男にとってのトイレあれこれ … 男子トイレ・小便器 ~ 洋便器に座ってさせる?! | 伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

伝統構法の家づくり…大阪の街中で!石場建て/木組み/土壁のマイホーム新築

五十代も後半、自宅を新築…新建材は怖い!
行き着いたのは地元の工務店。
で、棟梁がつぶやいた。
「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」
「石場建てってなんですのん?!」・・・

私がトイレに入ったら、これを眺めながら・・・。

棟梁が日伸建設の木材庫の奥から引っ張り出してきた・・・これ、杉なんですって!

流れるような木目に浮かぶ竹製の阿波踊りの舟・・・徳島のお土産。
毎日なん度とある、お気に入りのひと時。

 

今回は、

7/5稿「​トイレあれこれ … 腰掛便器選び編 ~ 最新高機能?シンプルベーシック?​」

8/17稿「​​奥が深いトイレあれこれ…内装・照明・小物など編~土壁・板壁WCは臭わない?!​​」

に続き、トイレあれこれシリーズ第3弾。

 

私たちが最初に持家を購入したのは、上の子が小学校に上がるとき。

建売り(厳密にはまだ建っておらず「売建て」)住宅。とはいえ、

間取りは全て自分たちで考えたので、「購入」というよりは、気分だけは「建てた」!


トイレの話しはその時に遡るんですが、
更にその前を思い返してみると・・・。


私たち夫婦が最初に住んだのは、1956(昭和31)年築の風呂もベランダもない団地。

トイレは和式便器でしたが、男は立ってするのが前提のもの。

きっとこの頃以降に出現した和式の新しいスタイルだと思われます。



まさにこういう感じ!

参照:「​レトロな団地の室内を再現、八王子の集合住宅歴史館に行こう!​」

 

2番目に住んだ、恐らく1975(昭和50)年頃築の一戸建ての借家も、

男は立ってするのが前提の和式便器で、

子どもが幼児だったのでこんなふう(イメージ写真)にしていました。



さて、初めてのマイホーム。建売りなのに標準仕様に敢えて追加したのがコレ!

TOTOカバー付小型ストール小便器U116(1990-2006年)
​​
 

女性がトイレの戸を開けてまず小便器が目に入っても、

女性が洋便器に腰掛けて前に小便器が目に入っても、

蓋が付いているお陰で違和感が少ないというスグレモノ!


ウチは男の子が2人+私(父)+母だったので、

「立小便は男の本懐」とばかりにこだわったところです。



今から25年ほど前、1996(平成8)年頃のこと。

洋便器の普及で男も座ってするべし!という風潮がまん延しだしたなか、

そんな軟弱な!と敢えて現代住宅へのアンチテーゼとしたものでした。



そして、私の亡き父のために、父が70歳台のころ我が家の近くに購入した古家。

1970(昭和45)年頃築の家をリフォームしたときにも、小便器を設置しました。

その世代の男は、立ってするのが当たり前だったからです。



けれど残念ながら既に蓋つき小便器は既に廃盤になっていて、

やむなく蓋のない小型小便器にしました。


このおじいちゃんの家に同居したのは、

初めてマイホームを建てたときに小1だった、成人した上の子。

男2人暮らしだったので、これは大正解でした。


ところが、我が家を建て替えることになって、
この家に妻も仮住まいすることになって、

妻がこんなふうに言うんです・・・。


「前の家は蓋のあるスリムでスタイリッシュな小便器だったから見過ごせたけど、

この家はトイレに入るたびに、小型とはいえドーンと小便器がむき出しで、

やたら目について女性としては印象が悪い」と。


そう言われてみると、それもそうです。

TOTOが​カバー付スリム小便器​を廃版にしたのは、本当に惜しまれます。

それほどまでに需要がなかったんでしょうね。



じゃあ、こんど建てる家のトイレは、どうする?

小便器なしの選択肢は、私にはありません!


そんななかで妻が検索で見つけてきた画像が、これ。

なんということでしょう♪♫♬

これなら何とか女性でも許容できるじゃないですか!


昔の伝統的な都市部の小さな家屋では、

入口から小便器のブースを通って、ボットン便器のブースに入っていました。
大阪市の私の親戚の長屋や、私が子どもの頃に父が初めて購入した1969年築の建売りがこれでした。

そして田舎など大きな家屋は、男便所と女便所が完全に分かれた個室でした。
私の岡山の親戚の農家は、水洗化された今もそうです。


男小便所と洋式便所を完全に分けるのが理想・・・とはいえ、

都市部ではスペース的になかなかそこまでできません。

じゃあどうする?


目からウロコとは、まさにこのこと!

これならトイレに小便器が同居していても、女性としてもあまり気にならないでしょう。


ということで棟梁にお願いして採用したのが、この間取り。

洗濯・脱衣場とは独立した洗面ユーティリティーを通って奥のトイレに入ると、

まず洋便器、そして更に奥に小便器。これで3帖分。
別々に扉をつけられたらよかったんですが、狭い我が家ではこれが精一杯。


グループアプローチ建築設計事務所のブログ「小便器のこと」

ここに正解があったのです。

このブログ、残念ながらこの8月末で更新を終えたようですが、おススメです。


そして、曰く・・・

> 結局、男はプライドを捨てて、

> 腰掛便器に座って小をするのが合理的なのかと・・・、迷います。

いやいや、小便器を肯定的に捉えている論調は、他にもあるはず・・・


おっとぉ!あるじゃないですか。こんなブログ記事。

スマイルMAXさんのブログ「男性用小便器で家全体のトイレを清潔に保てる!」

 

> 結論としては、男性用小便器は大正解!なんたってトイレが清潔です。

> 新築注文住宅を建てるなら男性用小便器を絶対におすすめしたい…。


これによると、男性用小便器は、あった方がかえって清潔で掃除が減るとのこと。

 

小便器が住宅からこれほどまでに駆逐され、男も座って!と女性に押し切られる昨今。

それはなぜか・・・?


ひとえに尿ハネの問題​​と、​

男がトイレ掃除をしない!という問題に集約されるでしょう。​


さて、その尿ハネ。


「トイレの尿ハネ実態と男性の小用スタイルの関係」
 

上の​​ライオン株式会社の研究によると、男が座ってしたからといって、

そんなに尿ハネは劇的に少なくなるわけではないようです。

それに、男が目の敵にされてる割には、女性の方が尿ハネが多いとか・・・。

>“座りスタイル”でも油断は禁物!?「便座裏」が新たな尿ハネスポットに!


これは、NHKためしてガッテン「家族が涙!トイレ問題 大解決SP」2015/9/2にて

共同で行った実験によるものだそうです。


そのNHKのサイトを見てみると・・・

 

> 現実的に尿ハネゼロにするには「座り小便」(座った方が楽!)という結論になります。




と言う一方で、
さりげなく見落としそうなこんな一文が!

 

> 公衆トイレの「男性用立ち小便器」では、

>「一歩、前へ」を実践することで尿ハネをゼロにできるのですが・・・

じゃあ結局は、家庭でも小便器をつければいい!ということになりますよね。


 

で、ここで、2つ目の問題・・・。


男性用の便器を独立させて、自分で掃除させればいい!

男の子は学校で、男便所を掃除しているのです・・・ならば、自宅でも。

それこそ、自分のことは自分でするという日本の美徳。


こうして男は男として育てればいいのです。​

​なにも女性に迎合しなくてもいいじゃないですか。​


ある本に、こんな趣旨のことが書いてありました。

家を新築するにあたって、結局は妻主導になってしまう夫婦云々・・・。


家づくりはジェンダーフリーを具現化する大きな夫婦の協同作業。

であればこそ、男は立小便を、小便器の設置を、正当に主張していいのです。


そんなこんなを、我が家に小便器を設置して、つれづれ思いを巡らせていると、

こんなYouTube動画があがってきました。


モリシタ・アット・ホーム

「男の子とおしっこ。小便器を考える。」

 

このごろ住宅系YouTubeが百花繚乱で良し悪しなんですが、

私はこの森下誉樹さんの番組が気に入っています。

「普通の」人が知りたいことが、とっても分かりやすくまとまっているんです。
 

で、ちょっと長くなりますが、引用させていただきます。

 

> 分子生物学の有名な先生で福岡伸一先生という方がいらっしゃいます・・・

> トイレを作っていただくと、家族みんなにメリットがあるかなと・・・

 


私は早速「できそこないの男たち」を購読してみました。

 

生命の基本仕様は女。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。

メスは太くて強い縦糸であり、オスはメスの系譜を時々橋渡しし、

細い横糸の役割を果たす〝使い走り〟に過ぎない・・・との論旨。



世のお母さん方!

息子さんを「男」として育てていますか? 「男」にしていますか?

男は男にしないと、男にならないんです。

世のお父さん方!
息子さんを「男」として育てていますか? 「男」にしていますか?
息子は父親の背中を見て、大人になるんです。


そのためにも、

「男性用立ち小便器」の設置を、

夫婦で一緒にぜひ本気で考えてみることをお勧めします。


我が家の1階のトイレ☝
日伸建設​の我が棟梁が、私たちの要望をしっかり汲み取ってうまくまとめてくれました。
無垢材と土壁のお陰で臭うこともなく、男女を問わずとても快適な空間になりました。