菓子⑤おさすり(三重県) | 食のハナシ〜郷土食など

食のハナシ〜郷土食など

この頃になって思う食のコト。
気ままに綴ります。



おさすり


「おさすり」という和菓子を

ご存知でしょうか


わたしは初めて目にして

そもそも「おさすり」ってなに⁉︎

見た目は柏餅のようですが

葉が明らかに柏とは異なります


お店の方に伺うと

「葉っぱの中身は柏餅と同じですよ」

何気なく買ってみました

それが美味しくて‼︎


葉は感触といい

まさに「初めまして」でして

しかもみたことがない形状

ハートみたいなのです


葉がとても大きくて

葉を開くとハート状で

そのハートの中に餡入お餅が

入っている姿です


分かりやすくハートの形と表現しましたが
これは猪目と表現した方が相応しいのかも
しれません



何気に買ってパクッと食べてしまったので

こんな写真しかありません💧

この葉は柏の葉ではなく
「サルトリイバラ」という葉だそうです

右下の写真から
葉の表面がツルツルとしているのが
お分かりいただけますでしょうか

このツルツルがお菓子を包むのに適している
この地域に生息する植物である
などなど条件が揃い
生まれた郷土食でしょうか

「柏餅」より「おさすり」の方が古くから
あったのではという説もあるんだとか

このサルトリイバラの葉は
ほんのりとした香りで
好みの香りでした

また熊野古道へ行く機会があれば
ぜひ次もいただきたい一品です

これこそわたしの大好きな「郷土食」ですね
その土地の特性を活かした食
まさにご馳走でした


   





伝統の灯を消すまいとする努力
口に運んでもらえるように改良工夫する努力
人々の様々な思いが絡まりあい
明日の郷土食が紡ぎ出されていく
(古家晴美 「郷土食とは何か」より)