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九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせん「の」めい)は初唐の三大家、もしくは唐の
四大家の内の一人欧陽詢(おうようじゅん)による書です。
唐の二代皇帝太宗(本名:李世民「りせいみん」)が九成宮と言う場所に避暑として出掛けた際、庭を散歩している途中地面を杖でつつくとそこから甘い水(酒?)が湧き出したことから立てた碑です。
実際そんな事はありえないでしょうしあくまでも皇帝としての権威を示すために作ったものだとは思いますが…。
撰文は魏徴(ぎちょう)によるもので一行50文字、全24行からなります。
碑自体は陝西省に現存しますが拓を取る人が続出、それにより表面が摩耗し後世の人が掘り直したりしており現碑は見るも絶えない姿となっております。
今日も数多くの人が手習いとして拓本(法帖)を見ながら臨書をしていると思いますが、その中でも最も精拓とされているのが北宋時代に拓が取られた通称李祺旧蔵本(りききゅうぞうぼん)です。現在は北京の故宮博物院に所蔵されております。

話は変わりますがこの九成宮醴泉銘、実は教科書で使われる文字(教科書体なんて言いますが)のベースになっています。何気ない部分にも書と言うものは浸透しているんですね。

それでは特徴を見て見ましょう。
字型は基本的に縦長、入筆の角度は約45度で入っており非常に鋭く厳しい印象を与えてくれます。
書は人なりと言いますが、実際欧陽詢も性格のキツい人物だったのでしょうかね?
なんて余談は置いておきまして、転折(てんせつ/肩を落とす部分)は自然な印象を受けます。
文字の重心は下にあり細身な線ながらどっしりとした印象を受け、風格があります。


本当に基礎的な古典ではありますが、こういった古典を書けるようになってからでないも発展的な書は書けない、と心の中で思いますが実際私も九成宮は大の苦手です。
こういう古典をしっかり書けるようになって葉書の宛名書きとかが出来るようになると本当にかっこいいと思います。


分からない部分、感想でもありましたらコメントいただけるとこちらのやる気が出るかもしれません。