●金剛蔵菩薩(こんごうぞうぼさつ)
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 地之巻』より)
金剛界曼荼羅に於いて、弥勒菩薩を含む「賢劫十六尊
(けんごうじゅうろくそん)」の一尊。
別名を「金剛蔵王(ぞうおう)菩薩」、もしくは「秘密金剛」、
「持教金剛」、「立験金剛」。
サンスクリット名は「ヴァジュラキャラバヤ」。
堅固の菩提心(金剛蔵)の主となって一切衆生の世界を
賑やかすとされる。
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上記のような菩薩様です。
こちらも前回に引き続き、真言不明の賢劫十六尊の中の
一尊なのですが、他と明らかに違います。
だともされている点です。
・・・・とはいえ、その具体的なところは本には書かれておらず、
まぁそういうことである としか。
(※金剛薩埵:画像はwikipediaから)
とはいえ、
であれば、御利益も真言もその二尊と同じで良いのでは?
となりますが、
それらは仏尊のその時々の役割によって異なる場合が
ありますので、絶対とは言い切れない上に、その二尊の
御利益と真言が異なるのでどう捉えたらよいものかと・・・・。
で、もし同じと見るならば御利益は、
蔵王権現の
「災禍除去」・「怨敵退散」・「家内安全」・「所願成就」、
になり、また
金剛薩埵の方は以前にブログに上げたものは普賢菩薩と
同じ性格という理由から
「増益」、「延命」、「修行者守護」、「女性守護」
としました。
金剛蔵菩薩の性質が「衆生の世界を賑やかす」ということ
ですので、ほぼ共通項である増益や所願成就はあるかも
知れません。
が、
その他の御利益は、同じと考えるには少々強引な解釈に
もっていかないと今一つ腑に落ちないですね。
・・・ていうか、
御利益だけで見るならば、金剛蔵菩薩ではなく他の二尊と
御縁を深めればいいのですけどね。
(※蔵王権現:画像は文化遺産オンラインから)
前述通り、
金剛蔵菩薩としての真言は不明ですが、
一応 金剛薩埵の真言を上げときますと、
「オン・バサラ・サトバ・アク」
蔵王権現の真言は
「オン・バキリュウ・ソワカ」
または
「オン・バサクシャ・アランジャ・ソワカ」
です。
で、結印ですが、
金剛蔵菩薩としては独鈷杵が必須なようで、
それを用いない方法はよく分かりませんでした。
ちなみに金剛薩埵は(↓)
蔵王権現は(↓)