ゲーム14 | もうわかった・・・全部わかった・・・
「続 初恋物語 ~修学旅行~」

 

 なんだろう、このストレートなネーミングは・・・そして内容もそのままの恋愛シミュレーション。(正確には初恋育成シミュレーションゲームらしい)
 このブログに取り上げる価値があるのか? ・・・いやあるのだ!(またしてもネタバレなので、これからやる人は読まない方が良い)
 これはおととい紹介した「ファーアーウーマン纏組」の中に劇中作として登場している(もちろんCMの為だろう)。正確に言うと文化祭で科学部の出し物のひとつとして、パソコンの中にこのムービーが入っているのだ。ホントにあのゲームの芸の細かさには驚かされる。
 まあそういうわけでどういうものかと思い買ってみた。値段は覚えていないがこれも安かった。
 さっきも書いたように内容は恋愛シミュレーション。ターンの最初にコマンドを選んでパラメータを上げていき、イベントで好感度も上げて、物語の最後に意中の人に告白してパラメータ数値によりエンディングが決まる、というスタンダードな物。
 CD4枚組なのだがその全てが修学旅行の話。それぞれ小・中・高・大編となっている。登場人物は全部で12人。高瀬祐花というキャラクターがこのゲームのメインヒロインで主人公の幼なじみ。それぞれの時代には4人ずつ入っているのだが、彼女は全時代のレギュラーで3人クリアして始めて挑戦できるというシステムだ。まあこれといって感心するようなゲームシステムでもない。(読んでて飽きるでしょ? 書いていても飽きる)
 ではこのブログになぜ取り上げたのか? やはりそれはストーリー・・・というか感性が明らかに男の作ったシナリオではないのである。そこが素晴らしい! なんだか全体的にしっとりしている。
 キャラクターデザインは垣野内成美さんという漫画家さんらしく(私は知らない)、少女漫画タッチだからどことなく男心をくすぐられない(ヒロインは可愛いが)。それぞれのキャラクターのハッピーエンドがほぼ全て主人公との結婚であり、このような考えもどちらかといえば女性的な願望である。
 ゲームの流れはどのキャラクターも同じで、まず主人公が幼なじみのヒロインに好きな子を打ち明ける。すると健気(けなげ)にもヒロインは幼なじみという理由だけでそれを応援してくれて、アドバイザーという形で10人以上の別の女と主人公との初恋成就の手助けをしてくれるのだ。これ以上の献身があるだろうか。しかし、成就する度に彼女は「わたしの初恋は失敗しちゃったから・・・」と言い、その度にこちらの心もとても痛む。こんな後味の悪い恋愛ゲームは見たことない。
 そんなヒロインとは小・中・高・大の全てをクリアしてやっと結婚出来る。(小学校編クリアで結婚エンドだと中学高校はどうしたの?ってことになっちゃうからね)
 そして彼女は最後の最後に言うのだ。「これは、あたしの’初恋物語’なんだって──あなたは、もう気付いているかしら?」
 そう、このゲームは主人公の初恋物語ではない。彼女の初恋物語だったのである。
 それはそうとこのゲーム、やたらと難しく攻略本なしでは最後までたどり着けないであろう。重要なイベントなども何のヒントもないし、上げねばならないパラメータも完全にランダムで、良い数値が出るまでロードを繰り返すという昔懐かしのクソゲー仕様。(失礼・・・)
 それでもこの独特の雰囲気は麻薬のような心地よさがあり、ハマる人はとことんハマっていってしまうという作品なのである。
 ゲーム史上最強の幼なじみ、高瀬祐花さん(特別に3枚!)
 

 

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