■神奈川工科大学 (私立・神奈川県厚木市)

 

懐かしの大洋ホエールズ(現・ベイスターズ)のオーナー会社、大洋漁業(現・マルハニチロHD)が作った大学だ。

 

というと、潮の匂いと汗しぶきをイメージしてしまうが、行ってみるとおしゃれな近代建築と現代建築の巣窟なのであった。

 

石上純也設計のKAIT工房が有名だが、僕としては図書館がもっとも素敵だと思う。

 

 

小田急線本厚木駅からバスで20分ぐらい。

 

正門から入ってまっすぐ行くと、中央緑地公園が目の前に広がる。清潔な中庭だ。

 

 

右手に絵に描いたような現代建築の先進技術研究所。

 

 

左手は端正なモダン建築の図書館。

 

 

後ろにはシンボルタワーの情報学部棟と、学生サービス棟。

 

 

 

そして目の前にはキャンパス自慢のKAIT工房が、ででんと(軽やかに?)構えていらっしゃる。

 

 

2008年竣工。石上純也設計。妹島和世事務所から独立してすぐの作だそうだ。

 

建築界のノーベル賞ことプリツカー賞の審査員たちが、イベントか何かのついでに見学ツアーで立ち寄ったこともあるという、たいへんに話題の建物である。

 

学生がもの作りの作業場として自由に使える工房施設で、見ての通り金属とガラスの温室だ。

 

「別に普通の温室でもよくない?」「夏は死者が出そう」とか、いろいろ言われそう。

 

賛否両論を呼びそうな建物ではあるが、僕はイイネ!と思った。建物単体ではなく、中の使われ方と込みで。

 

外から見ただけ、しかも人が中にいない状態で見ただけなんだけど、透明なガラスの向こうに見えるのは、雑然と、それでいて使っている本人たちにとっては使いやすく整然とばらまかれた荷物だ。

 

それが、それぞれ孤立して、あるいは隣のそれと微妙に重なり合いつつ、雑然とした全体を作り上げている。

 

人が中にいなくても、荷物が置いてあるだけで、生き生きとした躍動感を感じた。不思議なことに。

 

さて、ほかにも見所はいっぱいある。

 

学生食堂でもある幾徳開館。

 

 

鏡張りのC5号館。

 

 

キャンパスの中では古参の部類に入るであろうC2号館もいい。

 

 

 

色遣いもなかなかカラフル。D5号館とかE1号館、良いですね。

 

 

まだ季節ではなかったが、桜並木も期待できそう。

 

マップでは教職員駐車場になっている部分は学生寮になっている。

 

まあ、アリかな?僕は嫌いではない。

 

とにかく見所たっぷりのこちらの大学、学生数は5300人、面積は13万平米ちょっと。

 

ぜひ一度。