2020.1.19

一日一季語  枯芝(かれしば) 【冬―植物―三冬】

 

 

芝枯れて庭の隅々まで黄なり      山口波津女

 

*2020年1月17日の新宿御苑にて

 

新宿御苑の年間パスポートを昨年12月に作成した。それまでの入園料が300円だったが、500円に値上げされたことと、年間パスポートは価格が据え置きで3,000円だったことに背中を押された。

年に6回なら十分に元がとれると考えた、せこい考えもある。

17日に入園したら一面枯芝の景であった。

この句をみて、共感出来ました。

 

 

【傍題季語】

芝枯る(しばかれる)

 

 

【季語の説明】

家の庭や庭園の枯れた芝生はまさに冬ざれの景だが、晴れた日にはどこかぬくもりを感じさせる。

 枯れた芝生のこと。庭の芝も野生の芝も言う。きつね色で、日のあるときはあたたかそうな感じだが、日のないときは寒々しくわびしい感じがする。

→ 若芝(春)

 

 

【例句】

をとめ羨し枯芝にまろび芝着けて     及川貞

枯芝を焼きたくて焼くてのひらほど    西東三鬼

枯芝に柩の夫を連れ還る         横山房子

身に一ぱい枯芝附けて若返る       右城暮石

枯芝に障子開けたるまま夜に      岸本尚毅

 

 

 

【芝の種類】

まず芝生の種類は大きく「夏芝」と「冬芝」に分かれます。温暖な地域に適した「暖地型芝草」=夏芝、寒冷地に適した「寒地型芝草」=冬芝です。日本芝は暖地型芝草(夏草)で西洋芝には寒地型芝草(冬芝)と暖地型芝草(夏草)両方の品種があります。

 

 

暖地型芝草(夏芝)は高温多湿や乾燥に強く日本の夏、30度以上でも成長します。日本の秋から冬、10度以下になる11月〜3月頃には地上部の葉が褐色に枯れ休眠状態となりますが春になるとまた成長を開始します。代表的な夏芝は日本芝のノシバ、高麗芝、西洋芝のバミューダグラス、ティフトン。タイル状の「切り芝」を敷き詰める「張り芝」で芝生を作るのが一般的です。

 

寒地型芝草(冬芝)は日本の冬でも常緑を保ちます。日本の春と秋、15度〜20度で成長し25度以上と5度以下で成長が止まりますが葉は枯れません。暑さには弱く「夏枯れ」の危険があります。代表的な冬芝は西洋芝のベンドグラス類やブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類があります。種を撒いて芝生を育てるのが一般的です。北海道や東北などが生育に適しています。       

 

 

【主な芝の特徴】

 (1)ノシバ

 日本でも広く自生している芝で、東北や中国、九州などの山地に自生しています。現在では自然のノシバを採取して用いることは困難なので、栽培ノシバを利用します。元来、張芝を主体として芝生をつくるものですが近年は海外でタネを収穫して、発芽促進の処理を施したものがわが国に輸入されています。「ゼニス」などアメリカ産の改良種のタネも入ってくるようになりました。

 

 

(2)コウライシバ

 コウライシバは、わが国の夏芝の代表的なものといえます。現在日本でコウライシバとして流通しているものは、ほとんどが厳密にはコウシュンシバという種類です。ややかたい感じを与えますが、日本の風土にあった夏芝です。コウシュンシバのうち小型のものをヒメコウライシバなどと呼び、大型のものをチュウシバ、コウライシバと呼んでいます。

 

(3)バミューダグラス

 旱(かん)ばつや暑さ、すり切れ、踏み付けに非常に強い芝です。国立競技場をはじめ、スポーツターフや人の出入りの多い公園などに利用されています。

 

(4)センチピードグラス

 和名でムカデシバといい、ムカデのようなランナーで拡がります。粗放管理にも耐え、一度定着すれば10年以上も地面を被覆してくれるので、最近では畦畔のグランドカバーや法面保護の植物として注目されています。

 

 

今日は何の日

明惠忌

鎌倉時代の僧で華厳宗中興の祖・明惠上人の1232(寛喜4)年の忌日。

 

家庭消火器点検の日

全国消防機器販売業協会が1991(平成3)年に制定。

 

 

空気清浄機の日

日本電機工業会が2006(平成18)年に制定

 

 

主な出来事

823

空海が教王護国寺(東寺)を下賜される。(新暦35)

1940

毛沢東が「新民主主義論」を発表

1946

NHKラジオで『のど自慢素人音楽会』の放送開始。

1984

太平洋側で大雪。東京は15年ぶり22cmの積雪で交通網が大混乱。

1991

登山家・田部井淳子が南極大陸最高峰ビンソンマシフ登頂に成功。女性で初めて世界六大陸の最高峰を征服。

 

 

誕生日

1862

森鴎外 (小説家,戯曲家,軍医『舞姫』『山椒大夫』)

1954

松任谷由実 (シンガーソングライター)

1957

柴門ふみ (漫画家,エッセイスト)

1983

宇多田ヒカル (シンガーソングライター)

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)