昨日の11月22日、宮城県仙台市を中心とするコースで 『クイーンズ駅伝』 (第40回全日本実業団対抗女子駅伝)が開催されました。

 

 

 

 

大会前の順位予想では、日本郵政グループ優位で、積水化学が追う展開との意見が圧倒的に多く、上位にはワコール、ダイハツ、天満屋、資生堂、デンソー、ヤマダなどの名前が挙がっていました。

 

 

 

 

 

レースは序盤から日本郵政グループと積水化学の一騎打ちとなり、積水化学が今回初参加の卜部蘭選手と新谷仁美選手の活躍で5区の中継点では1分以上の差を付けました。

5区では故障の影響が心配された鈴木亜由子選手が区間1位の走りで逆転し、最終的には1分以上の差をつけて日本郵政グループが2連覇を達成しました。

 

名前が挙がっていなかったものの、各選手が安定した走りをした豊田自動織機が3位に入りました。大健闘といっていいと思います。

 

4位ワコール、5位デンソー、6位ヤマダという結果になりましたが、予想上位のチームが順当に入っています。

 

今回の結果について、私自身は区間距離の長い3区と5区のタイムで順位がほぼ決まったのではないかと予想していました。

 

 

 

今回、上位予想のチームの中でデンソー、天満屋、資生堂が来年の大会のシード権が与えられる8位以内を逃しています。昨年シードを獲得した三井住友海上も同様です。

ちなみに、8位の九電工と13位の三井住友海上の差は1分5秒でした。

 

予想通り3区と5区の合計タイムの早いチームが8位までに入っています。ダイハツと三井住友海上はこの区間でトップの日本郵政グループに3分以上の差をつけられています。

天満屋と資生堂はトップと2分差ほどの8番目、9番目とシード権ドギリギリの順位ですが、それぞれ1区とアンカーの走者がブレーキとなり、シードには届きませんでした。

 

クィーンズ駅伝でクイーンズ8(シード権)を獲得するためには、距離が長い3区と5区を確実に走れる選手が2人は必要といえます。

積水化学のように、新谷仁美選手のようなとんでもない記録で走る選手がいれば別ですが、例外といっていいでしょう。

 

1人だけ早い選手がいたとしても、クイーンズ駅伝ではチームとしての結果は出せず、よくいわれる2枚看板が絶対条件といえると思います。

 

今回4位に入ったワコールですが、アンカーの38歳の福士加代子選手が区間2位と、区間賞の日本郵政グループ 大西ひかり選手とわずか4秒差の好走をしました。

駅伝は今大会がラストランということですが、ゴール前で豊田自動織機の藪下明音選手に1秒差でかわされ、4位と有終の美を飾れなかったのは残念です。

 

テレビ中継ではゴール後に福士選手が抜かれたことに絶叫しており、このシーンを見た解説者の増田明美さんが 「薮下何で抜くんだよ~と文句をいって笑いに変えそう」 といっていましたが、深夜のS☆1の番組の中で、福士加代子選手のゴール後の姿があらためて紹介されました。

 

チームメイトに対しては、「ごめんなさ~い、まじごめ~ん、あたしが嫌だぁ~、もお~、悔しい~、ばか~」

 

そして、ゴール前で抜いた豊田自動織機の薮下明音選手に向かっては、「もう!!抜くんじゃないよ」 、「このー!!」 、「 覚えてろよ、絶対覚えてろよ  豊田自動織機」 と絡んでいました。

増田明美さん正解!というところですが、薮下選手は爆笑していました。

 

第104回日本陸上競技選手権大会・長距離種目 エントリ―リスト

 

11月20日に、12月4日に開催される日本選手権 長距離のエントリーリストが発表されました。福士選手は10000mにエントリーしています。

来年の東京オリンピックを目指していると思いますが、実現すれば5大会連続出場と異例の記録となります。

 

 

 

現スポーツ長官の室伏広治さんは4回連続で出場していますが、2016年のリオオリンピックでは選考会の日本選手権に出場したものの、5回連続はならず、この大会後に引退を表明しています。

 

福士加代子選手は来年の3月で39歳になりますが、東京オリンピック出場に向けて、競技を続けることになると思います。

 

東京2020オリンピック競技大会 男女5000m・10000m・3000mSC日本代表選手内定について

 

東京オリンピックの選考基準が8月に発表されていますが、12月4日の日本選手権の優勝者で、すでに参加標準記録を突破している選手は内定となります。

 

現時点で女子長距離種目で参加標準記録を突破しているのは、5000mの田中希実選手、廣中璃梨佳選手、5000mと10000mの新谷仁美選手の3名のみです。

これ以外の選手選考についてはまだ未定ですので、福士選手にも出場できる可能性は残されています。

 

今回の駅伝では年齢を感じさせない素晴らしい走りを見せてくれましたが、駅伝を引退ということは、競技自体についても近い将来にということになりそうです。

 

福士加代子選手は長年にわたり日本の長距離界を引っ張ってきた功労者ですが、自身の納得がいくまで競技を続けてほしいと思います。