沖縄民謡(かりゆし編) | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。

 
沖縄民謡(かりゆし編)(★★☆☆☆)
                 
CD 1 
1.安里屋ユンタ/乙女椿
2.コイナーユンタ/大浜博起、大浜みね、通事安京、比屋根孝子
3.多幸山/知名定男
4.月ぬ美しや/大浜みね
5.てぃんさぐぬ花/宮里康子、古謝美佐子、宮里奈美子、比屋根幸乃
6.小浜節/大底朝要、東嵩西美寛
7.谷茶前/知名定男
8.古見ぬ主/乙女椿
9.海ぬちんぼーら/知名定男
10.だんじゅかりゆし/乙女椿
11.汀間とー/照喜名朝一
12.時代の流れ/名護良一
13.三村節/具志堅京子
14.梅の香り/津波皓瑛
15.ナークニー・カイサレー/国吉真博
16.崎山ゆんた・みなとーま/宮良康正
17.汗水節/宮城克年
18.唐船とーい/知名定男
19.祝節/乙女椿

Recorded ?
Released by キングレコード KICW 8829



沖縄民謡はエアチェックばかりでVINYLやCDは持っていなかった。
長女がiPodにいろいろ入れていたのを聴いて
アタシもCDを漁ってみたのだ。
沖縄の歌手はほとんど知らぬ。

TV番組で沖縄民謡を見聞きしていいなとはおもっても
アタシは歌手の名前が覚えられぬ。
使う漢字が一味ちがうので
読み方が判らず、そのうち忘れちまうのだ。

琉球音階はフム抜きのドミファソシの5音階である。
沖縄音階はム抜きのドレミファソシ6音を使う。
だが、それは平均律的な概念であって
実際には平均律では表せないのではないか。

インドネシアのガムラン音階はペロッグとスレンドロの
2音階があるのだが、平均律の五線譜では表せぬ。
ガムランの楽譜は五線譜を使わずに数字譜を使う。
音程は楽器ごとに微妙にずらしてチューニングする。

だから平均律の五線譜はまったく当てはまらぬ。
沖縄音階はそれと同じではないのか。
沖縄では三線と打楽器を使い、音板楽器は使わぬ。
三線は音程を自在に作ることが出来る。

などと妄想しながら期待して掛けたCD。
乙女椿の完全に西洋音階の歌にただ絶句。
これはひどい。
即ストップと腰を浮かせたが次の曲はよかった。

素朴な枯れた声がなかなかよいので
ひとまず最後まで聴くことにした。
どうも若い連中の奏でる沖縄民謡は
洗練されていて平均律で割り切る調べだ。

ジャワでもバリでも“洋楽”に毒されて仕舞う部分がある。
だが、彼の地はジャカルタなどの大都会は別として
地方都市にはどの町内にもガムランを練習する集会所がある。
東部ジャワの古都でアタシは町中の集会所に二年間通い続けた。

自宅にTVもラジオもない普通の民衆には
古来から演りつづけてきた旋法が染みついている。
TVの音楽番組でもガムラン楽団が洋楽のバンドと共演する。
旋法の違いが強烈な不協和音を出してくる心地よさ。

そのぶつかりあいを期待したら裏切られたね。
安いCDだけあってどうしようもない“洋風の沖縄”だった。
アタシゃよく判った。
成長の民謡は古いVINYLで探すしかないことを。