2020.3.17

一日一季語 牡丹の芽(ぼたんのめ)  【春―植物―初春】

 

 

すでにして大器の気配牡丹の芽       飯田久美子

 

*2020.3.8  板橋区 赤塚公園にて

 

この牡丹の芽は、擬人化のようにも感じます。

或いは、牡丹そのものの立派な姿なのか。

すべては、詠み手の受け止め方次第なのでしょうね。

 

 

【季語の説明】

牡丹は寒気に強いために、他の植物に比べ芽吹くのが早い。枝の先の燃えるような赤い芽には力強さを感じる。

 関連季語

→ 牡丹(夏)

 

 

【例句】

青空のままの一日牡丹の芽             環順子

牡丹の芽ぐうちょきぱあとゆるびけり        池田かよ

名苑の一隅点す牡丹の芽              石渡芳枝

骨組みの整ひてきし牡丹の芽            鹿志村正子

参道の風まだ荒し牡丹の芽             石橋萬里

 

 

【牡丹の名前の由来など】

「ボタン(牡丹)」という和名は、中国の花名「牡丹」をそのまま使ったものです。ボタン(牡丹)と同じころに日本に伝わった漢音(中国北方系の読み方)では、「牡」は「ボウ」と発音するため、当時は日本でも「ぼうたん」と呼ばれていました。

今でも俳句や短歌などの世界では、「ぼうたん」は健在です。

 

奈良時代に中国から渡来した落葉低木。寒さに強く、冬の間から地中で活動を始め、早春に芽が膨らむ。朱色の太い芽には生命力があり、春の到来を教えてくれる。

艶やかな大輪の花を咲かせるボタン(牡丹)は、古代から文学や美術の世界に影響を与えてきました。つけられた花言葉も、その圧倒的な存在感がインスピレーションの源だったことがうかがえます。一方で西洋の花言葉は、豪華さとは別の魅力を象徴するものです。

 

 

花言葉

「風格あるふるまい」「王者の風格」「富貴」「高貴」「壮麗」などがあります。これらは、絹のような花びらが幾重にも重なる優雅でふくよかな花姿や、隋の煬帝や唐の玄宗皇帝らに愛されたという逸話にちなんでいます。

 

 

立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花

女性の美しさを形容することわざにも使われているくらいですから、日本ではボタン(牡丹)を女性的な花ととらえている方が多いと思います。そうしたなか、「王者の風格」という雄々しい花言葉が与えられたのは、「牡」の字に引っ張られた可能性もありそうです。

 

あるいは、唐時代の呼び名「花王」「百花王」から派生したのかもしれません。これらの呼称は、宮廷の庭を飾る園芸植物の中でボタン(牡丹)がもっとも愛され、尊ばれたことから生まれました。宮廷に招かれた詩人たちは、皇帝ではなく、その妃を「花王」にたとえていますから、「花王」の「王」は“キング”ではなく“王者(チャンピオン、覇者)”の意味なのでしょう。

 

 

今日は何の日

月斗忌

俳人・青木月斗の1949(昭和24)年の忌日。

 

薔薇忌

小説家・評論家の塩月赳の1948(昭和23)年の忌日。

太宰治の『佳日』のモデルで、塩月の死の3箇月後に太宰が入水自殺した。

評論集『薔薇の世紀』から薔薇忌と呼ばれる。

 

漫画週刊誌の日

1959(昭和34)年のこの日、日本初の少年向け週刊誌『少年マガジン』『少年サンデー』が発刊された。

当時は読み物が中心で、漫画は少ししか載ってなかった。

 

 

主な出来事

624

    マホメットとメッカ軍の最初の戦い・バドルの戦い。マホメット軍が圧勝

1616

    徳川家康が太政大臣に任ぜられる

1830

    ショパンがワルシャワで独奏会を開きピアニストとしてデビュー

1945

    米軍が硫黄島全島を占領。日本軍23千人のうち捕虜になった210人を除く全員が戦死

1987

    アサヒビールが「スーパードライ」を発売

1990

    千代の富士が194か月で通算1000勝を達成

 

 

誕生日

363

    劉裕(武帝) (宋の皇帝(初代))

1898

    横光利一 (小説家『上海』『旅愁』)

1898

    横光利一 (小説家『上海』『旅愁』)

1923

    船越英二 (俳優,船越栄一郎の父)

    戸籍上は06/17

1946

    マギー司郎 (マジック漫談師)

1968

    新田恵利 (歌手,タレント(おニャン子クラブ[脱退]))

1995

    早見あかり (女優,タレント(ももいろクローバー[脱退]))

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)