レディ・Cがオーランド・ブルームとの2ショット撮影に成功! その舞台裏―― | プロレスライター新井宏の「映画とプロレスPARTⅡ」

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オーランド・ブルームとの撮影でご満悦のレディ・C(本人提供写真)

 

 2016年から毎年開催されている日米ポップカルチャーの祭典「東京コミコン」が大阪に初上陸。「大阪コミコン」が5月5日から7日までの3日間でおこなわれ、女子プロレス・スターダムが昨年11月に引き続き試合を提供した。

スターダムは7日に、上谷沙弥&AZM&天咲光由組vs羽南&鈴季すず&星来芽依組の6人タッグマッチを披露。ここで上谷らクイーンズクエスト(QQ)のセコンドについていたのが、メンバーのひとり、レディ・Cである。

昨年11月の東京コミコンでは試合に出場したレディ。だが、今回試合は組まれていない。それでも、セコンドにつくため巡業を離れ大阪にやってきた。実はセコンド以外にも、非常に重要なパーソナルミッションがあったというのだ。

それは、小学生の頃からあこがれていたハリウッドスター、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのオーランド・ブルームに一目会うこと。とはいえ、「大阪コミコン」のため来日すると事前に知っていたわけではないという。イベント後、本人のツイッターではオーランド・ブルームとハグする写真があがっていた。ということはミッション成功。奇跡的遭遇は、果たしてどのようにして実現したのだろうか。

「去年11月に東京コミコンで試合に出させていただいたときは、早めに会場入りして展示を見たりしてました。そこで、海外の大物スターが来日してサイン会や撮影会をするというのは、なんとなく知っていたんですよ。それで今回、大阪コミコンにQQが試合に出るということで、セコンドに誰もいないと大変だから自分が行こうかなと思って、イベントについて調べてみたんです。そしたらオーランド・ブルーム様の名前があって! そこから慌てて飛行機取ってチケット取って。巡業中の下関で知ったんですけど、そのとき私、ジャージーしか持ってなかったんですよね。この格好じゃオーランド・ブルーム様に会えないと思って、現地でジャケットとか服を買い、準備しました(笑)」

スターダムは4月29日からゴールデンウィークシリーズに突入。名古屋から始まり4・30福山、5・3下関、5・4福岡、5・5熊本、5・6鹿児島と連戦をおこなっていた。 

レディがオーランド・ブルームのイベントに気づいたのはシリーズの真っ只中だ。しかも、自身が参戦ではないとはいえスターダムの試合が組まれている。セコンドに着くという体で、レディは巡業から一時離れ、QQの選手たちと大阪に向かったのだ。ところが、いざ行ってみるとかなりの綱渡りに…。

「飛行機が遅れてしまって、会場到着が予定より1時間近く遅れてしまいました。慌ててメイクを直して走って、オーランド・ブルーム様のイベントの列に並んだんです。それが、試合開始の30分前でした」

 ツーショット撮影を待つ列はスムーズに進行した。15分くらいでレディに順番が回ってきたという。これなら試合開始には間に合うだろう、と思いきや、撮ってもらった写真を受け取る列ができていた。プリントされた写真をもらってはじめてイベントが終了できるのだ。試合開始の時間が刻一刻と迫っている。

「写真を受け取ったのが14時59分でした。そこからジャケット脱いでダッシュしてリングに向かったんです。ちょうど(天咲)光由が入場するところで、なんとか間に合ったって感じですね(笑)」

 そのとき、夢見心地でリング下から試合を見守っていたであろうレディ。夢に見たオーランド・ブルームとの邂逅はどうだったのだろうか?

「自分の順番が回ってきた瞬間、向こうから『コンニチハ』みたいに言ってくれて、私は『こんにちは』『アイラブユー』と言ってハグして、写真を撮ってもらって、『ありがとう』と言って別れるんですね。『こんにちは』『アイラブユー』『ありがとう』、この三つしかしゃべってないですけど、これで十分です(笑)。自分が初めて見たときはまだ若かったですけど、40代半ばのいまでも昔の面影を残してて、いい歳の取り方をしてるなって思いました。すごくカッコよくて、すごくいい香りがしましたね(笑)。映画(「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ」)は何回も繰り返し見ています」

 そしてレディはGWシリーズ最終日の5・9大阪大会に向けツアーに再合流、無事に巡業を終え、2週間ぶりに帰郷した。かつての全日本女子プロレスなら当たり前かもしれないが、いまの時代に2週間の地方巡業はかなりのロングラン。それでもレディは、「オーランド・ブルーム様に会うために遠征頑張れたなっていう気持ちでしたね(笑)。連戦でけっこう疲れてたところはあったんですけど、オーランド・ブルーム様に会えて、そこから一気に元気になりました。毎晩写真を眺めてニヤニヤして、元気をもらってます!」

 9月には新作『グランツーリスモ』(23年)の公開が控えるオーランド・ブルーム。ちなみに、映画初主演はスポーツコメディ『チャンピオン 明日へのタイトルマッチ』(04年)だった。この作品でボクサーを演じたオーランド・ブルーム。レディがプロレスラーと知ったら、どんなリアクションを見せてくれるのだろう? とにもかくにも新作公開時、レディがあの写真をもって劇場に足を運ぶことは間違いない。