アニメ研究家リュードー的「アニ評論」


春アニメ⑤ 『笑ゥせぇるすまん NEW』 

【カテゴリー】
 コメディ

 
【放送局】
 MX


【制作会社】
 シンエイ動画

 

【概要】

 藤子不二雄Aさんによるマンガで1989年にはアニメ化された作品。そのブラックなストーリーと謎のセールスマン・喪黒福造の特徴的なキャラクター性で大人から子どもまで人気となった作品の新シリーズ。喪黒福造役は故・大平透さんから玄田哲章さんへとバトンタッチ。

 

【ストーリー】

 私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん。ただのセールスマンじゃございません。私の取り扱う品物は心、人間の心でございます。ホーホッホッ。この世は老いも若きも男も女も、心のさみしい人ばかり、そんな皆さんの心のスキマをお埋め致します。いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。さて、今日のお客様は一体どんな人なんでしょうねェ…ホーッホッホッホッ・・・」これはあなたにも起こるかもしれない物語。「ドーーン‼︎」


【視聴評論】

≪ストーリー≫

・相変わらず喪黒さんのキャラクターが濃すぎて、とにかくインパクトある伝説の作品が復活してくれたことを本当に嬉しく思うね!!

 

・社会の闇をブラックに描いたストーリーが昔も今も変わっていなくて、働いている人のストレスや悩みをズバッと切り込んでくるのが痛快でいいんだよねー。

 

・喪黒さんがいきなり登場するシーンが毎度毎度びっくりするし、そのシチュエーションが面白すぎてかなり好き。この1シーンだけでもピックアップして見る事ができたら楽しいのに!

 

・30分の放送時間の中で2本立てという古きよきアニメ時代の構図がとっても素晴らしい!!5分以下のショート作品が激増している中で、長すぎず短すぎず、ちょっとアニメみたいなーっていうときに絶妙な時間が最高!!しかも基本は各話完結だから1回見逃しても付いていけなくなるっていう悩みもないし。

 

・このシンプルさって今のアニメ作品には殆どないよね。どうしてもビジネスベースになると音楽やキャラ販売まで色々戦略が入ってくるから複雑になってしまうけど。昔のこーゆー作りの作品って、何も考えず普通に楽しめたなー。気楽だし。

 

・どのストーリーでも主人公になるダメサラリーマンやOLがいるんだけど、そのキャラクターの個性を殺すほどの喪黒さんの個性って凄すぎる。昔は帽子かぶったままの喪黒さんばかりだった記憶があるけど、NEWではちょくちょく帽子を脱いでセンターぴっちり分けの姿がでてきて、この絵面のインパクトっていったら背景とかストーリーを忘れさせるよね。

 

・いろんなアニメキャラクターを見てきたけど、これだけ個性というか印象強いキャラクターは喪黒さん以外いないかも。www 昔見ていたから本当に懐かしすぎて懐かしすぎてストーリーの面白さよりも喪黒さんに釘付けになっちゃう。

 

・見ていてなんだかスカッとするんだよね。こーゆー風になっちゃだめだーって。www それを喪黒さんが「ドーンッ!」って言って戒めてくれているみたいで。見終わったあとのすっきり感がとっても好き。

 

・オフィシャルサイトでの『ドーンッ!!』ボタン企画がシンプルだけど面白い♪www 

http://warau-new.jp/cp/button/  昔の『へぇ~』ボタンみたい。

 

≪描写≫

・キャラクターや背景にいたるまでとにかくシンプル。藤子ワールドのシンプルさが懐かしさを感じさせるんだよねー。顔とかシンプルなんだけど個性があって。美しい訳ではないのに記憶に残るのが素晴らしい。

 

・喪黒さんがNEWになってもそのままのふてぶてしい感じに描かれているのが本当にいい!!歯を全面に見せちゃう感じとかかなりすき。

 

・今のアニメ描写って本当に複雑で美しくていいんだけど、コレくらいシンプルでもいいと思う。キャラクターに個性出てくるし。目とか点でも何とも思わないし。だって実際に人間ってそれくらい違いあるでしょ。ww みんな綺麗な顔で目がでかくてっていないんだから。

 

・色の濃淡がハッキリしているのが見ていて飽きさせないんだよね。カットごとのアングルもインパクト合って、足元UPのみとか喪黒さんの顔UPとか、視点がオリジナル感溢れていていいなー。

 

≪音楽≫

・OPが他の作品とは一味違うちょっぴり妖艶さをかもし出しているのがとっても作品にピッタリ!!NakamuraEmiさんの「Don’t」って、喪黒さんの「ドーンッ!!」に合わせているんだろうね、きっと。絶対にそうだよね??それはアニファンとして深読みしすぎ?ww Nakamuraさんが作品の為に書き下ろしたんだから絶対にそうに違いない!


・EDが高田純次さんの「マライアを超えましたね」。いやーー、もう作品も楽曲もギャグ一本で面白すぎる!!

 

・SEやBGMの当て方がメリハリあって聞いているだけで楽しい。悩めるキャラクターの心情変化を上手く音でナビゲートしつつ、でも出過ぎない感じがさすがだなー。

 

 

【ターゲット】 30代~60代(藤子作品で育った人は懐かしさ満点) 

【おススメ度】 ★★★★★


【番組HP】 http://warau-new.jp