最近、庭のセイヨウナシにイラガ類が発生しているので、毎朝適当に駆除しています。イラガ類の幼虫は、苛蛾(イラガ)の名の通り、体が毛ではなく樹状の棘に覆われています。
バラ科をはじめとしたさまざまな樹木の葉を食害し、「刺されると日本で最も痛い毛虫」とも言われます。その激しい痛みから「キントキ」「オコゼ」「デンキムシ」などの俗称があります。
この樹では今までに4種類のイラガ類を見つけました。今回はその内のアオイラガとヒロヘリアオイラガを捕獲したので、観察・比較します。
アオイラガ[Parasa consocia]。左側が頭部。体の両端に大きな棘が目立つ。
ヒロヘリアオイラガ[P. lepida]。右側が頭部。棘のサイズ差が小さいため、全体的に路面電車のような雰囲気がある。外来種ということでアオイラガより知名度があることも。
アオイラガの前部の棘は黒くて大きい。
ヒロヘリアオイラガではオレンジ色で小さい。
見た目は中々美しいので、刺さなければ飼育者が増えたかも。毛ではなく棘なのも嫌悪感が薄れるだろう。タテハチョウの仲間は刺さない棘イモムシなのでオススメ。
棘は毒液を纏ってキラキラしている。つつくと棘と言う棘から毒液が滲み出る。
小さなうちは葉の裏側に集まっている。成長して散る前に捕殺できるかどうかが重要。
幹を歩いていることもよくある。イラガの発生した樹木の近くでは手を衝く場所にも注意したい。
うっかり刺された(白い箇所)。折角なら経過を撮影しようと思っていたが、処置(流水と石鹸、抗ヒスタミン剤)が良かったのか数分で痛みも痒みも無くなった。
痛みレベルは似た痛みだと言われているハチより少し弱いくらいでしょうか。過去に4種のハチ(どれも悪戯した結果)に刺されましたが、そのどれよりも弱い気がしました。もっとも、ハチには何年も刺されていないのでアテになりません。
ついでにゴマフリドクガ[Somena pulverea]の幼虫も発見。卵~成虫まで毒毛で身を守るすごい奴。
これまでにここで見つけたイラガ類はあとスタンダードなイラガとキマダラテングイラガです。見つけたくない気持ちもありますが、キマダラは今年も見たのでまだどこかにいるでしょう。うまく捕獲出来たらまたブログに載せるつもりです。