなさそう。
(とはいえ2019年時点のファミ通などでは、SDガンダムの書換版とパッケージ版が
 個別のソフトとしてカウントされてはいますが)
 
 
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さて。
ディスクシステムソフト全●本、という数え方、結論付けるなら、一般的に販売していたソフトのうち、固有タイトル名があるソフトで数える(=書換版とパッケージ版の区別はしない)方法である
196本が恐らく妥当なものかとは思います。分かりやすいし!
 
ただこれを「一般的に店頭で買えたソフト(※インターネットもない当時、通販は敷居高め)」に限るならば、谷川新版が外れるため、195本
さらに明確で分かりやすいし!
 
個人的にはポケモン赤緑のようにゲーム内容に狙った差違を設けているかどうかに注目しているので、202本説。
(ただこのうち、ウルトラマンの曲変更はもしかしたら著作権回避のための変更なのかもしれませんから、そうであれば狙ってゲーム内容に差違を設けたというほどではないかもしれませんが……じゃーそれ外して201本で?
ただゲームショップの方の話じゃないですが、ゲームの型番(ID)が変えてあるのは一応気になるところ…
やっぱりそれぞれ個別のソフト扱いで202本で。
とかなんとか考え出すとキリがないなあ本当に)
 
 
でもまあこれ、考え方次第でどうとでもいえますし
決着することのない話なのかも。